黄輪雑貨本店 新館


    「琥珀暁」
    琥珀暁 第2部

    琥珀暁・狐童伝 5

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    神様たちの話、第42話。
    モールの夢;荳也阜蟠ゥ螢翫↓轢輔@縺滉ク芽ウ「閠?→縲∽ク峨▽縺ョ蝠城。後? 。

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    5.
     翌日、モールはヨブたちの住むこの村に自分も滞在できないかと調べてみたが、3時間も経たないうちに、その案が実現できそうにないことを悟った。
    (ダメだこりゃ)
     村の人間はかなり猜疑心が強く、「よそ者」のモールに対し、敵意を剥き出しにして接してきたからだ。
     そればかりか、彼らの中にはモールへいきなり殴りかかってくるような者さえおり、そうした粗暴で野蛮な人間を嫌うモールは、この村に留まることをあきらめるしか無かった。
    (あーあ……、残念だね。折角アレほどの逸材を見付けたって言うのにねぇ)
     モールは渋々、村から出る支度を整えることにした。

     その日の昼過ぎには旅支度が終わり、モールはヨブたちへの挨拶もそこそこに、村を出て行った。
    「あー……、エリザのコトでちょっとウキウキしてたけど、その他で全部帳消し、って言うよりマイナスだねぇ。
     もう二度とあんな居心地悪い村に来るコトは無いだろうね」
     そんなことを一人、ブツブツとつぶやきながら、モールは村から北へと進み、やがて海岸へ行き着く。
    (そー言やハラ減ったねぇ。魚とか捕れるかなぁ)
     モールは荷物を木陰に下ろし、魔杖に紐と針を付け、釣りを始めた。
    「……ふあぁ」
     が、始めて10分もしないうち、モールは眠気を覚える。
    (ちょっと寝るか。自動で釣れるように魔術かけときゃいいし)
     モールは魔杖に魔術をかけ、その前でごろんと横になった。



     うとうととし始めたその刹那、モールは一瞬だけ、夢を見た。

    「無いコトは、無い」
     そう返した彼に、モールは問いかける。
    「ドコ?」
    「北中山脈。ボクたち一門がもしものために作ったモノがあるんだ」
    「行こう」
     もう一人が立ち上がる。
    「これ以上、じっとしてはいられないよ」
    「賛成」
     モールも続く。
     が、彼は苦い顔をする。
    「問題が3つある」
    「3つ? 何さ」
    「第1。モール、キミの……」



    「……ん、あ?」
     はっと目を覚まし、モールは上半身を起こす。
     と同時に、視界に金と赤の、ふわふわした毛並みが映った。
    「……あ?」
     モールが間の抜けた声を上げた途端、その毛玉がふわっと震え、持ち主が振り返った。
    「あ、おはよう、モールさん」
    「……いや、おはようじゃなくってさ、エリザ」
     モールは上半身を起こし、エリザをにらむ。
    「君がなんでココにいるの? もう村から大分離れたはずなんだけどね」
    「こそっと付いてきてん」
    「付いてきてん、……じゃないね」
     モールは呆れつつ、エリザにデコピンする。
    「あいたっ」
    「さっさと帰るよ。私ゃ旅に出るつもりなんだし、コレ以上村に滞在する気も無いしね」
    「あ、ソレなんやけど」
     エリザはにこっと笑い、こう続けた。
    「アタシも旅、一緒に行きたいなーって」
    「は?」
     モールは再度、エリザにデコピンする。
    「あいたっ、……何やのん、さっきからアタシのおでこ、ぺっちんぺっちんしよって」
    「そりゃするさ。寝ぼけたコト抜かしてるからね。
     いいかいエリザ、君のお父さんと話し合って、連れてけないし私も住めないって結論になったってコト、横で聞いてたろ?」
    「そんなん、お父やんとモールさんが勝手に話しとったコトやん。アタシは行く気満々やし」
    「アホか。君みたいなちっちゃい子が勝手に行きたいだの何だの言って、ソレが通ると思ってるね?」
    「通すもん」
    「どーやら3回目のデコピン食らいたいみたいだね、このアホは」
    「アホ言うなや、……ていっ」
     言うが早いか、今度はエリザがモールにデコピンした。
    「うわっ!? ……こんのおバカっ」
    「アホ言う方がアホやもーん。……まあ、このまんま出てったら、確かにお父やんもニコルも心配するやろし、いっぺん帰ろ?」
    「君が決めるコトじゃないっての。……とは言えだ。君の言う通りだし、帰るけどもね」
     モールはエリザの手を引き、渋々村へと引き返した。
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