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    「双月千年世界 短編・掌編・設定など」
    世界観・補足・考察

    「双月暦」の暦

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    現実の暦と双月世界の暦「双月暦」の違いについて、こちらで詳しく解説します。
    半ば自分用のメモになっている点、ご容赦ください。



    まず、現実・現代の暦は「グレゴリオ暦」と呼ばれ、
    これは地球から見える、太陽の動きを基にして作られています。いわゆる「太陽暦」ですね。
    この太陽暦における一年は365日、もしくは366日とされています。
    この「一年」、誰もが「季節が一巡するまでの時間」、
    あるいは「地球が太陽の周囲を一周するまでの時間(いわゆる公転周期と同義である)」、
    と言うように認識していると思います。
    しかし、実はこの公転周期を厳密に計測すると「365.2422」日となり、
    公然の事実とされている(太陽暦の)一年、365日とは、5時間15分程度のずれが存在します。
    そのため、毎年365日と定めてこの暦を使い続けると、10年で52時間半(2日と4時間半)、
    100年で525時間(21日と21時間)ものずれが生じてしまい、実際の地球の挙動と合わなくなってしまいます。
    と言って、これを一々、一年に組み込んでいると、
    大晦日の除夜の鐘が鳴り終わってから5時間以上も待たされて
    「あけましておめでとう」と挨拶させられる羽目になります。
    多分これをやると、その5時間を気持ち悪く過ごすことになりますし、諸々の計算も面倒くさい。
    かと言って一日、24時間に細々とそのずれを入れてしまうと、毎日閏秒が発生することになり、
    これもまた、諸々の計算が面倒臭くなります。
    そこで、ずれが丸一日分貯まる4年目あたりで、暦にその一日分を増やして処理をする方法を採りました
    これが「閏年」と呼ばれるものです。

    ちなみにそれが何故2月29日と定められたかについてですが、
    これは単純に、それまで2月がたった28日と、明らかに他の月より日数が少なかったためです。
    何故、2月が他の月より日数が少ないのか? これはグレゴリオ暦の前に欧州で使われていた暦、
    「ユリウス暦」がユリウス・カエサルによって定められた後、
    元々太陰暦(月の満ち欠けの周期を一ヶ月とする暦。一年の日数がおよそ354日)によって、
    29日および30日と定められていた各月の日数を、2月を除いて増やしたり
    初代ローマ皇帝アウグストゥスが、
    「帝国作ったし、折角だから暦も変えよう。
    例えば8月を自分の名前(August)にして、あと、一日増やして。2月とか削って
    強引に日数を増やしたりした、その名残です。
    その後も歴代ローマ皇帝は、自分の名前を月名に付けようとしたり、一月の日数を動かしたりと、
    かなり大きなワガママを通そうとしたことが多々あったそうです。
    この一例を見ても、暦を制定すること、即ち時間を定めることができるのは強大な為政者である、その証と言えます。



    で、ここから双月暦について、ですが。
    この双月暦は、その名の通り赤と白、二つの月の公転周期を基にして制定された、「二重太陰暦」となっています。
    (現実には存在しません。火星ならありうるでしょうが)
    これを定めたのは、天帝教の初代教皇、ゼロです。
    前述の通り「暦を定める」と言う行為は、恐ろしく絶大な権力を持った唯一為政者、皇帝にしかできません。
    そのためゼロは「時間を司る者」、即ちタイムズ(Times)と畏怖の念を持って呼ばれ、それが家名となりました。

    こちらも一年の長さは、ほぼ365.25日となっています。
    (双月世界の天文学者たちが詳しく計測すれば微妙な誤差は出るでしょうが、概ねこの値とされています)
    一ヶ月の長さはすべて等しく、30日となっています。2月は削られたりしません。
    ただし、このままだと一年の長さが360日となり、
    現実の暦と同じく、年を重ねるごとに大きなずれが生じていきますが、
    天帝教ではこのずれを、「双月節」という一年の節目で調整しています。

    12月30日、双月世界では大晦日にあたる日の翌日から7日間は、
    「共に満月となった赤と白の月が逢瀬を楽しむ週」と定められ、
    1月1日~12月30日とは別に加算されています。この一週間を、「双月節」と呼びます。
    この一週間の数え方は、数字ではなく「双月節の天曜、双月節の火曜……」と言うように、
    曜日としても使用されている六属性、および天帝の「天」で表されます。
    言うなれば、「閏週」ですね。
    ただ、このままだと一年が367日となり、逆にずれが生じてしまうため、
    4年に一度
    「双月が隠れて逢瀬を行っていた」として、この7日間を削ります
    これが双月世界で言う、「閏年」となっています。

    ちなみに双月世界での一週間の呼び方ですが、「・火・氷・水・雷・土・風」としています。
    現実世界で言う「・月・火・水・木・金・土」に、それぞれ対応しています。

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    2013.12.7 加筆修正
    2013.12.13 加筆修正
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    ~ Comment ~

    NoTitle 

    いいですね、ゲーム化。
    それを目指して作りこんでいくのも、楽しいかも知れませんね。

    その当時からあのお話、殺伐路線だったんですね。
    と言って、ロマンスとか別路線になっても違和感があるか……。

    NoTitle 

    とはいえ、黄輪さんの双月世界を舞台に資料集やTRPGを作るのであれば、そういう設定がないとなにもできないですから、設定にこだわることは何ら悪いことではないと思います。

    現にわたしはなにも決めてないから、自作のファンタジー世界を膨らませることに困難を感じていますし。

    バルテノーズ家と終末港については、まだ大学生だったころに長編を書いていますが、いま読み返すと、同じ都市が舞台とは思えなくなっていたりします(笑)。 共通点はささいなことで人がばたばた死ぬことだけ(爆笑)。

    NoTitle 

    うっ、痛いところを……。
    確かに、作る側の細かい設定なんか、
    読者さんにはどうでもいいですよね。
    よくよく思い出せば、自分も書き始めの頃に
    「小難しい設定は一切無視する」と宣言していたのに……。
    初心、忘れるもんですね。

    NoTitle 

    よほどのマニアックな読者でもなければ、こういう暦のシステムを作っても感心どころか気づきさえもしてもらえないということをいろいろなRPGで知ったので、自分でファンタジーを書く際は、そういうところは「考えないし描写もしない」ことにしました。

    方法論の差でしょうね……。
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