「双月千年世界 2;火紅狐」
火紅狐 あとがき
「火紅狐」あとがき ④作中における恋愛要素と、リアリティ
シュウ「お待たせしました皆様、こんにちは、……でいいですかね?
本日のテーマは、ズバリ『恋愛』っ! と言うわけで本日のゲストとして、今作のダブルヒロインにお越しいただきましたー」
ランニャ「どもー」
ティナ「……よろしく」
――作中、この二人が出会うことはありませんでした。当然、互いにどんな人だったかも知らないわけで。
ランニャ「あたしはフォコから聞いてたけどね。かなりノロけてたよ」
ティナ「……」(照れている)
シュウ「さて、テーマの方についてなんですけれども、前作でも今作でも、恋愛要素はちょくちょく出てきてましたが、黄輪さんはあまり、重要視はしていないとのことです」
――と言うよりも、ズバリ「恋愛小説」として、恋愛シーンをメインに書くことができない、と言うか。
確かに恋愛の要素は、人間社会における重要なテーマの一つですが、それ単体では生活が成り立たないわけで。残念ながら、愛の力を電気や熱エネルギーに変える技術は、現在のところありませんし。
現実世界においても、「愛さえあれば他には何もいらない」と言う方はいらっしゃいますが、実際には仕事や勉強、遊びや趣味と言った社会的、公共的な活動をしつつ、その一方でパートナーさんと付き合っていくわけで。愛だけに生きる、二人だけで生きていく、と宣言してしまうのは、まったくリアリティに欠ける言葉だと思うんです。
むしろ、そうした生活、活動を共にするうちに恋愛が発生し、愛を育んでいく。現実的なライフスタイルを考えれば、その方が自然でリアリティに富むと思っていますし、作品の中でもそうした流れを重視し、戦闘や会話、交流などを重ねるうちに、特別な感情が芽生え、そこでやっと「恋愛」が始まる、と言う風に流れを作っています。
厳密に数えてはいませんが、唐突にラブラブしだしたカップル、と言うのは、作中にはあんまりいないはずです。
ランニャ「なーるほど。あたしも昔からの縁があったからだし、ティナさんも職場恋愛だもんなぁ」
ティナ「……」(うなずいている)
――ただ、自分の作家仲間さんの中には、僕のように回りくどくお膳立てを整えたりせず、恋に落ちるところ、その後の展開、エンディングと、ピンポイントに「恋愛モノ」の要素を取り上げ、書き上げられる方がいらっしゃいまして。それは本当に、うらやましい文才だなと思っています。
とは言え、現在のところ作品の方向性が違うので、真似をしたいと思っても、その機会はありませんが。
ランニャ「あたしはいいけどな、フォコとラブラブしてるトコ書いてもらっても(チラッ)」
ティナ「……」(チラッ)
――その機会はありません。多分。
ランニャ「ちぇ」
ティナ「……」(不満そうな目を向けてきた)
――話を戻しますと。
恋愛に関わらず、「リアリティ」、和訳すると「現実っぽさ(あくまで現実そのものではない)、有り得そうな展開」、みたいなことだと思ってますが、そのリアリティが無いものは、作品として読むに堪えないものと、僕は考えています。
例えば怪力乱神を語る、剣や魔法が華々しく交わされる、魔王と勇者が激しく戦う。なるほど、いかにもファンタジーな設定だな、とは思います。
ですが、その設定に引きずられる、型にはめられる形でキャラが動かされれば、それはキャラや世界が独自に思考を持ち、それに則って行動する「物語」ではなく、舞台の上で役者が台本通り動き、定められた役割を機械的にこなす「演劇」になってしまっていると、そう感じられるんです。
いかにファンタジーな世界とは言え、そこで動く人々は、彼らそれぞれの自由意思で行動しているはず。それを全く無視して、「まず設定ありき」でキャラを動かし続けることは、まったくリアリティに欠ける。読者さんからも「こんな展開有り得へんやろ!? 作者はアタマおかしいんちゃうか!?」と嘆かれるような展開になってしまうのではと、そう考えています。
結局は作者の采配次第で物語は決まるものですが、いつでも自分に「このキャラは今、どう考えているのか? どう動こうとしているのか?」と問いながら、作品を作っています。
シュウ「まず『それっぽさ』ありき、ということですね。
それではお時間となりましたー。次回4月12日のあとがきインタビューは最終回! 『双月世界』について、ざっくりと説明していただきましょう!」
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本日のテーマは、ズバリ『恋愛』っ! と言うわけで本日のゲストとして、今作のダブルヒロインにお越しいただきましたー」
ランニャ「どもー」
ティナ「……よろしく」
――作中、この二人が出会うことはありませんでした。当然、互いにどんな人だったかも知らないわけで。
ランニャ「あたしはフォコから聞いてたけどね。かなりノロけてたよ」
ティナ「……」(照れている)
シュウ「さて、テーマの方についてなんですけれども、前作でも今作でも、恋愛要素はちょくちょく出てきてましたが、黄輪さんはあまり、重要視はしていないとのことです」
――と言うよりも、ズバリ「恋愛小説」として、恋愛シーンをメインに書くことができない、と言うか。
確かに恋愛の要素は、人間社会における重要なテーマの一つですが、それ単体では生活が成り立たないわけで。残念ながら、愛の力を電気や熱エネルギーに変える技術は、現在のところありませんし。
現実世界においても、「愛さえあれば他には何もいらない」と言う方はいらっしゃいますが、実際には仕事や勉強、遊びや趣味と言った社会的、公共的な活動をしつつ、その一方でパートナーさんと付き合っていくわけで。愛だけに生きる、二人だけで生きていく、と宣言してしまうのは、まったくリアリティに欠ける言葉だと思うんです。
むしろ、そうした生活、活動を共にするうちに恋愛が発生し、愛を育んでいく。現実的なライフスタイルを考えれば、その方が自然でリアリティに富むと思っていますし、作品の中でもそうした流れを重視し、戦闘や会話、交流などを重ねるうちに、特別な感情が芽生え、そこでやっと「恋愛」が始まる、と言う風に流れを作っています。
厳密に数えてはいませんが、唐突にラブラブしだしたカップル、と言うのは、作中にはあんまりいないはずです。
ランニャ「なーるほど。あたしも昔からの縁があったからだし、ティナさんも職場恋愛だもんなぁ」
ティナ「……」(うなずいている)
――ただ、自分の作家仲間さんの中には、僕のように回りくどくお膳立てを整えたりせず、恋に落ちるところ、その後の展開、エンディングと、ピンポイントに「恋愛モノ」の要素を取り上げ、書き上げられる方がいらっしゃいまして。それは本当に、うらやましい文才だなと思っています。
とは言え、現在のところ作品の方向性が違うので、真似をしたいと思っても、その機会はありませんが。
ランニャ「あたしはいいけどな、フォコとラブラブしてるトコ書いてもらっても(チラッ)」
ティナ「……」(チラッ)
――その機会はありません。多分。
ランニャ「ちぇ」
ティナ「……」(不満そうな目を向けてきた)
――話を戻しますと。
恋愛に関わらず、「リアリティ」、和訳すると「現実っぽさ(あくまで現実そのものではない)、有り得そうな展開」、みたいなことだと思ってますが、そのリアリティが無いものは、作品として読むに堪えないものと、僕は考えています。
例えば怪力乱神を語る、剣や魔法が華々しく交わされる、魔王と勇者が激しく戦う。なるほど、いかにもファンタジーな設定だな、とは思います。
ですが、その設定に引きずられる、型にはめられる形でキャラが動かされれば、それはキャラや世界が独自に思考を持ち、それに則って行動する「物語」ではなく、舞台の上で役者が台本通り動き、定められた役割を機械的にこなす「演劇」になってしまっていると、そう感じられるんです。
いかにファンタジーな世界とは言え、そこで動く人々は、彼らそれぞれの自由意思で行動しているはず。それを全く無視して、「まず設定ありき」でキャラを動かし続けることは、まったくリアリティに欠ける。読者さんからも「こんな展開有り得へんやろ!? 作者はアタマおかしいんちゃうか!?」と嘆かれるような展開になってしまうのではと、そう考えています。
結局は作者の采配次第で物語は決まるものですが、いつでも自分に「このキャラは今、どう考えているのか? どう動こうとしているのか?」と問いながら、作品を作っています。
シュウ「まず『それっぽさ』ありき、ということですね。
それではお時間となりましたー。次回4月12日のあとがきインタビューは最終回! 『双月世界』について、ざっくりと説明していただきましょう!」
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