「双月千年世界 4;琥珀暁」
琥珀暁 第2部
琥珀暁・鳳凰伝 2
神様たちの話、第51話。
モールの回想;荳芽ウ「閠??繝輔ぃ繝シ繧ケ繝医さ繝ウ繧ソ繧ッ繝 。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
2.
テントを張り終え、エリザが中に入って横になったところで、モールはすぐにはテントに入らず、彼女に声をかけた。
「ちょいとご飯を調達してくるね」
「はぁ~い」
くるりと踵を返し、モールは辺りを見回す。
(ここいらで食えそうなのは、と。……アイツがこの辺の野草、散々食いまくってたからねぇ。ドレが食えてドレがアタるヤツかってのは、大体分かる)
周囲をうろつきつつ、モールは「そいつ」のことをぼんやり、思い出していた。
《キミも魔術を調べてるって聞いたから》
そう言われたけれど、その時の私は、言葉の意味を測りかねていた。
「ナニソレ? どう言う意味?」
そう尋ねたら、アイツはこう返してきた。
《そのままの意味だよ》
うぜぇ。……いや、そうだ。コイツの言う通りだ。コイツは「そのまま」聞いてきてるだけなんだ。
ソレを情緒不安定だった私が、しなくてもいい勘繰りしてるだけなんだよな。
「どう答えたらいいね?」
って聞いたら、コイツはまた、イラっとするコトを言ってきやがった。
《自分で分かってるコトを聞くの?
ボクの師匠はそーゆーヤツのコト、『愚図か愚鈍』って言ってるよ》
お前の師匠なんか知るかってーの。まあ、でも、うーん、……つまり。
「つまり克事件のアレ?」
《ソレ》
やっぱりか。でもなぁ。
「アレ、一般のニュースとかじゃデマって聞いたけどね」
そんな風に返したら、もう一人がこんなコト言ってきた。
《でも僕もホウオウも、それから多分君も。本当だと思ってる。違うのかな?》
「……思う」
ちくしょ、なんだか心ん中、見透かされちゃった気分だね。
《だからコンタクトを取ったんだ。ロッキー、僕たちと研究しない?》
「研究って、つまり魔術?」
《うん。僕もホウオウも、こそっと研究してるんだ》
ぼんやり考え事をしながら食材を集めている間に、辺りはすっかり暗くなっていた。
(……ん、まあ、コレくらいありゃ十分か)
モールは集めた食材を背負い、テントへと戻った。
「戻ったね。ハラ減ってる?」
「ぐーぐー言うてる」
テントの側では既に、エリザが火を熾(おこ)してくれていた。
「じゃ早速食べよう。私も結構疲れてるから、切ったり除けたりせずにそのまんま焼いて食べられるヤツ集めてきたし」
「そうなん? ……ちゅうか先生」
エリザは首を傾げつつ、こう尋ねてくる。
「ずーっと気になっとったコトあるんやけど、聞いてええ?」
「時間かかる?」
「ちょっとかかるかも」
「じゃ、焼きながら聞いてよ。私だってお腹空いてんだしね」
「はーい」
二人で食材を串に刺し、火にかけつつ、エリザが質問を始める。
「後ろで見とったら先生、全然迷てへんねんな。分かれ道とか、ううん、そもそも道っぽい道もあらへんトコ、仰山あったのに。なんや全部、すいすいすいー、て」
「そうだねぇ」
「持ってきたご飯も、調理方法分かってる感じやし。初めて見たモノっちゅう感じやないなー思て」
「うん」
「……もうソレ、答えやんな?」
「って言うと?」
「先生、この山初めてやないんでしょ?」
その問いに、モールは何の含みもなくうなずいた。
「そうだよ」
「変やろ、ソレ」
エリザは元から吊り気味だった目を、さらに尖らせてくる。
「アタシも村のヤツも、ラボさんトコの人らも、この山のコト、登るどころか近寄りもせえへんもんやのに、何で先生は詳しいん?」
「……んー、まあ」
モールは火にかけていたキノコを手に取り、頬張りながら答えた。
「もぐ……、何てーか、……んー……、まあ、いいか。秘密にするようなもんじゃないね。
正直言うとね、エリザ。私ゃ、ココに住んでたんだ」
「そうなん?」
モールの言葉に、エリザは目を丸くした。
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モールの回想;荳芽ウ「閠??繝輔ぃ繝シ繧ケ繝医さ繝ウ繧ソ繧ッ繝 。
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テントを張り終え、エリザが中に入って横になったところで、モールはすぐにはテントに入らず、彼女に声をかけた。
「ちょいとご飯を調達してくるね」
「はぁ~い」
くるりと踵を返し、モールは辺りを見回す。
(ここいらで食えそうなのは、と。……アイツがこの辺の野草、散々食いまくってたからねぇ。ドレが食えてドレがアタるヤツかってのは、大体分かる)
周囲をうろつきつつ、モールは「そいつ」のことをぼんやり、思い出していた。
《キミも魔術を調べてるって聞いたから》
そう言われたけれど、その時の私は、言葉の意味を測りかねていた。
「ナニソレ? どう言う意味?」
そう尋ねたら、アイツはこう返してきた。
《そのままの意味だよ》
うぜぇ。……いや、そうだ。コイツの言う通りだ。コイツは「そのまま」聞いてきてるだけなんだ。
ソレを情緒不安定だった私が、しなくてもいい勘繰りしてるだけなんだよな。
「どう答えたらいいね?」
って聞いたら、コイツはまた、イラっとするコトを言ってきやがった。
《自分で分かってるコトを聞くの?
ボクの師匠はそーゆーヤツのコト、『愚図か愚鈍』って言ってるよ》
お前の師匠なんか知るかってーの。まあ、でも、うーん、……つまり。
「つまり克事件のアレ?」
《ソレ》
やっぱりか。でもなぁ。
「アレ、一般のニュースとかじゃデマって聞いたけどね」
そんな風に返したら、もう一人がこんなコト言ってきた。
《でも僕もホウオウも、それから多分君も。本当だと思ってる。違うのかな?》
「……思う」
ちくしょ、なんだか心ん中、見透かされちゃった気分だね。
《だからコンタクトを取ったんだ。ロッキー、僕たちと研究しない?》
「研究って、つまり魔術?」
《うん。僕もホウオウも、こそっと研究してるんだ》
ぼんやり考え事をしながら食材を集めている間に、辺りはすっかり暗くなっていた。
(……ん、まあ、コレくらいありゃ十分か)
モールは集めた食材を背負い、テントへと戻った。
「戻ったね。ハラ減ってる?」
「ぐーぐー言うてる」
テントの側では既に、エリザが火を熾(おこ)してくれていた。
「じゃ早速食べよう。私も結構疲れてるから、切ったり除けたりせずにそのまんま焼いて食べられるヤツ集めてきたし」
「そうなん? ……ちゅうか先生」
エリザは首を傾げつつ、こう尋ねてくる。
「ずーっと気になっとったコトあるんやけど、聞いてええ?」
「時間かかる?」
「ちょっとかかるかも」
「じゃ、焼きながら聞いてよ。私だってお腹空いてんだしね」
「はーい」
二人で食材を串に刺し、火にかけつつ、エリザが質問を始める。
「後ろで見とったら先生、全然迷てへんねんな。分かれ道とか、ううん、そもそも道っぽい道もあらへんトコ、仰山あったのに。なんや全部、すいすいすいー、て」
「そうだねぇ」
「持ってきたご飯も、調理方法分かってる感じやし。初めて見たモノっちゅう感じやないなー思て」
「うん」
「……もうソレ、答えやんな?」
「って言うと?」
「先生、この山初めてやないんでしょ?」
その問いに、モールは何の含みもなくうなずいた。
「そうだよ」
「変やろ、ソレ」
エリザは元から吊り気味だった目を、さらに尖らせてくる。
「アタシも村のヤツも、ラボさんトコの人らも、この山のコト、登るどころか近寄りもせえへんもんやのに、何で先生は詳しいん?」
「……んー、まあ」
モールは火にかけていたキノコを手に取り、頬張りながら答えた。
「もぐ……、何てーか、……んー……、まあ、いいか。秘密にするようなもんじゃないね。
正直言うとね、エリザ。私ゃ、ココに住んでたんだ」
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モールの言葉に、エリザは目を丸くした。
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