双月千年世界シリーズ 第一次大修正；5月19日までの進捗状況

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シュウ
「今回もポールさんから、……じゃないのか。
とある公爵閣下の代理の方からご質問ですー」
パラ
「『各国における、貧富の格差ってどうなの？　教育の格差ってどうなの？
みんな満足なメシ食ってるの？　人口増加はコントロールできるレベルにあるの？』
とのことです」
シュウ
「前置きしておくと、黄輪さんに経済の話を振ったりすると、ものっすごーーーく話が長くなります」
パラ
「氏は経済学部卒ですので、その類の知識を多用しようとされます故」

シュウ
「ともかく『白猫夢』終了時の社会を基にお答えすると、貧富の格差は勿論存在します。
トラス王国首都、イーストフィールドの平均所得を100とした場合、央北の東側、『新央北』圏全体の平均は80後半くらい。
ジニ係数はトラス王国で0.3前半、『新央北』で0.45くらいです。
一方の央北西側、南北白猫党の勢力圏はものすごくひどくて、なんと20前半。ジニ係数は脅威の0.8です」
パラ
「ジニ係数とは、とある街や国における所得の偏りを示した指標です。
数値が高ければ高いほど、所得格差が激しくなっている社会であるとされております。
また、暴動や革命といった、極度の社会騒乱が頻発する閾値は0.4程度と言われております」
シュウ
「そりゃ第11部で反乱も起きるだろってもんですねー。
ちなみに現実世界では、日本のジニ係数が0.38。アメリカが0.48。中国が0.47だそうです。
また、福祉国家として知られる北欧3ヶ国は0.25くらいです」
パラ
「その他地域では、央南西部が90強、ジニ係数0.3前半。央南東部は80弱、ジニ係数も同様です。
央中全体が80半ば、ジニ係数は0.45程度です」
シュウ
「ちなみにゴールドコースト市国は60くらいです。ジニ係数は0.5強。
コレには2つ理由がありまして、1つは金火狐財団が相当稼いでるせいですね。
市国の人たちの中で飛び抜けて所得が大きいせいで、ジニ係数がえらいコトになってます。
もう一つは人口が集中しすぎてるせいで、市国の人全体に福祉サービスや雇用口が、市民全体に十分に行き渡ってないせいです」
パラ
「無論、こうした地域で教育格差や食糧供給などの社会問題も山積しているであろうことは、論じるまでも無いでしょう」
シュウ
「新しい総帥さんは優しそうな人なので、きっとこの問題にも手を付けてくれるはずでしょう」
パラ
「なお、中央大陸以外では、南海地域が40、ジニ係数0.6強。
北方大陸が80強、ジニ係数0.4弱。
西方大陸全体が70強、ジニ係数0.4。
そして西方南部三国が110弱、ジニ係数0.3強です」
シュウ
「その他の格差や問題についてですが、パラさんも言っていた通り、平均所得が低い地域や人口過密地域では当然、それらの問題は深刻化します。
人口問題も、既に市国ではじわじわと現れ始めていますし、次々回作の世界では国際的に深刻な問題になってるかも知れませんねー」