「双月千年世界 短編・掌編・設定など」
赤虎亭日記
赤虎亭日記 43
朱海さんの話、第43話。
双月暦541年8月:黒炎擂台賽。
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43.
双月暦541年 8月1日 風曜
ウィルとシルキスに、黒炎教団からの招待状が来たらしい。
なんでよ? と思って本人から詳しく話を聞いてみると、なんでもウィルたちのエリザリーグでの活躍を聞いて、今度教団で開催する武闘大会に、是非参加してほしいってコトらしい。
二人とも乗り気で、もう行くって返事したそうだ。どんどん活躍の場を広げてんなぁ。やっぱすごいわ、ウィル。シルキスも。
双月暦541年 8月2日 天曜
昨日ウィルから見せてもらった招待状に、武闘大会(黒炎擂台賽って名前らしい)の協賛としてチェイサー商会の名前があったんで、久々にピースんトコ、じゃなくプレアんトコに行って、事情を知ってるか聞いてみた。
ソコで分かったコトだが、むしろウィルとシルキスが招待されたのは、プレアの口添えがあったからだそうだ。「教団から、『とにかく強い人を集められるだけ集めてほしい』って依頼されたから」だと。
しかも、晴奈の息子の秋也くんまで呼んだらしい。ただ、ウィルたちには全く知らせてないんだとか。「会場でびっくりさせようと思って」っつって、ニヤニヤしてた。本当にこう言うトコ、親譲りだな。
ちなみに雪乃の娘の小雪ちゃんも誘ったらしいんだが、こっちは返事が返って来なかったんで諦めたらしい。そりゃ残念だ。
双月暦541年 8月5日 水曜
ウィルとシルキスが屏風山脈に向けて出発した。到着は3日後、大会はその2日後になるらしい。おいおい、ココから3日で間に合うのかよ? ……と思ったが、最近は登山道もかなり整備されてて、割りと楽に登れるんだそうだ。時代は変わったねぇ。
そしてドコから嗅ぎつけてきたのか、海悠から「ウィルが大会出るって?」と手紙。順調に情報屋としての経験を積んでるようで、アタシとしては嬉しい限りだ。
双月暦541年 8月6日 雷曜
シルビアが困った顔してウチに駆け込んできた。なんでもシリンのトコのクイントが、シルビアのトコのシルフィにちょっかい出してきてるとか。
あのバカ、兄貴分兼お目付け役が市国を出た途端にかよ、ふざけてんな。とりあえずイオタ経由で叱ってもらうコトにした。
双月暦541年 8月10日 火曜
今度はシリンが来た。やっぱりクイント絡みで。
こないだイオタに叱られたにもかかわらず、まーだシルフィを口説いてるんだとか。懲りないヤツだな。ソレともイオタが頼りないのか?
んで、このまんま付きまとうようじゃ孤児院にも迷惑かかるし、どうにかアタシに取り成してくれないか、と。なんでだよ? ……とは思ったが、ココは第三者が出張った方がいいのか?
気乗りしないが、明日クイントとシルフィを呼んで話すコトにした。
双月暦541年 8月11日 氷曜
やっぱりクイントはアホだ。そしてソレにあてられるシルフィも大概だ。
普通に諭そうと思って席に座らせた瞬間、クイントのアホが「オレは真剣にコイツが好きなんです! なんならすぐ結婚します!」って叫びやがった。
アタシも「お前まだ17だろ、弁えろよ」とか「どうやって食わせていくんだよ」とか色々言ったものの、コイツはまったく聞いちゃいなかった。しまいにゃ、シルフィが「よろしくお願いします」って答える始末だ。
もう勝手にしやがれ。アタシは知らん。
双月暦541年 8月13日 雷曜
教団からチェイサー商会を経由して、大会の結果が伝えられた。
優勝したのは秋也。そしてウィルは準優勝だったそうだ。マジか。上には上がいるもんだな。しかもソレが秋也とは。
ちなみにウィルたちは大会後、プレアと秋也と一緒に、央中側のふもとの街で一泊してご飯食べて帰る予定らしい。
双月暦541年 8月16日 天曜
プレアが黒炎教団の大会から帰って来た。ウィルたちについては、途中で秋也の街に行こうってコトになって、そのまんま向こうに渡ったと聞いた。
あ、ピンと来た。ウィル、そのまま弧月に行って海悠と会う気だな。やれやれ。
双月暦541年 8月23日 天曜
ウィルたちが帰って来た。
やっぱり予想通りと言うか、まずは秋也ん家のある黄海に行って、その後弧月にも寄って海悠とも会ってきたんだとか。
ちなみに黄海で、晴奈とも会って来たらしい。ソレは予想できたが、その上雪乃とも会ったっつってて、ソレが一番うれしかったみたいだ。何つっても闘技場の伝説、「瞬殺の女神」だもんな。(シルキスなんか「レアキャラやぁ」っつってた。キャラてお前)
一応、クイントとシルフィのコトを伝えたが、二人とも唖然としてた。んで、揃って「アイツ、アホか」ってつぶやいてた。アタシも同感だよ。
双月暦541年 8月26日 水曜
心配な情報が入ってきた。秋也が焔流の免許皆伝試験に落ちて、そのまま修行場から逃げ出したらしい。今のところ、行方は分かってないそうだ。
しかし分からんもんだなぁ。市国最強のウィルを負かした秋也が、試験に落ちるなんて。晴奈の印象があるから、そんなに難しいもんだとは思ってなかったんだけど、やっぱりきついのかなぁ。
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双月暦541年8月:黒炎擂台賽。
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双月暦541年 8月1日 風曜
ウィルとシルキスに、黒炎教団からの招待状が来たらしい。
なんでよ? と思って本人から詳しく話を聞いてみると、なんでもウィルたちのエリザリーグでの活躍を聞いて、今度教団で開催する武闘大会に、是非参加してほしいってコトらしい。
二人とも乗り気で、もう行くって返事したそうだ。どんどん活躍の場を広げてんなぁ。やっぱすごいわ、ウィル。シルキスも。
双月暦541年 8月2日 天曜
昨日ウィルから見せてもらった招待状に、武闘大会(黒炎擂台賽って名前らしい)の協賛としてチェイサー商会の名前があったんで、久々にピースんトコ、じゃなくプレアんトコに行って、事情を知ってるか聞いてみた。
ソコで分かったコトだが、むしろウィルとシルキスが招待されたのは、プレアの口添えがあったからだそうだ。「教団から、『とにかく強い人を集められるだけ集めてほしい』って依頼されたから」だと。
しかも、晴奈の息子の秋也くんまで呼んだらしい。ただ、ウィルたちには全く知らせてないんだとか。「会場でびっくりさせようと思って」っつって、ニヤニヤしてた。本当にこう言うトコ、親譲りだな。
ちなみに雪乃の娘の小雪ちゃんも誘ったらしいんだが、こっちは返事が返って来なかったんで諦めたらしい。そりゃ残念だ。
双月暦541年 8月5日 水曜
ウィルとシルキスが屏風山脈に向けて出発した。到着は3日後、大会はその2日後になるらしい。おいおい、ココから3日で間に合うのかよ? ……と思ったが、最近は登山道もかなり整備されてて、割りと楽に登れるんだそうだ。時代は変わったねぇ。
そしてドコから嗅ぎつけてきたのか、海悠から「ウィルが大会出るって?」と手紙。順調に情報屋としての経験を積んでるようで、アタシとしては嬉しい限りだ。
双月暦541年 8月6日 雷曜
シルビアが困った顔してウチに駆け込んできた。なんでもシリンのトコのクイントが、シルビアのトコのシルフィにちょっかい出してきてるとか。
あのバカ、兄貴分兼お目付け役が市国を出た途端にかよ、ふざけてんな。とりあえずイオタ経由で叱ってもらうコトにした。
双月暦541年 8月10日 火曜
今度はシリンが来た。やっぱりクイント絡みで。
こないだイオタに叱られたにもかかわらず、まーだシルフィを口説いてるんだとか。懲りないヤツだな。ソレともイオタが頼りないのか?
んで、このまんま付きまとうようじゃ孤児院にも迷惑かかるし、どうにかアタシに取り成してくれないか、と。なんでだよ? ……とは思ったが、ココは第三者が出張った方がいいのか?
気乗りしないが、明日クイントとシルフィを呼んで話すコトにした。
双月暦541年 8月11日 氷曜
やっぱりクイントはアホだ。そしてソレにあてられるシルフィも大概だ。
普通に諭そうと思って席に座らせた瞬間、クイントのアホが「オレは真剣にコイツが好きなんです! なんならすぐ結婚します!」って叫びやがった。
アタシも「お前まだ17だろ、弁えろよ」とか「どうやって食わせていくんだよ」とか色々言ったものの、コイツはまったく聞いちゃいなかった。しまいにゃ、シルフィが「よろしくお願いします」って答える始末だ。
もう勝手にしやがれ。アタシは知らん。
双月暦541年 8月13日 雷曜
教団からチェイサー商会を経由して、大会の結果が伝えられた。
優勝したのは秋也。そしてウィルは準優勝だったそうだ。マジか。上には上がいるもんだな。しかもソレが秋也とは。
ちなみにウィルたちは大会後、プレアと秋也と一緒に、央中側のふもとの街で一泊してご飯食べて帰る予定らしい。
双月暦541年 8月16日 天曜
プレアが黒炎教団の大会から帰って来た。ウィルたちについては、途中で秋也の街に行こうってコトになって、そのまんま向こうに渡ったと聞いた。
あ、ピンと来た。ウィル、そのまま弧月に行って海悠と会う気だな。やれやれ。
双月暦541年 8月23日 天曜
ウィルたちが帰って来た。
やっぱり予想通りと言うか、まずは秋也ん家のある黄海に行って、その後弧月にも寄って海悠とも会ってきたんだとか。
ちなみに黄海で、晴奈とも会って来たらしい。ソレは予想できたが、その上雪乃とも会ったっつってて、ソレが一番うれしかったみたいだ。何つっても闘技場の伝説、「瞬殺の女神」だもんな。(シルキスなんか「レアキャラやぁ」っつってた。キャラてお前)
一応、クイントとシルフィのコトを伝えたが、二人とも唖然としてた。んで、揃って「アイツ、アホか」ってつぶやいてた。アタシも同感だよ。
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しかし分からんもんだなぁ。市国最強のウィルを負かした秋也が、試験に落ちるなんて。晴奈の印象があるから、そんなに難しいもんだとは思ってなかったんだけど、やっぱりきついのかなぁ。



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