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    「双月千年世界 短編・掌編・設定など」
    双月千年世界 短編・掌編

    白猫夢番外編 その7_2

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    麒麟を巡る話、からもうちょっと外れて。
    見た目と年齢、その2。

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    白猫夢番外編 その7_2
     稽古を終えた後も、葛と楓はこの話を続けていた。
    「って言うかカエデさんって今、33歳なの?」
    「ええ」
    「見えないなー。超人化しただけじゃ見た目年齢に影響しないって言われてたけど、実はアルになんかされたんじゃない?」
    「されてはいないと思いますが……、はっきりと否定はできませんわね。
     まあ、あたくしの兄や母も、年より若く見られることは何度かございましたし、見た目の若さは天原家の遺伝かも知れませんわね」
    「ソレ、うちも一緒かもー。パパもわりと若く見られる」
    「そう言えばアオイも今は、20代後半だったはずですけれど、相対した時にはもっと若く見受けられましたわね。
     あなたは……、見た目は24、5歳と言うところですけれど、どうかしら?」
    「当たり。25歳だよー」
    「あなたは歳相応ですわね。ちょっと、ほっといたしました。
     正直な話、『フェニックス』に在籍されてる方って、歳と見た目が一致しない方ばかりで……」
    「あー、うん。コントンさんみたいなのを除いても、マークとかクオラとかも、見た目より若く見えるもんね。
     逆に年より老けて見えるのって言ったら……」
     話している間に、該当する者が前から歩いてくる。
    「あ、ウォーレンさん」
    「どうも、カズラ君。今、稽古が終わったところか?」
    「うん。……ね、ウォーレンさんって今、いくつだっけ?」
    「私か? 28だ。それがどうかしたか?」
     これを聞いて、葛が楓に笑いかける。
    「ね? 見た感じ、とっくに三十路超えてそうでしょ、この人?」
    「……」
     ところが、楓はウォーレンを眺めたまま、微動だにしない。
    「カエデさん?」
    「……はっ」
     楓は狐耳をびくっと震わせ、慌てた様子で葛に応じた。
    「ご、ごめんなさい。ええ、確かに見た目よりお若いですわね。
     ……あの、あたくし天原楓と申します。あなたは?」
    「ウォーレン・ウィルソンだ」
    「ウォーレン、ね。よろしくお願いいたします」
    「ああ、よろしく」
     そのままウォーレンは横を通り過ぎて行く。
     が、楓が踵を返し、彼に付いて行こうとする。
    「あれ、カエデさん? どしたの?」
    「……あー、……何と言うか、……まあ、もう少しリハビリしておこうかしら、と。お先に上がってらして構いませんわよ」
    「もしかして好みのタイプなの?」
    「う」
    「口元がコントンさんみたいになってるしー」
     葛に指摘され、楓はがばっと口元を覆う。
    「そ、そのー……」
     もごもごと口ごもる楓に、葛はウインクして返した。
    「あたしは疲れたし、お先するよー。リハビリ、あんまり無理しないようにねー」
    「……はぃ」

     そそくさとその場を離れた楓を眺めながら、葛はぼそっとつぶやく。
    「残念だったねー、コントンさん」
    「……いつから気付いてたの?」
     物陰から、渾沌が口をへの字にしつつ現れる。
    「コントンさんの性格だと、ココら辺で待ち構えてるだろうなーって」
    「あらら、わたしもまだまだね。……ちぇ、失恋しちゃったわ」
     そうこぼす渾沌を、葛がニヤニヤしながら肘でつつく。
    「いい加減さー、オトコに目ぇ向けたら? いるじゃん、近くに」
    「誰?」
    「お師匠さんとか」
    「……」
     間を置いて、渾沌が首を傾げた。
    「先生?」
    「そう」
    「無いわー」
     今度は間髪をいれず、即答する。
    「そりゃ師匠としては尊敬するけど、好みのタイプでも女の子でもないし」
    「ソレは筋金入りなんだねー」
    「それにね? 百歩譲ってあれがあの性格のまま女の子だったとして、あなた、それで可愛いって思う?」
     そう問われ、今度は葛が間を置いて、猫耳を毛羽立たせた。
    「……うわー、想像したら鳥肌立った。絶対無いわー」
    「無いでしょ?」
    「うん、無い」
     二人してうんうんとうなずき合っているところに、一聖が近付いてきた。
    「お前ら、こんなトコで何やってんだ? 稽古してたのか?」
    「あ」
     葛と渾沌は目を合わせ――もう一度、うなずき合った。
    「無いでしょ? まさにさっき言った例え、そのままだけど」
    「無いねー」
    「何がだよ?」
     きょとんとする一聖を尻目に、二人はもう一度うなずいていた。

    閑話 終
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