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    DETECTIVE WESTERN

    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 11

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    ウエスタン小説、第11話。
    偵察。

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    11.
    「あ、俺が出ます」
     ロバートはぐでっと横になったままのアデルに断りを入れ、続いてドアに向かって応じる。
    「姉御っスか?」
    「ええ。一息ついたでしょうし、そろそろ回ってみないかって声かけに来たんだけど、アデルは? 不貞寝してるの?」
    「え? あー、と……」「まさか! んなわけ無いって」
     ロバートが返事を返しかけたところで、アデルが慌てて飛び起き、ドアに張り付く。
    「とりあえず開ける」
    「ええ、お願い」
     アデルがドアの鍵を開け、エミルとサムを部屋に招き入れた。
    「で、どうしたって?」
    「どうって、作戦会議するんでしょ? まさかこのまま、夕食まで寝てるつもりだったの?」
    「え、……あー、まさか。いやさ、俺はてっきり、二人とも……」「『二人とも』? あたしたちが一緒におねんねしてると思ってたの?」
     しどろもどろなアデルの返答に、エミルが呆れた目を向ける。
    「あんた、あたしと組んで結構長いでしょ? あたしの好みも分からないわけ?」
    「え……、あ、いや、……わ、分かるさ、うん、分かる」
    「なら益体も無い邪推なんか、金輪際しないでちょうだい。
     ちゃんとまともな理由があって、あたしはサムと一緒の部屋にしたんだから」
    「あ、……そうなのか。……そっか」
     そうつぶやいたアデルの額を、エミルはやはり呆れた顔をしつつ、ぺちっと叩いた。
    「それで、これからどうするの? 牧場見に行く? それともここで待つ?」
    「後者に一票だな」
     アデルはそう答え、論拠を説明した。
    「来た時にも言ってたが、この町に宿なんてそう多くない。いや、恐らくここだけだろう。となれば議員先生もここを訪ねるはずだ。俺たちはそこを抑えりゃいい。
     ここなら駅の向かいだし、列車がいつ来るか、すぐ分かるしな」
    「あたしは反対ね」
     一方、エミルはこう主張する。
    「70マイル離れてるとは言え隣町だし、こっちにも何かしらのコネクションがあってもおかしくないわ。宿じゃなく、知人の家に泊まるかも知れない。
     それよりも、議員先生が来る前にそれとなく、町のことを調べておいた方がいいと思うけど」
     この意見を受け、アデルが折れた。
    「その点については同意だな。そのコネで、秘密の抜け道でも作られてたら厄介だし」

     一行はエミルの意見に則り、フランコビルをぐるっと見回っていた。
    「資料によれば人口400人弱、町の規模はおよそ直径4~5マイル。主要産業は……」「見りゃ分かるよ。牧場だろ」
     サムの説明を、ロバートが前を指差しながらさえぎる。
    「あ、は、はい。えーと、後は……」
    「町の概要はその辺でいいわ。他には、……そうね、牧場はいくつあるのかしら」
     エミルに尋ねられ、サムはぺらぺらと手帳をめくる。
    「3つあります。1つは前方のマグワイア牧場、他には町の南側に2つ、リーガン牧場とダンカン牧場です。どれも同じくらいの規模ですね」
    「同じくらい、ね。前にある牧場も馬を飼ってるみたいだし、買おうと思えば3ヶ所のどこでも買えそうね。
     ただ、議員さんが馬に乗れるかどうかは疑問だけど」
    「可能性は高いんじゃないでしょうか? 元々、農場主だったそうですし」
    「ああ、そう言ってたわね。じゃあ、その辺りも十分に可能性があるわね」
    「他に馬を調達できそうなところはある?」
    「うーん、……無さそうですね。馬を置いておけるところも、牧場とサルーンくらいです」
    「議員さんがサンクリストから馬で来たとしても、アデルが言った通りサルーンには泊まれないだろうし、そこに馬をつなぐ可能性は、まず無いわね」
     と、エミルとサムで意見交換していたところに、アデルも混じる。
    「となると議員先生、間違い無く牧場に来るだろうな。列車から馬に乗り換えるにしても、サンクリストから馬で来るにしても」
    「そうね。……とは言え3ヶ所をじっと見張るって言うのは、非現実的ね」
    「確かにな。日差しはきついし、見晴らしも良すぎる。俺たちが毎日何時間もじろじろ眺めてちゃ、不自然極まりないぜ。
     もし牧場の人間が議員先生と通じてたら、『こっちを見てる怪しい奴らがいますぜ』ってチクられて、逃げちまうかも知れん」
    「その上、3ヶ所よ。どうにか隠れて監視できる場所をそれぞれの牧場で確保できたとしても、4人じゃどうやったって手が足りないわ」
    「じゃあ、どうするんスか?」
     尋ねたロバートに、アデルが苦い顔を返した。
    「どうすっかなー……。どれか1つにヤマを張るのが効率的、……でもないな。外したら最悪だし」
    「となれば、採る方法は一つね」
     エミルの言葉に、アデルがうなずく。
    「だな」
     一方、ロバートとサムはそろって、ぽかんとした顔をしていた。
    「えっと……?」
    「なんかいい方法があるんスか? 罠でも仕掛けとくとか?」
     そう尋ねたロバートに、アデルが肩をすくめて返す。
    「イタチやウサギを追いかけてんじゃねーんだから、んなことするわけ無いだろ。
     もっと単純な方法だよ」
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