黄輪雑貨本店 新館

黄輪雑貨本店のブログページです。 小説や待受画像、他ドット絵を掲載しています。 よろしくです(*゚ー゚)ノ

    「あらすじ」紹介ページ

    双月千年世界 目次 / あらすじ

    度々「(小説の内容が)何が何だか分からない」というコメントをいただいているので、
    一応あらすじを紹介したページを設けてはいるんですが、それについてもやはり、
    「どこにあるのか分からない」とのご指摘を度々受けていました。

    というわけで急遽、ダイレクトに「ここから行けば分かる!」という記事を作成しました。
    ここです。

    PageTop▲

    琥珀暁 目次

    双月千年世界 目次 / あらすじ

    絵師さん募集中!

    黄輪雑貨本店 総合目次 (あらすじもこちらにあります)

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    「琥珀暁」地図(作成中……)

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    「双月暦」の暦
    双月世界の魔力・魔術観について
    双月世界の種族と遺伝 補足1
    双月世界の戸籍

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    1話目から読みたい方はこちら



    琥珀暁・狐童伝
    1 2 3 4 5 6

    琥珀暁・錬杖伝
    1 2 3 4 5 6

    琥珀暁・鳳凰伝
    1 2 3 4 5 6 7

    琥珀暁・群獣伝
    1 2 3 4 5 6 7

    琥珀暁・南征伝
    1 2 3 4 5 6

    琥珀暁・駆逐伝
    1 2 3 4 5 6 7

    琥珀暁・金火伝
    1 2 3 4

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


    第1部;彼訪伝~邂朋伝
    第2部;狐童伝~金火伝

    PageTop▲

    DETECTIVE WESTERN 8 ~ 悪名高き依頼人 ~ 8

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第8話。
    記憶の矛盾。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    8.
     わだかまりつつも探偵局に戻ったところで、アデルは局長に尋ねる。
    「それで局長、どうやってギルマンを探すんです? また例の名士録に名前があったり、とか?」
    「いや、流石にまったく情報が無い。リロイに聞いてみるとしよう。
     リロイは今日は非番だが、彼が非番にやることと言えば本を読むか、奥さんとチェスするか、後はあの三毛猫をからかうくらいだ。呼べばすぐ来る。
     と言うわけでアデル、リロイを呼んでおいてくれるか? 住所は知っているな?」
    「ええ。行ってきます」
    「うむ」

     アデルが局を出たところで、エミルが再度、局長に尋ねる。
    「それで局長、イクトミに何の条件を出したの?」
    「さてね」
    「……あいつがいるから話せなかった、ってことじゃないのね」
    「うむ。あれは正真正銘、私とイクトミとの間で交わした約束だ。君たちに打ち明けることは、今は無理だ。
     機が熟せば話しても構わないとは、考えているがね」
    「そう」
    「それよりもだ、エミル」
     と、局長は真面目な顔になり、小声で尋ねる。
    「君の言っていることとイクトミの話には、矛盾や齟齬(そご)が散見される。
     さっきも取り沙汰したが――君は『幹部陣とのつながりは無かった』と言っていた。しかし一方、イクトミは『親交はあった』と言う。
     無論、君とイクトミとの価値観の違いなどから、『一方は親しくしていたつもりだったがもう一方はそんな風に思っていなかった』と言うようなことはあるだろう。しかし――細部ばかりとは言え――彼と君の話には、食い違う点がいくつもある。
     一体、どう言うことなんだ? 本当に君とイクトミは、同じ組織に属していたのかね?」
    「それは本当、……だと、思うわ」
    「思う?」
    「そうじゃなきゃ、あいつがあたしを知ってる道理が無いでしょ?」
    「それは確かにそうだ。しかし一致しない点があるのは、何故だ?」
    「……それは、多分」
     エミルは一瞬口ごもり、恐る恐ると言った口ぶりになる。
    「あたしの記憶が、少し、……いえ、かなり、壊れているんだろう、と」
    「壊れている?」
    「ええ。あなたも知っていることだけど、あたしは組織の大閣下、即ち祖父を殺した。……いえ、イクトミによれば死んでないのよね。
     とは言え肉親同士の殺し合いなんて、結構ハードな話でしょ?」
    「確かにね」
    「そのせいか、……あの頃の記憶が、……あんまり、はっきりしないのよ。よっぽど嫌な思い出があるのか、……思い出そうとしても、どうしても思い出せないのよ」
    「ふーむ……」
     エミルの話を受け、局長は苦い顔をする。
    「確かにどこぞの大学だか研究機関だかで、あまりに深刻かつ衝撃的な体験をした者は、精神に悪影響を及ぼすと言うような説が唱えられていたと記憶しているが、……ふーむ、君のような鋼の精神の持ち主であっても、例外では無いと言うことか」
    「鋼なんかじゃないわよ。あたし、これでもナイーブなの。
     ともかく局長、お願いするけど――あんまり、あたしに組織の話、聞かないでほしいの。聞かれても大体答えられないと思うし、思い出そうとすると、アタマ痛くなるのよ」
    「うむ、分かった。まあ、組織の情報を抜きにしても、君が得難い人材であることには変わりない。今後は聞かないことにするよ。
     さて、そろそろアデルが戻ってくる頃だろう。リロイの分も合わせて、コーヒーを淹れてきてもらって構わないかね?」
    「いいけど、……局長、あなたさっき、2杯飲んでたでしょ? まだ飲むの?」
    「うむ。質の良いコーヒーは何杯飲んでもいいものだ。淹れる人間の腕も関係してくるがね。君のコーヒーなら一樽だって飲める」
    「あら、ありがと」

    PageTop▲

    DETECTIVE WESTERN 8 ~ 悪名高き依頼人 ~ 7

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第7話。
    組織攻略の端緒。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    7.
     イクトミの言葉に、エミルは血相を変えた。
    「嘘でしょ?」
    「これが嘘であれば、わたくしは喜んでホラ吹きと呼ばれましょう。どんな嘲(あざけ)りを受けたとしても、どれほど幸せなことか。
     ですが、甚(はなは)だ残念なことに、これは事実なのです。わたくしも間違い無く死んだものだ、と思っておりました」
    「何があったの?」
    「そもそもの発端は、古巣に呼び戻されたことです。
     そう、再び組織の幹部として活動せよ、との命令が、わたくしに下ったのです」
     やってきたコテージパイにチラ、と左目を向けつつ、イクトミはこう続ける。
    「しかし今やわたくしは、孤独と砂漠の乾いた風、そして祖国フランスから渡ってきた美術品の数々を愛する日々を謳歌(おうか)しております。今更あの狂気の集団に戻ろうなどとは、露ほども思っておりません。
     ですので丁重にお断りいたしましたところ、それから執拗(しつよう)に襲撃を受けまして。無論、トリスタン級の怪人でも現れぬ限り、わたくしが手こずるようなことは全くもってありえないのですが、それでも昼も夜も、場所も構わずに襲われては、たまったものではありません。
     故に組織の現状を知り、逆にこちらから襲撃することで、二度と勧誘されぬようにと画策していたのですが、その過程で3つのことが分かったのです。
     1つは、組織は以前と変わらず、大閣下の統率下にあること。2つは、組織はわたくしと同様、生き残った元幹部たちに召集をかけ、そのほとんどがそれに応じ、復帰していること。
     そして3つ、元幹部の一人であるギルマンには召集がかかっておらず、にもかかわらず、組織の兵站が以前のように機能していることです」
    「どう言うことだ?」
     尋ねたアデルに、イクトミではなく、局長が答えた。
    「つまりギルマンは組織から離れることなく、ずっとシャタリーヌの元にいたと言うことか」
    「左様でございます。恐らくは大閣下が逃走している間もずっと、彼の本分である逃走ルートの確保に努め、同道していたものと思われます。
     であれば彼のいるところに、かなり高い確率で、大閣下本人か、もしくは本拠地なり移動ルートなり、彼に関する何らかの情報が存在するものと」
    「その情報をつかみ、君は組織を攻撃すると言うわけか。
     そして――なるほど、君が何故、アルジャン兄弟を売るような真似をするのか。それも理解したよ。
     要するに君は、エミルにアルジャン兄弟を始末してもらいたいと言うわけだね?」
    「ええ、仰る通りです。先程も申し上げました通り、流石のわたくしでも、トリスタンには一歩及ばぬものでして。
     ですがマドモアゼルならば、あの怪人を下すことは容易なはずです。事実、以前に対決した際にも、彼女はトリスタンを退けておりますから」
    「買いかぶりよ」
     エミルはそう返すが、イクトミは首を横に振る。
    「買いかぶりなどではございません。極めて公平かつ客観的な評価です。わたくしはマドモアゼルの実力を、良く存じておりますから」
     そう返したイクトミに、局長と、そしてアデルが反応した。
    「ふむ?」
    「どう言うことだ? 一緒に戦ってたって言うのか?」
     アデルに問われ、イクトミはけげんな表情を浮かべる。
    「左様ですが、何か? 顔ぶりから察するに、『そんなわけがあるか』とでも言いたげなご様子ですな」
    「昨日、我々がエミル嬢に、ギルマンに付いて何か知らないか尋ねたのだが、彼女は『自分は幹部連中との関わりは無かった』と答えたんだ。
     しかし君は幹部だったのだろう? となれば話が矛盾する。彼女が嘘をついたとも考えにくい」
    「ふむ」
     イクトミはエミルにチラ、と視線を向け、こう返した。
    「確かに一緒に仕事をしていたとか、作戦に参加していたとか、そう言った事実はございません。ですがプライベートでは、それなりに親交はございます。
     その折に、実力の程は十分拝見しております」
    「なるほど。
     まあ、ともかく――君の言葉を額面通り信じるとすれば、君にはアルジャン兄弟を無傷で葬れると言うメリットが有るわけだ。
     そして我々も、彼らに懸けられた懸賞金を手にし、名うての賞金首を仕留めた名声をも得られると言うわけだ。
     いいだろう。君の依頼、受けることにしよう」
    「ありがとうございます」
     イクトミがほっとした顔をし、握手しようと手を差し出したところで、局長がこう続けた。
    「ただし、こちらも条件がある」
    「なんでしょうか?」
     いぶかしげに片眉を上げたイクトミに、局長は立ち上がるよう促す。
    「詳しい話は離れてしよう。君と私だけでね」
    「局長?」
     目を丸くするエミルとアデルをよそに、イクトミは素直に立ち上がり、そのまま二人で店の奥へと消えた。
    「……どう言うこと?」
     尋ねたエミルに、アデルは肩をすくめるしか無かった。
    「局長お得意の工作か何か、……だろうな」

     数分後、二人は何事も無かったかのように奥から戻り、それからにこやかに歓談しつつ、コテージパイとコーヒーを平らげた後、そのままイクトミは店を出ていった。
     アデルたちは局長の出した条件や密談の内容について尋ねたが、局長はニコニコと微笑みながらコーヒーを飲むばかりで、何も答えなかった。

    PageTop▲

    DETECTIVE WESTERN 8 ~ 悪名高き依頼人 ~ 6

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第6話。
    探偵王と怪盗の邂逅。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    6.
     翌日、3時。
     壁に取り付けられた電話がじりりん、と鳴り出したところで、局長がすぐに受話器を取った。
    「はい、こちらパディントン探偵局。……うむ、そうだ。私がパディントンだ。
     君はイクトミかね?」
     局長の後ろで様子を伺っていたアデルとエミルは、顔を見合わせる。
    「来たわね」
    「流石、伊達男。3時きっかりだな」
     その間にも、局長とイクトミは電話越しに会話を交わしている。
    「そうだ。私が話をする。……いや、彼女はいるよ。私の後ろにね。
     ……そうは行かない。君はエミル嬢にではなく、このパディントン探偵局に対して依頼したのだろう? ……個人的に、であったとしてもだ。彼女は個人業じゃあなく、局に所属する人間だ。である以上、彼女の仕事は局がマネジメントするのが道理だろう? ……ははは、馬鹿を言うものではない。いつ終わるとも知れん仕事をさせるために休暇を取らせるなど、私が認めると思うのかね? ……そう言うことだ。それが嫌だと言うのならば、これまで通り一人で捜索したまえ。
     ……うむ。ではもう少し詳しい話をしようじゃあないか。いつまでもそんなところで私たちを眺めていないで、……そうだな、こっちのビルの斜向いに店がある。君のいるウォールナッツビルの、3つ左隣の店だ。……そう、ブルース・ジョーンズ・カフェだ。
     そこなら捕まる、捕まえるなんて話抜きで相談もできるだろう? 無論、衆人環視の中でドンパチやるほど、我々も無法者じゃあないからな。君もそう言うタイプのはずだ。
     ……決まりだな。私たちもすぐ向かうから、君もすぐ来たまえ」
     そこで局長は電話を切り、窓の外に向かって手を振る。
     その様子を眺めていたエミルが、呆れた声を上げた。
    「あのビルにいたの?」
    「うむ、予想はしていた。彼も慌てたようだよ。居場所を言い当てられたものだから、指摘した瞬間、声が上ずったよ」
    「伊達男も形無しね、クスクス……」



     15分後、局長が指定した喫茶店に、一般的な――今度は「東部都市では」と言う意味で――スーツ姿で、イクトミが姿を現した。
    「あら、白上下じゃないのね」
     指摘したエミルに、イクトミは苦笑いを返す。
    「流石に目立ってしまいますから。わたくしも、色々と狙われる身でしてね」
    「ふむ」
     イクトミのその言葉に、局長が納得したような声を漏らす。
    「つまりギルマン某を探したい、と言うのは、やはり組織に関係してのことかね?」
    「左様です」
     イクトミが椅子に座ったところで、局長がメニューを差し出す。
    「私がおごろう。ここのコテージパイは絶品だそうだよ」
    「ほう。ではそれと、コーヒーを」
     そう返したイクトミに、局長はニヤっと笑いかける。
    「君もコーヒー派かね?」
    「ええ。氏はイギリス系とお見受けしますが、紅茶は?」
    「実を言えば、あまり好きじゃあないんだ。それがイギリスを離れた理由の一つでもある」
    「変わった方ですな」
    「君ほどじゃあないさ」
     やり取りを交わす間に注文し終え、間も無く一同の座るテーブルにコーヒーが4つ、運ばれてくる。
    「コテージパイが温まるまでにはまだ多少、時間がある。それまでに話を詰めておこう。
     まず、君からの依頼を受けるか否かについてだが、君から何かしらの情報を得られれば、受けてもいいと考えている」
    「情報……、何のでしょうか?」
    「まず、アンリ=ルイ・ギルマンとは何者なのか? 組織においてどんな役割を担っていたのか?
     そして何故、君はギルマンを探しているのか? それを聞かせて欲しい」
    「ふむ」
     イクトミはコーヒーを一口飲み、それから局長の質問に応じた。
    「ギルマンはいわゆる『ロジスティクス(兵站活動)』を担当していました。
     武器・弾薬と言った装備の調達や侵攻・逃走経路の確保、基地や備蓄施設の設営、その他組織が行う作戦について、あらゆる後方支援を行う立場にありました。
     そして……」
     イクトミはそこで言葉を切り、エミルに視線を向けた。
    「なによ?」
    「大閣下がマドモアゼルの手にかかって死んだと思わせ――その実、陥落せんとする本拠地からまんまと彼を連れ出したのも、ギルマンの仕業なのです」

    PageTop▲

    DETECTIVE WESTERN 8 ~ 悪名高き依頼人 ~ 5

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第5話。
    無理筋の依頼。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    5.
    「なるほど」
     アデルたちの話を聞き終え、パディントン局長はそれだけ言って黙り込んだ。
    「……どうしましょうか?」
     沈黙に耐えかね、アデルが尋ねる。
    「ふむ……」
     しかし、局長はうなるばかりで、返事は返って来ない。
    「迷うことがあるのかしら?」
     エミルからそう問われ、ようやく局長は応じた。
    「いや、迷っているわけじゃあない。
     君の言う通り、その依頼は受けて然るべきものだろう。我が探偵局が凶悪犯2名を拿捕できる絶好のチャンスだ。情報提供者が犯罪者だとしても、そんなことはチャンスを逃す理由にはならん。
     一方で、疑問がある。イクトミが何故我々に対し、そんな依頼をしてきたのか? その点だ」
    「確かにね」
     局長の指摘に、エミルもうなずいて返す。
    「あの怪盗気取りの伊達男がわざわざあたしたちの前に現れ、わざわざ依頼なんかしに来るその理由が、さっぱり分からないものね」
    「そう、それだ。
     彼は探偵として動けば、恐らくそこいらのヘボ探偵より余程、いい仕事をするだろう。リゴーニ地下工場事件の一件だけでも、その才能と実力がよく分かる。
     が、それ故に何故、我々に依頼してきたのかと言う疑問も、一つの解が付けられるだろう。即ち、彼のその『相当の手腕』を以てしてもなお、そのアンリ=ルイ・ギルマンなる人物の足跡を追うことができなかったのだろう、と言うことだ」
    「なる……ほど」
     局長の見解を聞き、アデルは嫌な予感を覚える。
    「つまり我々にとっても、この依頼は相当な無理筋だ、と見るべきでしょうね」
    「うむ。……そこでエミル、君に聞きたいことがある」
     局長からそう尋ねられ、エミルはけげんな顔を向ける。
    「どうしたの、改まって?」
    「君は『組織』に詳しい、と考えていいのだね?」
    「ええ、まあ。少なくともあなたよりは詳しいでしょうね」
    「では尋ねるが、このギルマンと言う人物は、『組織』においてどんな役割を担っていたのかね?」
     局長の質問に、エミルはわずかに表情を曇らせる。
    「それは……」
    「言えない、と言うことかね?」
    「違うの。そうじゃなくて、……そうね、まず、あたしが『組織』でどんな立場にいたかってことから話すけれど」
     そう前置きし、エミルはぽつりぽつりと言った口調で話し始めた。
    「まず、あたしが『大閣下』の孫だったって話は、知ってるわよね?」
    「うむ」
    「その、言ってみれば、……何て言うか、そう言う立場って、例えば国王に対する王女、みたいなものじゃない?」
     珍しく、顔を赤らめつつ話すエミルを見て、アデルは内心、笑いが込み上げそうになる。
     それを見透かされたらしく、エミルがにらんでくる。
    「なによ?」
    「い、いや。何でも」
    「……コホン。と、ともかく、そう言う、その、王女って、例えば騎士団に入ったり、政治に携わったりする?」
    「なるほど。つまり、言わば君は『籠の鳥』として扱われていた、と言うことか」
    「そう言うこと。だから、あんまり幹部がどうだったとか、『組織』が何をしてたかとか、詳しくないのよ。
     だからそのギルマンって奴も、全然面識は無いの」
    「ふーむ……。となると、手がかりが全く無いな。イクトミに聞くしか無さそうだ」
    「どうでしょうね? 依頼してくるほどだから、相手も大したことは知らないんじゃ……?」
     そう返したアデルに、局長は肩をすくめる。
    「何の接点も関係も無い人間を探してくれなどと頼むような人間は、この世にはまずいるまい。捜索を依頼するのならば、必ず何かしらのつながりがあって然るべきだ。返事をするのはそれを聞いてからだろう。
     仮にアデルが言う通り、本当に何の接点も無く、何の手がかりも与えられないとなると、その依頼は断る他無い。何の手がかりも無いまま局員をあてどなく放浪させるほど、我が探偵局は暇ではないからな」

    PageTop▲

    DETECTIVE WESTERN 8 ~ 悪名高き依頼人 ~ 4

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第4話。
    アルジャン兄弟。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    4.
    「アンリ=ルイ・ギルマン?」
     首を傾げつつも、アデルは懐からメモを取り出し、その名を書きつける。
    「名前からしてそいつもフランス系か? スペルはこれでいいのか?」
    「Hが抜けていますね。あと、AではなくEです」
    「分かりづれえな、無音のアッシュ(注:フランス語は基本として、語頭の『H』を抜いて発音する)かよ」
    「それがフランス語と言うものです」
    「こいつが今、どこにいるのかが知りたいのか?」
     尋ねたアデルに、イクトミは恭しくうなずく。
    「その通りでございます」
    「ちょっと待ちなさいよ」
     と、エミルが再度さえぎる。
    「あんた、受けるつもりなの? まだ報酬が何なのかも聞いてないのに?」
    「ああ、そうか。つい流れに乗せられちまった」
     アデルは首をぶるぶると振り、イクトミをにらみつける。
    「いい加減聞かせてみろよ、お前が持ってきた報酬とやらをよ?」
    「ええ。先程示したものこそが、わたくしの提示する報酬でございます」
    「何だって?」
     首を傾げるアデルとは反対に、エミルは納得言ったような表情を浮かべる。
    「そう言うこと?」
    「さて、どうでしょうか」
     そんな風に言葉を交わしつつ、目配せし合った二人に、アデルは苛立たしさを覚えた。
    「何だよ?」
    「つまりね、こいつは知ってるのよ。『あの二人』の居場所を」
     エミルからそう説明されるが、アデルには依然としてピンと来ない。
    「あの……二人?」
    「アルジャン兄弟よ。ほら、いつものあんたなら手帳開いて、賞金額を確かめるところじゃない?」
    「ん? ……お、おう」
     言われるがまま、アデルは自分の手帳を開き、賞金首のリストを確認する。
    「トリスタン・アルジャン、賞金9800ドル。結構な大物だな。
     ディミトリの方はデータが無いが……」
    「一応ながら、ディミトリは一般市民として生活しているようですから。
     しかし兄のトリスタン、即ち犯罪者へ改造拳銃を提供したり、非合法のルートでM1873のコピー品を国内外へ流したりと、裏を覗けばかなり『臭い』ことを行っているようです」
    「M1873のコピー品……? おい、それってまさか」
    「ええ、ご明察です。あのリゴーニ地下工場で見た、大量の武器。
     あの製造にも、ディミトリが関わっていたようなのです」
    「マジか」
     これを聞いて、アデルは真剣になった。
    「それが本当なら、アルジャン弟も立派な犯罪者ってわけだ。
     少なくともウィンチェスター社からは著作権侵害で訴えられるだろうし、そもそも密輸って点でお縄になる」
     エミルも真面目な顔でうなずいている。
    「軽く見積もっても3~4000ドルのお尋ね者になるわね。兄弟合わせれば12000ドルに届くかも知れないわ」
    「と言うわけです。これはかなりの報酬と言えるのではないかと、わたくしは思っているのですが」
     そう尋ねたイクトミに、二人は揃ってうなずいて返した。
    「なるほどね。確かに美味しい話だわ」
    「捕まえられれば、の話だがな」
    「お二人ならばそれが可能、そう思って提示した次第です。
     どうでしょうか? わたくしの依頼、お受けになっていただけますか?」
    「この場ですぐイエスとは言えないわね。あたしたちは基本的に、探偵局の人間だし」
     そう返したエミルに、イクトミは苦い顔をする。
    「と言って探偵局にわたくしが依頼しに参れば、その場で拘束されるでしょう?」
    「当たり前だろ。強盗殺人犯を放っておくわけが無い」
     アデルにも冷たい態度を取られ、イクトミはやれやれと言いたげに首を振る。
    「では、ここは一旦お暇するといたしましょう。また明日、午後3時に、電話にてご連絡いたします。その時に返事をお聞かせ下さい。
     では、わたくしはこれにて」
    「え?」
     次の瞬間、イクトミはほとんど垂直に飛び上がり、ビルとビルの間をとん、とんと蹴って二人の頭上をやすやすと越え、そのまま大通りへと消えた。
    「……やられた」
     上をぽかんと見上げたまま、アデルがうめく。
    「あっちのペースに乗せられっぱなしね。
     まあ、とりあえず帰って局長と相談しましょ」
     そう言って、エミルは傍らに置いていた買い物袋を手に取った。

    PageTop▲

    DETECTIVE WESTERN 8 ~ 悪名高き依頼人 ~ 3

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第3話。
    銀板写真。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    3.
    「で、報酬は?」
     エミルが尋ねたところで、イクトミは懐に手を入れた。
    「あ、拳銃などではございませんから、そう緊張なさらず。マドモアゼルもホルスターから手を離して下さい。
     お見せしたいのは、こちらです」
     イクトミはゆっくりと懐から手を抜き、一枚の銀板写真を二人に見せた。
    「この写真、中央に写っている人物については、マドモアゼルには説明の必要はございませんでしょう」
    「……ええ、そうね」
     写真を目にした途端、エミルは明らかに不機嫌な様子を見せる。
    「こんなの残ってたのね」
    「フランス人らしく、洒落たお方でしたから。自己顕示欲もいささか強いご様子でしたし」
    「ええ、このいかにも『わしは旧大陸が誇る叡智の結晶である』って言いたげなしたり顔、見てて吐き気がするわ」
     二人のやり取りを聞き、アデルは首をかしげる。
    「何が写ってるんだ?」
    「こちらは、……っと、マドモアゼル。わたくしから説明差し上げてもよろしいでしょうか?」
    「勝手にどうぞ」
    「では、……コホン。
     この写真は187X年、C州にて撮影されました。ご存知の通り銀板写真と言うものは基本、複製が利かぬものでして、そのためその場で何枚も撮られまして。
     1時間も2時間も笑顔で直立していなければならず、幹部一同、こんな遊びに付き合わされるのは二度と御免だ、次は一人で突っ立っててくれ、……などと言い合うのが我々だけでの酒の席における、定番の肴でした」
    「あ……?」
    「失礼、話が逸れました。
     ともかくこの写真は、その組織の首領と幹部一同の集合写真なのです」
    「組織、……って、まさか」
    「ムッシュ・ネイサンもご存知のようですね、我らが組織の存在を。
     そう、この写真の中央に鎮座しておられますのは、かつて『大閣下』と称された組織の首領、JJ・N・シャタリーヌ氏です」
     エミルが罵った通り、写真の中央に写っているその老人の顔は、下卑た性根を感じさせずにはいられない、醜く歪んだものであった。
    「それで笑顔のつもりなんだから、内面の汚さが分かるでしょ?」
    「これが笑顔だって? ……ああ、確かにありありと分かるな」
    「わたくしにしても、この悪鬼の如き笑顔は二度と拝したくないものです。
     さて、そんなおぞましい写真をお二人にお見せしたのは、何も大閣下の下劣な顔を認識させようと言うつもりではありません。
     注目していただきたいのは、この3名でございます」
     そう言って、イクトミはとん、とんと2ヶ所を指し示した。
    「こちらの2名、ムッシュ・ネイサンも以前に顔を合わせたことがあるのですが、覚えておいででしょうか?」
    「以前に……? いや、待て。確かにこっちのいかつい方は見覚えがある。
     こいつ、もしかして……?」
    「ええ、『猛火牛(レイジングブル)』ことトリスタン・アルジャンです。彼は組織の上級幹部でした。そして横にいる、彼の弟も」
    「弟?」
     尋ねたアデルに、イクトミは肩をすくめる。
    「あなたと初めてお会いした黄金銃事件、その発端となった黄金製SAA。あれを製作したのがその彼、ディミトリ・アルジャンなのです」
    「へぇ……?」
    「ねえ、イクトミ。あんたの話が無駄に長ったらしいってことは嫌になるほどよく分かったから」
     エミルが若干苛立った様子で、話をさえぎる。
    「その写真に何の意味があるのか、さっさと教えてちょうだい」
    「そう焦らずに、マドモアゼル。
     わたくしが依頼したいのは、もう一つ指し示した人物についてなのです」
     そう言ってイクトミは、ある人物をもう一度指差した。
    「彼の名はアンリ=ルイ・ギルマン。彼の行方を探していただきたいのです」

    PageTop▲

    DETECTIVE WESTERN 8 ~ 悪名高き依頼人 ~ 2

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第2話。
    怪盗紳士、三度目の登場。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    2.
    「で、どの店の豆が美味しいって話なの?」
    「そこなんだよなぁ」
     エミルと共に街の大通りを歩きながら、アデルは肩をすくめる。
    「グレースの奴、コロンビア産のがどーの、アフリカの方から輸入したのがどーのって色々うんちくを垂れてばっかで、結局『ここがあたしのイチオシね』ってのを教えてくれなかったんだよ。
     しまいにゃ俺も『ああ、こりゃ聞くだけ時間の無駄だ』と思って、適当に切り上げてきちまったんだよな」
    「役に立たないわね。勿論あんたじゃなくて、アシュリーの方がだけど」
    「まったくだ」
     この日、二人は揃って買い物袋を抱えながら、街をぶらついていた。
     と言ってもプライベートではなく、探偵局で使う紙やインクなどの消耗品、そしてコーヒーやドーナツと言った飲食物の買い出しである。
     それでも単調なデスクワークよりも幾分気楽な作業であるためか、それとも街を流れる秋風が心地いいためか、二人の雰囲気は軽く、呑気なものだった。
     そんな雰囲気の中で交わす取り留めの無い話が、アデルが交流を持つ情報屋のアシュリー・グレースに触れたところで、エミルが尋ねてきた。
    「そう言えば聞いた話だけど、あの子、副局長の娘さんですって?」
    「苗字も一緒だし、多分そうなんだろ。
     局長曰く、副局長は『情報収集と分析、そしてその応用・活用にかけては、彼の右に出る者はいない』って話だし、そこら辺の才能が娘に遺伝したんだろうな」
    「お父さんに比べたら、腕と扱う情報は雲泥の差だけどね。
     でも本当に娘さんなら、なんでうちに入らないのかしら? 街の裏手でコソコソやってるより、よっぽどマシなはずなのに」
    「さあ……? 今度、副局長に聞いてみたらどうだ?」
    「その『今度』がいつになるやら、だけどね」
    「違いない。あの人いつも、いるのかいないのか分からんって感じだし。あの人の席、いつ見ても猫しかいないからなぁ」
    「あはは……」
     のんびり世間話に興じながら、二人は通りの角を曲がり――その途端に揃って駆け出し、裏路地に滑り込んだ。
    「あんたも気付いてた?」
    「そりゃな。と言うより、わざと姿を見せてる気配すらあったぜ」
    「そうね。あたしもそれは感じてた。
     となると多分、あたしたちがこの路地に隠れることも計算に入れてるでしょうね。……そうでしょ?」
     通りに向かって呼びかけたところで、声が返って来る。
    「ええ、ご明察です」
    「……また、あんたなの?」
     エミルがげんなりした声を漏らす。
     間を置いて、声の主が裏路地に入ってきた。
    「ごきげんよう、マドモアゼル・ミヌー。それからムッシュ・ネイサン」
     現れたのは、あの「西部の怪盗紳士」――イクトミだった。



    「何の用だよ?」
     ぶっきらぼうに尋ねたアデルに、イクトミは恭しく帽子を脱ぎ、お辞儀をする。
    「単刀直入に申しますと、依頼をお願いしたく参上した次第です」
    「……あんたねぇ」
     呆れ顔で眺めていたエミルが、こめかみを押さえている。
    「さっきあたしたちを尾行してた時、普通の――あたしたちにとっての普通よ――スーツ姿だったじゃない。
     あたしたちと話をするためだけに、この一瞬でわざわざその白スーツに着替えたわけ?」
    「ええ。依頼するのですから、正装が適切かと思いまして」
     臆面も無くそう返すイクトミに、アデルは悪態をつく。
    「正装、ねぇ。俺には仮装に見えるが。
     まあいい。依頼だの何だの言ってるが、そんなもん俺たちが受けると思うのか? お前、自分がお尋ね者だってことが、全然分かって無いだろ」
    「良く存じておりますとも。自分のことですから。
     そしてムッシュ・ネイサンがどうであれ、マドモアゼル、あなたはこれからわたくしの言うことを、聞く気でいるはずです」
    「ええ、そうね。アデルがこう言う反応するってことも、あたしが半端な見返りじゃ動いたりしないってことも、全部把握しての、あんたのこの行動ですもの。
     さぞやあたしが求めてやまないような、そんな極上の報酬を持ってきてるんでしょうね?」
    「勿論ですとも」
     イクトミはにっこりと、微塵も悪意を感じさせない笑みを返した。

    PageTop▲

    DETECTIVE WESTERN 8 ~ 悪名高き依頼人 ~ 1

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第8弾。
    電話連絡。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    1.
     これまでの作中で何度も、さも当然のように使われてきた電話だが――史実として、電話のシステム自体が確立されたのは1876年(A・G・ベルの特許申請と成立)、そして合衆国において電話会社が開業されたのが、そのおよそ2年後である。さらにはその2年後、普及数は5万世帯にも上っていたと言われている。
     その通信網の多くは当然、発展の目覚ましい東部に張られたものだが、「遠く離れた人間と瞬時かつ同時に会話できる」と言うかつてない利便性は、鉄道と馬以外の交通手段が乏しい西部においても、絶大な効果を発揮できたと考えられる。
     その観点から、本作では電話を用いた通信網が西部にも、多少なりとも存在していると仮定・考察し、物語を展開している。



    「報告は以上です」
     淡々と報告を終え、彼は相手の言葉を待つ。
     間を置いて、穏やかで飄々とした声が返って来た。
    《ありがとう、A。ところで……》
     その声に、いたずらじみた色が混じる。
    《この前私が送った三人はどうだったかね? 君の眼鏡に適う者はいたかな?》
     それに対し、A――アーサー・ボールドロイド老人も冗談交じりに答えた。
    「茶髪のイタリア系だったか、あれは探偵向きでは無いでしょう。勘は鈍いし観察力も皆無。度胸も根性も無い。いわゆるヘタレですな。
     ただ、敏捷性は申し分無いし、言うことも素直に聞く。根気良く鍛えれば多少は使い物になるでしょうな。と言っても探偵ではなく、兵卒かそこらとして、ですが。
     赤毛の青年はまずまずと言ったところでしょう。探偵に不可欠の観察力、洞察力、推理力は身に付いているようですし、何より口が良く回る。交渉事や尋問、聞き込みに対してなら、恐らく探偵局一の逸材でしょう。
     ま、口が回り過ぎなきらいもありますがね。弁が立つ分、舌禍や失言も多いでしょうな」
     人物評を聞き、受話器の向こうから笑い声が聞こえてくる。
    《ははは……、確かに、確かに。やはり君の人物眼は確かだ。
     それで、彼女は? 若手の中では一番の期待株なのだが》
    「彼女……、エミル・ミヌーですか」
     ふう、とため息を付き、アーサー老人はこう続けた。
    「若手どころか、私の知る全探偵局メンバーの中でも1、2を争うでしょう。戦闘能力に関しては、ですが。
     いや、探偵としての能力も高い。先述の赤毛君よりも、もしかすれば高い観察力と洞察力を有しているかも知れません」
    《ふむ。……A、そのエミルの戦闘能力について、君の考えを聞きたい》
     尋ねられ、アーサー老人は応じる。
    「物腰や身のこなしからして、近接戦闘の技術は非常に高いでしょう。ナイフや鞭はおろか、素手でも相当の実力を発揮するはずです。並のゴロツキ相手ならものの2、3秒でノックアウトでしょうな。
     射撃能力に関しては、実際に銃を撃つ様子を目にしたことなどはありませんが、少なくとも相当な視力を有していると思われます。赤毛君が双眼鏡を使っていたところで、彼女はほぼ間違い無く裸眼で、私の顔を認識していたようですからな。
     仮に20ヤード先に拳大のワッペンを置いたとしても、彼女ならきっちり意匠の詳細を認識し、階級や所属を言い当てるでしょう。
     ただ、やはり現時点では、情報が甚だしく不足しています。願わくばまた彼女に会い、いくらか探りを入れてみたいところですな。
     とは言え、また直に会うのは得策では無いでしょう」
    《ふむ? ……いや、なるほど。彼女は警戒するからな。名前の通り、子猫(minou)のようなところがあると言うか。そんな状況で会っても、前回と変わらんからな》
    「ええ、仰る通りです。可能ならば、彼女が何かに注視しているところを陰から観察する、……と言うようなシチュエーションがあればいいのですが」
    《用意できればいいのだがね。難しい注文だな》
    「いや……、あくまで単なる希望です。いつも通りの、私のやり方で探ってみるとします」
    《うむ。
     では、A。また次回の、定期連絡を待っているよ》
    「ええ、では」
     電話を終え、アーサー老人はくる、と踵を返し、サルーンのマスターに声をかける。
    「バーボンを」
    「はい、かしこまりま……」
     マスターが答えかけたその瞬間――サルーンの空気が凍りつく。
     その異様な気配をアーサー老人も感じ取り、入口に目を向ける。
    「ごきげんよう、ご老人。騒がしい夜になりそうですな」
     そこには全身真っ白のスーツに身を包んだ伊達男が、拳銃を構えて立っていた。
    「……貴様……イクトミ……!?」
     アーサー老人は戦慄する。
     そして――銃声が、サルーン内に轟いた。

    PageTop▲

    2017年10月携帯待受

    携帯待受

    AUDI R8 coupé

    AUDI R8 coupé

    AUDI R8 coupé  AUDI R8 coupé

    2017年10月の壁紙。
    今回からアメリカ車。シボレーのコルベット。

    今回はめっちゃ早く待受を更新しました。
    何故なら次週9/18から、「DW8」の連載を始めるから
    現在、毎週月曜にブログ更新を行っているのですが、
    「DW8」は全15話のため、今から毎日掲載すると9/189/25を越えてしまい、
    次月待受を今月中に掲載できなくなってしまう事態が発生してしまいます。
    来年のカレンダーを来年になって用意する人はあんまりいないと思います……)
    そんなわけで、前回更新から半月で掲載することになりました。
    次回分はいつも通り、10月下旬の予定です。



    次回もカラーに関して、twitterにてアンケートを行う予定です。
    ブログトップページ、もしくはこちらから、私、黄輪のTLに飛ぶことができます。
    よろしければご参加下さい。



    Calender picture application by Henry Le Chatelier

    PageTop▲

    イラスト;猫獣人

    イラスト練習/実践

    今回も自分の診断メーカー「ケモノったー(ヒロイン攻略編)」で出た結果を元に、イラストの練習。

    今回の結果はこちら。

    https://twitter.com/au_ring/status/897463691871899648
    黄輪さんが攻略するのは水色の髪で、緑色に赤が混じった毛並みのお嬢様系猫っ娘。
    好きなことは絵を描くこと、嫌いなことはツイッターでつぶやくこと。
    次の連休に河原へ誘うと好感度大アップ!
    攻略難易度:★★★★★
    #aukemono
    https://shindanmaker.com/718478


    まず線画版。

    先日、近所のスーパーで見かけた人が、まさにこんな格好でした。
    (勿論、猫耳と尻尾は付いてませんよ)
    可愛かったので参考にさせてもらいました。

    そしてカラー版。

    とは言え色は若干変えてあります。
    元は白黒で、それも清楚な感じで良かったんですが、
    より可愛らしさを出すため、ピンク色を加えてみました。

    さらに背景と、妄想SS京都風。


    「絵を描きたいので、市内できれいなところないですか?」
    と聞かれたので、四条大橋からの景色を推める。
    ついでに「案内するよ」と言って付いて行った。
    下心バリバリだが、多分気付かないはず……
    「座ってお話します? 他の皆さんも並んで座ってるみたいですし」
    あれ? もしかしてバレてる?
    https://twitter.com/au_ring/status/904328447660408833

    PageTop▲

    2017年9月携帯待受

    携帯待受

    AUDI R8 coupé

    AUDI R8 coupé

    AUDI R8 coupé  AUDI R8 coupé

    2017年9月の壁紙。
    アウディから、R8。

    以前にもR8をモチーフにした待受を制作したことがありましたが、
    あれから年月が経ち、昨年モデルチェンジしていたとのこと。
    そんなわけで新たに描き起こしました。
    隣の兎っ子もついでにモデルチェンジ。



    次回もカラーに関して、twitterにてアンケートを行う予定です。
    ブログトップページ、もしくはこちらから、私、黄輪のTLに飛ぶことができます。
    よろしければご参加下さい。



    Calender picture application by Henry Le Chatelier

    PageTop▲

    業務連絡;毎年恒例の所信表明 2017夏

    雑記

    本日は私、黄輪の誕生日です。
    Happy Birthday to me.



    やっぱり昨年は最悪の年でした。でも今年もいい感じではありません。
    仕事運もよろしくないし、祖父が亡くなりましたし。
    ただし金運に関しては、最低値だった一昨年よりは改善されているのかも知れません。

    あと、画力も確実に向上していると実感しています。
    文章力なども含め、創造系の能力はまだまだ成長していると確信しています。
    で、懐事情が少しずつながらも良くなっていることを考え、多少の貯金をし、
    1年以内に本でも出せればと思っています
    それが34歳になった自分の目標です。

    ……いくらかかるんだろう。そもそも本って、どうやって作ればいいのか。
    その方面に詳しい方、ご教示いただければ幸いです。

    PageTop▲

    イラスト;狼獣人

    イラスト練習/実践

    今回も自分の診断メーカー「ケモノったー(ヒロイン攻略編)」で出た結果を元に、イラストの練習。

    今回の結果はこちら。

    https://twitter.com/au_ring/status/883963761740005376
    黄輪さんが攻略するのは緑色の髪で、桃色に水が混じった毛並みのおっとり系狼っ娘。
    好きなことはネトゲ、嫌いなことは水泳。
    夏休みにお寺へ誘うと好感度大アップ!
    攻略難易度:★★★★★
    #aukemono
    https://shindanmaker.com/718478


    まず線画版。

    ネトゲ好きな子がぐっすり寝てるわけが無い。
    と言うわけで眠たそうな感じにしました。

    そしてカラー版。

    あんまり統一感の無い感じ。
    服にはこだわらない。彼女がこだわるのは、多分ガチャとアバター。

    さらに背景と、妄想SS京都風。


    連日チャットばっかりの付き合いだったので、
    「たまには外行かない?」と弘法市に誘ったところ、
    眠そうな顔で近鉄東寺駅からのそのそ現れた。
    で、市場だけ行くのも勿体無い気がしたので、
    ついでに五重塔で記念撮影。
    やっぱり眠そうだった。
    https://twitter.com/au_ring/status/897462256543211520

    PageTop▲

    サティスファイ・ジョーンズ・ロッカー

    短編・掌編

    サティスファイ・ジョーンズ・ロッカー

     私は満足している男だ。

     多少のトラブルや諍いはあれど、仕事は順調である。
     高級車や一戸建ては買えないが、貯金も資産も多少ある。
     少しばかりぽっちゃりしていて首や肩が凝り気味だが、健康も概ね問題ない。
     愛する人や親密な友人もいないが、孤独と思ったことも無い。
     特に過不足も無く、平穏そのもの。それが私の人生である。



     ある時、胡散臭い老人が目の前に現れた。
    「このボタンを押せば、君に幸せが訪れる」
     その他、何かしらしゃべっていたが、あまり覚えていない。
     老人からボタンを受け取った私は、一度もそのボタンを押すこと無く、自宅の押し入れに収めた。

     ある時、あからさまな出で立ちの紳士が目の前に現れた。
    「このノートに願いを書けば、どんなものでも叶うのです」
     その他、何かしら説明していたが、あまり覚えていない。
     紳士からノートを受け取った私は、一文もそのノートに書きつけること無く、自宅の押し入れに収めた。

     またある時は、いかにも偉そうな科学者が現れ、珍妙な機械を私に渡す。
     はたまたある時は、明らかに放浪している風の行商人が、変わった小箱を私に渡して逃げ去る。
     その他、色んな人々がどう言うわけか、私に様々なモノを渡していく。
     しかしそのどれにも手を付けること無く、私はそれらを全て、自宅の押し入れに収めていった。



     そんな私も老境を迎え、押し入れは満杯になっていた。
     大抵のことには動じない私も、流石に押入れ付近の雑然とした状況を疎ましく思い、兄弟やその子供たち、さらにその孫たちにも片付けの手伝いを頼んだ。
    「もう、大叔父さんは不精だなぁ」
    「あとでアイスおごってよー?」
     そんな風に文句を言いながら、姪孫たちが押し入れから色々とモノを出していく。
    「ねえ、大叔父さん。このボタン、なに?」
     聞かれたので、私は覚えている限りのことを答える。
    「押すと幸せになるんだってさ」
    「なにそれ、ウソくさーい」
     姪孫が笑う一方、別の姪孫が尋ねてくる。
    「大叔父さんは押したの?」
    「いいや。もらいものだけど興味無かったから、とりあえず押し入れに入れといたんだ」
    「押していい?」
    「あげるよ。いらないし」
     姪孫はボタンを両手に抱え、嬉しそうにしていた。
     と、別の姪孫がノートを掲げている。
    「これなにー?」
     聞かれたので、また私は覚えている限りのことを答える。
    「書いたことが叶うんだってさ。興味無かったから、とりあえず押し入れに入れといたんだ」
    「ふーん。もらっていい?」
    「いいよ」
     そしてまた別の姪孫が、小箱を持って来る。
    「これはー?」
    「いいものが入ってるんだってさ。興味無かったから……」「とりあえずおしいれにいれといたんだー、……って?」
    「そう、そう」
     結局、私の家の押し入れに収まっていた様々なガラクタは、すべて姪孫たちが持って行った。

     その後、私は特に後悔も不満もなく、満足して生涯を終えた。



     そして彼岸へ渡った先――私の前に、ずらりと人だかりができていた。
    「あ、あなた……どうしてなんです?」
     口火を切ったのは、かつてノートを私に渡した紳士だった。
    「どうして一度も、私たちの贈り物を使って下さらなかったんですか!?」
    「どうしてって、……うーん」
     私は首をひねりつつ、こう答える。
    「別にこれと言って欲しいものも無かったしなぁ」
     私の返答が不満だったらしく、他の者たちも口々にぼやき出す。
    「も、もったいない!」
    「使ってくれれば……」
     それを受け、私は姪孫たちに渡したことを彼らに伝えたが――。
    「そんな話をしてるんじゃないんです!
     もうお気づきでしょうけど、私たち全員、あなたを惑わすべく参上した悪魔ですっ!
     あなたを地獄に堕としてやろうと色々、色々企んでたのに、なんで全然引っ掛かってくれないんですかあっ!?」
    「はあ、……なんかすみません」
     揃って意気消沈する悪魔たちの中、一人、こんなことをつぶやく者がいた。
    「こんな奴初めてですよ……。人間誰だって、ちょっとくらい欲があるって言うのに。
     あなた、『もうちょっとくらい』って思わなかったんですか?」
     そう聞かれて、私は答えた。
    「そう言うの、あんまり……。
     私、自分の人生に満足してましたので」

     結局、恨みがましい目でにらんでくる悪魔氏一同を横目に、私は天国行きのバスへと乗った。
     その道中、背中に白い羽の生えた運転手がクスクス笑いながら、こう教えてくれた。
    「あなたのことは『こっち』でもうわさになってましたよ。
     悪魔に一度も誘惑されなかった男だって」
     とは言え特に何かをしたと言うわけでもないので、私は「はあ」とだけ返した。



     私は常に満足した男だった。
     悪魔氏一同にとっては、ひどく不満な男だったようだが。

    PageTop▲

    イラスト;葛(白猫夢)

    イラスト練習/実践

    前回に引き続き、自分の小説から。
    今回も「白猫夢」より、葛。

    線画版。


    実を言うと、あんまり葛に関しては絵面のイメージが、僕の中で固まってません。
    葵の方が印象強すぎて……。

    とは言え、一応葛の体型もデータとして作ってあります。
    身長164cm、3サイズは上から順に83、57、86。体重は57kg。
    こちらは普通の女の子体型。

    カラー版。

    前回言っていた通り、三毛の毛並みです。
    ちなみに髪の色もですが、目の色も姉と同じ。
    あんまりお姉ちゃんが目を見開かないので、確認する機会は少ないでしょうが。

    PageTop▲

    暑中お見舞い申し上げます

    雑記

    2017暑中見舞

    ギリギリ間に合った。

    PageTop▲

    イラスト;葵(白猫夢)

    イラスト練習/実践

    ここ何回か診断メーカーの結果に従ってイラストを描きましたが、
    たまには自分の小説に出てきたキャラを描くことにします。
    今回は「白猫夢」より、葵。

    線画版。


    昨年に比べたら、かなり可愛く描けた気がします。
    ものすごい癖っ毛なのは、基本的に寝てるから。
    癖っ毛と言うより寝癖ですね。

    裏設定、葵の体型。
    身長168cm、3サイズは上から順に74、49、76。体重は52kg。
    良く言えばスレンダー、悪く言えば平坦でガリガリ。
    一日の大半を寝て過ごしてるせいか、ご飯もあんまり食べてないようです。
    (それで天狐ちゃんやらゴーレムやらを吹っ飛ばせる身体能力があるんだから、
    まさに超人と言うか魔人と言うか、バケモノじみてますね……)

    注釈。世の中には「女の子の体重が50kg超えてるなんてデブ!」などとほざくアホがいるようですが、
    現実における「160cm台の健康な」女の子は、おおよそ50kg台半ば~60kg台前半くらいです
    その身長で40kg台だったら、病気か拒食症です。
    詳しくはこちらで計算してみて下さい。

    カラー版。

    三毛なのは家系。次週掲載予定の妹も三毛です。

    PageTop▲

    2017年8月携帯待受

    携帯待受

    PORSCHE 918 spyder

    PORSCHE 918 spyder

    PORSCHE 918 spyder  PORSCHE 918 spyder

    2017年8月の壁紙。
    誰もが知る高級車ブランド、ポルシェから、918スパイダー。

    時々話していることですが、「宣伝」は大事です。
    TVやラジオなどのCM、新聞や電車内、サイトのバナーなどの広告。
    これらが無ければ、僕たちはマリオが次にどんな活躍をするのか、
    来週発売される期間限定のハンバーガーがどれくらい美味しそうなのか、
    全くと言っていいほど、知ることができないはずです。

    何が言いたいかと言うと。
    来月8月23日は、僕の誕生日ですw



    次回もカラーに関して、twitterにてアンケートを行う予定です。
    ブログトップページ、もしくはこちらから、私、黄輪のTLに飛ぶことができます。
    よろしければご参加下さい。



    Calender picture application by Henry Le Chatelier

    PageTop▲

    イラスト;熊獣人

    イラスト練習/実践

    今回も自分の診断メーカー「ケモノったー(ヒロイン攻略編)」で出た結果を元に、イラストの練習。

    今回の結果はこちら。

    https://twitter.com/au_ring/status/876397277190823936
    黄輪さんが攻略するのは緑色の髪で、白・青・金の三毛になった毛並みのおバカ系熊っ娘。
    好きなことは演奏、嫌いなことはカードゲーム。
    土曜に博物館へ誘うと好感度大アップ!
    攻略難易度:★★★★★
    #aukemono
    https://shindanmaker.com/718478


    まず線画版。

    「演奏」→肩に掛けてるギター用バッグ。
    ちなみに今回から、足も描くようにしてみました。

    今年はいいアニメに出会いました。
    あれが無かったら、僕はケモノっ娘の描き方にものすごく悩みまくっていたでしょう。
    十数年抱えていた、獣耳に関するいくつかの悩みが吹き飛びました。
    ちなみに一番のお気に入りはアライさん

    そしてカラー版。

    白→青→金の三毛って時点で、既に「おバカ」感があります。
    地毛でこの色だったら失言ですが……。

    さらに背景も追加。

    今回の妄想京都風味。

    友達が美術館でデートしたと聞き、「何かいい!」と彼氏に美術館デートを提案。
    でも彼氏は「普通の美術館じゃ絶対『つまんない』って言うな」
    と分かってるので、国際マンガミュージアムへ。
    漫画を前にはしゃぐ彼女。それを満足気に眺める彼氏。
    https://twitter.com/au_ring/status/876394739779518464

    そしてこの数秒後、この娘は盛大にコケる。

    PageTop▲

    キャラ紹介;第1部

    琥珀暁 キャラ

    「琥珀暁」のキャラ紹介。
    第1部に出てきた3人。

    名前ゲート(・シモン) / Gate (Simon)
    性別・種族・生年
    身体的特徴
    男性 / 短耳 / 紀元前20年代頃
    髪:茶 瞳:青
    中背、中肉
    職業農夫 / 討伐隊隊長
    どこにでもいる普通の男。
    ……だったが、ゼロとの出会いによりその運命は大きく変わる。
    顔が広く、村の人間とは大体知り合い。

    名前フレン(・アンドレス) / Frenn (Andres)
    性別・種族・生年
    身体的特徴
    男性 / 猫獣人 / 紀元前20年代頃
    髪:茶 瞳:茶 耳・尻尾:黒
    小柄、中肉
    職業羊飼い / 討伐隊副隊長
    どこにでもいる男、その2。
    ゲート同様、ゼロと出会ったことで一羊飼いからの出世を遂げた。
    羊肉をさばいたり羊毛を編んだりと、羊に関わることなら何でも得意。

    名前シノン・タイムズ / Xinone Times
    性別・種族・生年
    身体的特徴
    女性 / 長耳 / 紀元前10年代頃
    髪:銀 瞳:緑
    中背、中肉 右ほおに傷あり
    職業天帝教初代教皇皇后
    ゼロを熱心に慕い、後に伴侶となった女性。
    天真爛漫な性格を持つ一方、家族を殺された経験から、
    バケモノに対して強い敵対心、報復心を抱いている。

    ちなみに名前に括弧が付いているのは、後に名付けられたものであることを示しています。
    皆からそう呼ばれるようになったり、ゼロから名付けられたり。

    あと、第2部に関してはキャラ紹介がありません。
    エリザに関しては第3部以降で紹介したいのと、
    彼女を除いた第2部登場キャラに、目ぼしいのがいないせいです。

    PageTop▲

    キャラ紹介;三賢者

    琥珀暁 キャラ

    「琥珀暁」第2部まで終了したところで、キャラ紹介をボチボチ進めていきます。
    まずは今作、いや、双月世界の根幹に関わる、重要人物3人を。

    名前ゼロ(・タイムズ) /ZERO (Times)
    性別・種族・生年
    身体的特徴
    男性 / 短耳 / 不明
    髪:白 瞳:黒
    中背、中肉 童顔 口ひげ、あごひげあり
    職業中央政府初代主権 / 天帝教初代教皇、主神
    経歴不明、正体不明、クロスセントラルを訪れた理由も目的も不明。
    不明だらけの謎の男だが、呑気で穏やかな性格と、
    広範な知識と技術の持ち主であることから、
    自然と多くの人々に慕われている。

    名前モール・リッチ / Mor Lych
    性別・種族・生年
    身体的特徴
    不明 / 不明 / 不明
    時代によってまちまち
    時代によってまちまち
    職業大魔法使い(自称)
    ゼロの、古くからの親友。
    語尾に「~ね」と付く話し方をする。
    言うまでもなく、これまでの双月千年世界シリーズに出演してきた賢者、
    「モール」その人である。

    名前鳳凰 / ほうおう / Houoh
    性別・種族・生年
    身体的特徴
    男性 / (名状しがたき何か) / 不明
    髪:赤 瞳:左・橙、右・黒 耳:左・紫、右・白 尻尾:桃
    小柄、中肉
    職業蜈句、ァ轣ォ縺ョ蜈ュ逡ェ逶ョ縺ョ蠑溷ュ
    ゼロの、古くからの親友。
    あまり他人や周囲の状況を気に留めない性格で、
    ともすると、自分のことも考えていない節があるが、
    親友のことだけは別。
    ゼロやモールより強力な魔術が使えるそうだが……?

    PageTop▲

    イラスト;狐獣人

    イラスト練習/実践

    今回も自分の診断メーカー「ケモノったー(ヒロイン攻略編)」で出た結果を元に、イラストの練習。

    今回の結果はこちら。

    https://twitter.com/au_ring/status/871347330221432833
    黄輪さんが攻略するのは桃色の髪で、白色の毛並みの委員長系狐っ娘。
    好きなことはマラソン、嫌いなことはテニス。
    帰りにカラオケへ誘うと好感度アップ!
    攻略難易度:★★★
    #aukemono
    https://shindanmaker.com/718478


    まず線画版。

    「委員長系」と言えば眼鏡っ娘。
    そして「マラソン」「帰りに誘うと」→部活の帰り→制服とスポーツバッグ。

    そしてカラー版。

    白と桃色の毛並みの狐獣人って、双月千年世界シリーズの天原家だなぁ。
    クセの強い人たちばっかりなイメージ。

    さらに背景も追加。

    今回の妄想京都風味。

    部活帰りに河原町のラウンドワンに寄ってゲーセンで遊びつつ、
    それからカラオケも、……って感じだろうか。
    最初は「私、まっすぐ帰るつもりなんですけど?」とにべもなく断られかけるも、
    いざカラオケ始めたら案外ノリノリになってそう。
    https://twitter.com/au_ring/status/876394739779518464

    PageTop▲

    2017年7月携帯待受

    携帯待受

    MERCEDES-BENZ SLR McLaren(C199)

    MERCEDES-BENZ SLR McLaren(C199)

    MERCEDES-BENZ SLR McLaren(C199)  MERCEDES-BENZ SLR McLaren(C199)

    2017年7月の壁紙。
    高級車の代名詞、メルセデスから、SLRマクラーレン。

    今年の車種はスーパーカーで統一することは以前よりお伝えしていますが、
    現在、1~3月が日本、4~6月がイタリアのクルマとなっており、
    そして7月はドイツ。ちなみに8月に描こうと考えているものはもう既に決定していますが、こちらもドイツ車。
    流れで行くならば、9月もドイツ車になるでしょう。
    その後はどこがいいのか……。順当に行くならアメリカかなぁ。



    次回もカラーに関して、twitterにてアンケートを行う予定です。
    ブログトップページ、もしくはこちらから、私、黄輪のTLに飛ぶことができます。
    よろしければご参加下さい。



    Calender picture application by Henry Le Chatelier

    PageTop▲

    業務連絡;「琥珀暁」目次とあらすじを追加しました(第2部)

    雑記

    下記ページにて、「琥珀暁」第2部の目次とあらすじを追加しました。

    http://auring.web.fc2.com/au-novel.html(目次)
    http://auring.web.fc2.com/ko-outline2.html(第2部あらすじ)

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    第2部終了時にもお伝えしていましたが、
    「琥珀暁」前編部が終わり、大体の方向性が固まってきました。
    そこでボチボチ、「琥珀暁」のキャラ紹介も開始していこうと思います。

    今後の更新予定ですが、明日、6/21は7月の携帯待受。
    少し日を開け、6/26にイラスト掲載。
    そして来月に入り、7/3にキャラ紹介の予定です。

    さて、きっとコアなファンがいてくれるであろう、
    当ブログのメインコンテンツの一つ「DETECTIVE WESTERN」ですが、
    次回作「DW8」は既に完成しており、「小説家になろう」での公開に先駆けて、
    こちらで公開する予定となっています。
    ただ、諸般の事情により、現時点では連載開始の目処は立っていません。
    あくまで近日公開予定、とだけ。
    首尾よく行けば、8月辺りには開始できるんじゃないかなー、と。

    PageTop▲

    琥珀暁 目次(第2部;「モール師事記」編)

    双月千年世界 目次 / あらすじ

    絵師さん募集中!

    黄輪雑貨本店 総合目次 (あらすじもこちらにあります)

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    「琥珀暁」地図(作成中……)

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    「双月暦」の暦
    双月世界の魔力・魔術観について
    双月世界の種族と遺伝 補足1
    双月世界の戸籍

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    1話目から読みたい方はこちら



    琥珀暁・狐童伝
    1 2 3 4 5 6

    琥珀暁・錬杖伝
    1 2 3 4 5 6

    琥珀暁・鳳凰伝
    1 2 3 4 5 6 7

    琥珀暁・群獣伝
    1 2 3 4 5 6 7

    琥珀暁・南征伝
    1 2 3 4 5 6

    琥珀暁・駆逐伝
    1 2 3 4 5 6 7

    琥珀暁・金火伝
    1 2 3 4

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


    第1部;彼訪伝~邂朋伝
    第2部;狐童伝~金火伝

    PageTop▲

    琥珀暁・金火伝 4

    琥珀暁 第2部

    神様たちの話、第80話。
    金火狐神話のはじまり。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    4.
     遠征隊の派遣から3ヶ月が経ち、彼らが引き上げる時が来た。
     とは言え――。
    「まさか50人も、こっちに残りたいなんて言うとは思わなかった」
    「そうですな。よっぽど居心地良かったんでしょうね」
     エリザと最後の会議に臨んでいたゲートが、しみじみとした口ぶりでつぶやく。
    「居心地かぁ。確かに暖かくて過ごしやすかったし、海の幸も山の幸も毎日堪能してたし。フレンなんか『俺の羊たちを全部こっちに連れてきてやりたい』なんて言ってたからな」
    「アハハ、言うてましたな」
    「俺も正直、家族がいなけりゃこっちに骨を埋めてもいいって気もしてるからなぁ」
     その言葉に、エリザの心のどこかが、ずきんと痛む。
    「……あの」
    「ん?」
    「ホンマに、……住んでみません?」
     恐る恐る切り出したエリザに、ゲートは苦笑を返す。
    「いやいや、そりゃ無理だよ。メノーは身重だし、ハンもまだ小さいし。連れて来るのは……」「そ、そうや、なくて」
     エリザは意を決して席を立ち、ゲートの側に立つ。
    「どうした?」
    「しも、……ゲートさん、一人で、こっちに」
    「何を言って……」
     言いかけたゲートに、エリザはぎゅっと抱きついた。
    「……エリちゃん?」
    「しょ、正直に、言います。アタシ、ゲートさんのコト、好き、……なんです」
    「いや……、その、俺には家族が」
    「無理なお願いしとるんは分かってます。でも、……でも! アタシ、好きなんです」
    「……困る」
     ゲートは苦い顔をし、エリザを押し返そうとする。
     それでもエリザは抱きついたまま、離れない。
    「分かってます。ゲートさんには奥さんも子供もいてはるし、ココはゲートさんの家やないですから、絶対うんって言うてくれへんのは、十分分かってます。
     だから、……今夜だけで、ええですから、……アタシのコト、奥さんにしてくれません?」
    「……いや、……それは」
     ゲートの押す力が、弱まる。
    「……お願い……」
    「……」
     突っ張っていたゲートの両腕が、エリザを抱きしめた。
    「……分かった。今夜だけだ。……でも、分かって欲しいが」
    「ええ。内緒です。2人だけの」
    「ああ」
     ゲートはまだ、わずかに顔を強張らせたまま、ぼそぼそと尋ねる。
    「いいんだな、……エリザ」
    「はい、……あなた」
     ゲートは目を閉じ――エリザに口付けした。

     二人が睦み合う会議場の、その出入口の裏で――あの黒毛の狼獣人、ロウが、愕然とした表情のまま、そこに硬直していた。
    「……そ、っか……」
     ロウはそのまま、そこから静かに歩き去って行った。



     翌日、最初から何も無かったかのように、エリザは帰還する遠征隊と、その前に立つゲートに、謝辞を述べていた。
    「3ヶ月に渡る遠征、ホンマにありがとうございました。今後は良い取引相手として協力し合い、互いの繁栄につなげていきましょう」
    「あ、……ああ。こちらこそ、うん、……よろしく頼む」
    「では、お元気で」
     どことなく落ち着きのないゲートとは対照的に、遠征隊の皆の目が眩もうかと言うほどの笑顔と共に、エリザは彼と握手を交わした。
    「そ、……それじゃ、帰投するぞ! 全隊、回れ右!」
    「おうっ!」
     ゲートの号令に合わせ、遠征隊の皆は二列縦隊で、その場から歩き去っていく。
     と――その中から一人、ぴょんと飛び出る者がいる。
    「ちょ、ちょっと悪い、すまね、……おっとと」
    「ロウ? どうした?」
     まだエリザの前に棒立ちになっていたゲートが、けげんな顔になる。
    「い、いやさ、その、なんだ、……エリザ」
    「どないしたん?」
     きょとんとするエリザに、ロウは息せき切って尋ねた。
    「ず、ずーっと前にさ、あの、俺の名前聞いた時にさ、何か言いかけてたよな? あれ、何だったんだ?
     このまま帰っちまったら俺、気になって仕方無くなっちまうよ。教えてくれよ、な?」
    「あー、そうやったな。すっかり言う機会逃してたわ、ゴメンな」
     エリザはにこっと笑い、こう続けた。
    「アンタ、苗字付けてへんって言うてたやん。アンタ、まだ付けてへんよな?」
    「おっ、おう。全然っ、まだ、まっさらだっ」
    「ほなな、アタシが付けてもええかな?」
    「もっ、もち、……勿論だ」
     かくんかくんと首を縦に振るロウに、エリザも、ゲートも噴き出す。
    「ぶっ、ふふふ、はは……」
    「そんな期待してたん? アハハ、付け甲斐あるわぁ。
     ほな、……せやな、『ルッジ』ちゅうのんはどう? ゼロさんトコの言葉やと『咆哮』ちゅう意味やけど、アンタに似合いそうやと思って。
     先生殴り飛ばした時も、大声でアタシのコト、かばってくれたしな」
    「ルッジ、……うん、いいな。じゃあありがたく、使わせてもらうぜ」
    「ん、大事に使てや」
     ニコニコと笑みを浮かべているエリザに、ロウはもう、それ以上何も言えなかった。
    「……あ、……じゃあ、な。……元気でな」
    「うん。アンタもな」



     エリザ・アーティエゴ=ゴールドマン。
     彼女こそ、後の歴史に連綿と影響を及ぼし続ける、央北・央中の両天帝教における大聖人、「金火狐」エリザである。
     彼女が人として生きていた時代に築かれた、伝説の女傑としての英雄譚は、この時から始まったのである。

    琥珀暁・金火伝 終

    PageTop▲

    琥珀暁・金火伝 3

    琥珀暁 第2部

    神様たちの話、第79話。
    賜姓。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    3.
    《ん、ん、……お願い?》
    「アタシにゼロさんの後援が付いとるっちゅうコトを、アタシがただ言うだけやと説得力無いですよね」
    《そりゃ、まあ》
    「なので、まず人の派遣をお願いしたいんです。実際にアタシに付いてくれる人がおれば、説得力が出ると思います。
     丁度『金が欲しいわー』ちゅうてる人もいてますし」
    《……なるほど》
     エリザの提案を受け、ゼロが感心した声を漏らす。
    《そのことについては丁度、ゲートとどうしようかって話してたところなんだ。
     そっちへの派遣期間中、復興支援って目的で鉱床を掘らせ、その何割かを僕たちへの報酬として受け取るなら、皆も不満は無いだろう。
     それで味をしめて、長期的にそっちで働きたいって言う人がいれば、そのまま派遣継続って名目で居続けてもらってもいいしね》
    「そう言うコトです。後もう一つ」
     エリザはそこで言葉を切り、間を置いてこう続けた。
    「アタシに、苗字くれません?」
    《苗字?》
     けげんな声を返したゼロに、エリザはこう説明する。
    「今、そっちで苗字もろたり名前もろたりするん、結構価値があるらしいやないですか。順番待ちになっとるとか」
    《ああ、そうだね、今はたまにしかできないから。……あー、そう言うこと》
    「ええ。大半の人がなかなかもらえへんモノを、順番すっ飛ばしてもらえるっちゅうのんも、影響力を見せるのんにはええ方法やろと思いまして。
     ソレに、元々アタシが持っとった『アーティエゴ』っちゅう苗字は、村では鼻つまみの半端者扱いでしたからな。その印象を消したいんですわ」
    《なるほどね。分かった、考えるからちょっと待ってて》
     一旦通信が切れ、エリザはゲートに向けて、ニヤっと笑いかける。
    「……うぇへ、……えへふぇへへへー」
     いや、そう思っているのはエリザだけである。
     実際には、かなり複雑な表情をしていたらしい。ゲートがどう反応していいか、図りかねた顔をしていたからだ。
    「あー、と、……エリちゃん?」
    「あっ、……あの、……何ちゅうか、なんぼ何でもうまく行き過ぎたかなー、……て」
    「……まあ、気持ちは分かるとは言えないが、何となくは察する。
     ゼロの奴は際限無く気前いいからな。『くれ』っつったら『いいよ』って二つ返事だし。……とは言え、あんまり調子乗らないようにな。あんまりあれこれねだると、ゼロも困るし」
    「は、はーい」
     と、ゼロからの応答が返って来る。
    《お待たせ》
    「あ、はーい」
    《色々考えてみたんだけど、シンプルに、『ゴールドマン』ってどうかな? 金鉱脈の持ち主ってことで》
    「……んー」
     エリザは心の中で一瞬、「ダサいかも」と思ったものの――。
    (アタシがソコに注文付けたら、ゼロさんからもろたもんにならへんもんなぁ。……コレで手打ちかなー)
    《どう?》
     ゼロが返事を促してきたので、エリザはうなずいておいた。
    「あ、ええ、ソレで。ありがとうございます、ども」
    《……気に入ってない?》
    「いえいえ全然そんなコトありまへんよー」
    《なら、……うん》
     こうして――ほんの少し、不満は残しつつも――エリザは時の為政者ゼロから名を賜り、この地での権力を確立した。



     まだ年端も行かぬエリザが村長になることに、ゲートも当初、不安を感じないではなかったのだが――。
    「ほな今日も、ワイルド班とゴア班は地質調査でお願いします。昨日、第5ポイントで調査したヤツ、金が含まれとるコトが分かったから、もうちょい付近を探って鉱脈の正確な場所を見付けて下さい。
     ピット班、ラウ班、ソレからゲート班はアタシと会議。昨日話した続きで、クロスセントラルへの輸送ルートの検討を行います。
     ソレから……」
     200人の遠征隊――彼女より一回り、二回りも年上の、屈強な男たちを前に、少しも怯んだり気後れしたりする様子無く、てきぱきと指示を送るエリザの姿に、ゲートはただただ感心するばかりだった。
    (ゼロも確かに大人物だけど、この子もすごいな。間違い無く将来、この村だけじゃなく、山から南全部を手中に収めちまうだろうな。
     ぼんやりしてるとこの子に取って代わられかねないぞ、ゼロ)

    PageTop▲

    琥珀暁・金火伝 2

    琥珀暁 第2部

    神様たちの話、第78話。
    エリザの今後。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    2.
    《そう――第三の規範、それは『悪魔氏だけが倒せる限界まで、強いバケモノを出現させる』。
     言い換えれば『悪魔氏にしか倒せないであろうバケモノが倒された時点で、出現を終了させる』。それが即ち、『絶滅』ってことなんだ」
    「なるほど、それで合点が行った。
     モールさんが『ゼロや自分くらい魔力持ってる奴が現れなきゃ、バケモノは絶滅しない』って言ってたんだが、その悪魔氏かどうか判断する基準が、魔力ってことか。
     巨獅子3頭を一気に倒せるくらいのずば抜けた魔力を持ってる奴がいたら……」
    《そこで多分、悪魔氏が現れたと判断するんだろう。判断されれば、後はもう、その地域では二度と出現しない。
     バケモノは規範に従い、自ら絶滅するってわけさ》
    「自分で絶滅するって説が確かだとすりゃ、そっちでもうバケモノが出て来なくなった理由も分かるな。
     思い返してみれば、確かにどこの村でも巨獅子3頭で打ち止めだった。こっちでも、結果から見れば3頭だったしな。
     つまり、逆に言えば……」
    《巨獅子3頭が出現し、それを速やかに倒してしまえば、バケモノ側は悪魔氏が出現したとみなす。そして第三の規範が発動――ほぼ間違い無く、その村とその周辺には、二度とバケモノは出現しないだろうね。
     でも念のため、最初に決めてた通り、あと2ヶ月駐留して欲しい。それで近隣にも出ないっぽかったら、もう引き上げちゃっていいよ。多分、今後出たとしても、エリちゃんが何とかするだろうし。
     いや、今後のことを考えたら、彼女がやらなきゃダメだろう》
     ゼロの言葉に、ゲートはもう一度うなずく。
    「モールさんも同じことを言ってた。エリちゃんがこの村の村長になった時、他に頼る相手がいちゃ、彼女が困るだろうと。
     となると俺たちも、あと2ヶ月経ったらさっさと引き上げた方がいいよな」
    《そうだね。それに何度も山越えするのは、僕たちだって困るし。メノーも寂しがってたよ》
    「はは……、そうだな。さっさと帰れるって言うなら、俺も異存は無い。
     しかしさ、ゼロ。それじゃ納得しない奴もいるんだ」
    《って言うと?》
    「この村に金鉱床があると聞いて、欲を出してる奴が何人かいる。このままただ引き上げるんじゃ、そいつらも不満がるだろうからな」
     ゲートがそう返したが、ゼロは黙り込み、応答しない。
    「どうする?」
     ゲートが促したところで、迷い迷いと言った口ぶりでゼロが答える。
    《そうだな……。それについては、僕一人で決められない。エリちゃんを呼んできてもらってもいいかな?》
    「分かった、ちょっと待っててくれ」

     ゲートはエリザを呼び、ゼロとの連絡会議に参加させた。
    《……と言うわけでエリちゃん、君が将来、どうするつもりなのか確認しておきたいんだ。
     ただ、返事を聞く前に――誘導的な話をしてしまうことを許してほしいけど――君が村長になりたいと言うなら、僕たちは支援すると約束する。
     まだ少女の君が『村をまとめたい』と言っても、反対する人間は多いだろう。でも、素直な感想を言えば、君が一番だろうと、僕は思っている。恐らくはモールも。
     君がまとめ役、指導者になれば、そっちは大きく発展するだろう。政治的・経済的に見て、僕らと非常に良好な関係、いい取引相手になるだろうと見込んでいる。
     だから君が村長になると決めたなら、僕たちは政治的、……あと、軍事的に支援する。もし誰かが君に危害を加えようとしたなら、僕たちは友好関係上、報復行動に出ると明言するし、実行もする。
     その上で、聞かせて欲しい。君はこれから、どうする?》
    「……」
     エリザは一息、すう、と息を吸い込み、静かに答えた。
    「ええ。何となくですけど、そのつもりではおりました。一方で、確かにこんな小娘が長やの何やの言うたって、納得せえへんヤツらがおるやろうな、とも。
     ゼロさんが後押ししてくれはるっちゅうんやったら、そらもうありがたいです。是非、お願いします」
    《良かった。じゃあ……》
     ゼロが答えかけたところで、エリザが付け加える。
    「ソレについて、いくつかお願いしたいコトがあるんです」

    PageTop▲

    Menu

    検索フォーム

    最新記事

    最新コメント

    カテゴリ

    プロフィール

    黄輪

    Author:黄輪
    猫と中華と可愛いものが好きなモノ書きです。ドット絵も描けますよ(*゚ー゚)ノシ

    ブロとも申請フォーム

    オンラインカウンター

    現在の閲覧者数:

    現在の閲覧者数:

    QRコード

    QRコード