「双月千年世界 3;白猫夢」
白猫夢 第8部
白猫夢・麒麟抄 8
麒麟の話、第8話。
神の統治体制。
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8.
央北の戦争が終わって以来、アオイはまるで女神サマのような扱いを受けている。
ボクは実に気分がいい。自分の作品を、ソコまで評価してもらえたらね!
白猫党はアオイに、完全に心酔している。アオイのために、せっせと働いてくれている。
そう、ソコが大事なんだ。金や名誉、地位とか何とか、そう言う小さい視点、安い「見返り」で働いてない。
あくまで「アオイのために」働いてくれている。
ソコを抜きにしちゃ、この組織は維持できない。他の有象無象の組織のように、ただ金のために、権力のために動くようなヤツらばかりなら、その目的が満たされた途端に仲間割れしておしまいさ。
この白猫党は、ボクの築こうとする世界の理想形を体現してくれている。ギブ・アンド・テイクを是としない、無償の愛と不満なき隷従で構成された集団なんだ。
だからアイツらは幸せでいられる。
党首のシエナも、その周りのヤツらも、みんながアオイと、アオイが率いる白猫党のために動いている。そしてアオイはボクのために動いている。
その関係が続く限り、間違いなく、みんなが幸せでいられるだろう。
逆に、だからこそアイツらはダメになったんだ。
アオイに殺されたあのゲス軍人。アイツは自分のためにしか行動していなかった。
自分のひねくれた欲望を満たすため、そして身の丈に合わない地位を求めたために、アオイたちを殺そうなんてバカなコトを考えてしまった。
だからボクはアオイに命じ、殺させた。アイツを生かしてもろくなコトにならないと、ボクの方でも分かっていたからね。
そしてあの金汚い、ペテン師『狐』もだ。
アイツは一見、アオイや白猫党のために行動しているように見せかけていたけど、本心はまったくそうじゃなかった。アオイに恩を売って、党内での地位を確保しようとしてたのさ。
他の目的――白猫党の重鎮となり、それを後ろ盾にして金火狐の総帥、もしくは金火狐財団の要職に立候補するためにね。
結局、アイツも自分のためにアオイに取り入り、自分のために金集めしてたのさ。
ボクにしてみりゃ、ソレは前々段階にやってた、相当原始的なやり方だ。
分かりやすい見返りを与えて動かす、犬にエサをチラつかせて芸をさせるような手法だ。
ソレは確かに、ほとんど確実に人を動かせるけど、一々こっちがエサを探してやらなきゃならない、面倒極まりない手法でもある。
ソレにあのアホのシュウヤみたく、すごくいいエサを持ってきても、こっちの予想に反して噛み付いてくるコトもあるしね。
ま、ボク個人としては、いまさらこの方法を執る気にはなれない。エサを見せなくても尻尾をパタパタ振ってくれる犬が、もう既に一杯いるんだし。
で、だ。そのめんどくさい、コストのかかるような手法を、いまだにあの「狐」はやろうとしてる。
バカだな、本気で。いまさらお前みたいなやっすい守銭奴に手を貸して、互助関係を築こうとするヤツは、最早あの党内にいないってコトを、まだ分かってないらしい。
そんな時代遅れのアホがいるって言うだけでも、党の足かせだ。ソレどころか、アオイを狙ってる節もある。お前みたいなカスの分際で、アオイを口説こうだって?
本気でバカだな、まったく!
アイツはもう、用済みだな。コレ以上党にいさせても邪魔にしかならない、迷惑な駄犬だ。
そろそろ適当にホネを放り投げて、谷底まで追いかけてってもらうとするか。
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神の統治体制。
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8.
央北の戦争が終わって以来、アオイはまるで女神サマのような扱いを受けている。
ボクは実に気分がいい。自分の作品を、ソコまで評価してもらえたらね!
白猫党はアオイに、完全に心酔している。アオイのために、せっせと働いてくれている。
そう、ソコが大事なんだ。金や名誉、地位とか何とか、そう言う小さい視点、安い「見返り」で働いてない。
あくまで「アオイのために」働いてくれている。
ソコを抜きにしちゃ、この組織は維持できない。他の有象無象の組織のように、ただ金のために、権力のために動くようなヤツらばかりなら、その目的が満たされた途端に仲間割れしておしまいさ。
この白猫党は、ボクの築こうとする世界の理想形を体現してくれている。ギブ・アンド・テイクを是としない、無償の愛と不満なき隷従で構成された集団なんだ。
だからアイツらは幸せでいられる。
党首のシエナも、その周りのヤツらも、みんながアオイと、アオイが率いる白猫党のために動いている。そしてアオイはボクのために動いている。
その関係が続く限り、間違いなく、みんなが幸せでいられるだろう。
逆に、だからこそアイツらはダメになったんだ。
アオイに殺されたあのゲス軍人。アイツは自分のためにしか行動していなかった。
自分のひねくれた欲望を満たすため、そして身の丈に合わない地位を求めたために、アオイたちを殺そうなんてバカなコトを考えてしまった。
だからボクはアオイに命じ、殺させた。アイツを生かしてもろくなコトにならないと、ボクの方でも分かっていたからね。
そしてあの金汚い、ペテン師『狐』もだ。
アイツは一見、アオイや白猫党のために行動しているように見せかけていたけど、本心はまったくそうじゃなかった。アオイに恩を売って、党内での地位を確保しようとしてたのさ。
他の目的――白猫党の重鎮となり、それを後ろ盾にして金火狐の総帥、もしくは金火狐財団の要職に立候補するためにね。
結局、アイツも自分のためにアオイに取り入り、自分のために金集めしてたのさ。
ボクにしてみりゃ、ソレは前々段階にやってた、相当原始的なやり方だ。
分かりやすい見返りを与えて動かす、犬にエサをチラつかせて芸をさせるような手法だ。
ソレは確かに、ほとんど確実に人を動かせるけど、一々こっちがエサを探してやらなきゃならない、面倒極まりない手法でもある。
ソレにあのアホのシュウヤみたく、すごくいいエサを持ってきても、こっちの予想に反して噛み付いてくるコトもあるしね。
ま、ボク個人としては、いまさらこの方法を執る気にはなれない。エサを見せなくても尻尾をパタパタ振ってくれる犬が、もう既に一杯いるんだし。
で、だ。そのめんどくさい、コストのかかるような手法を、いまだにあの「狐」はやろうとしてる。
バカだな、本気で。いまさらお前みたいなやっすい守銭奴に手を貸して、互助関係を築こうとするヤツは、最早あの党内にいないってコトを、まだ分かってないらしい。
そんな時代遅れのアホがいるって言うだけでも、党の足かせだ。ソレどころか、アオイを狙ってる節もある。お前みたいなカスの分際で、アオイを口説こうだって?
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そろそろ適当にホネを放り投げて、谷底まで追いかけてってもらうとするか。
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