「双月千年世界 5;緑綺星」
緑綺星 第1部
緑綺星・猫報譚 1
新連載。
メイスンリポート#39;きんきゅーじたいです!
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
1.
お父さん、お母さん、お元気ですか?
わたしは今まさに死にそうです。
だって思わないじゃないですか! 泊まったホテルがいきなり襲われるなんて! 一流って紹介だったんですよ!? しかもネットの評価で星4.7くらいのヤツですよ!?
しかもテロに巻き込まれたとかならともかく――や、ソレも嫌ですけども――標的がわたしですよ!? わたしなんですよー!? どーにか段ボールに隠れてやり過ごして何とかしたはしたんですけども、その時にテロリストさんたちが「絶対にメイスンを逃がすな」って言ってたんですよ! メイスンですよ!? わたしじゃないですかー! もー!
……なんてコトを、震えながらTtTに打ち込んでたんですが。
「おい」
隠れてた段ボールをひょいと持ち上げられて、あっさり見つかってしまいました。どうして分かったんでしょうか、この完璧な偽装作戦が。
「スマホの光が穴から漏れてたぞ」
「あっ」
わたしのおバカぁ。
「お前がメイスンか?」
「ひ、……ひとちがいです」
「じゃあなんでそんなとこに隠れてんだ?」
「く、くらいとこがすきなんです」
「ゴチャゴチャ言い訳してんじゃねえぞ」
そう言ってテロリストさんたちがマシンガン向けてきました。や、正確には金火狐の「ガードマンV4」ですね。いわゆるPDW(個人防衛火器)ってヤツです。……なんて冷静に分析してる場合じゃないですよ、もー!
「てめえがシュウ・メイスンじゃないってんならブッ殺すだけだからな。で、どうなんだ?」
「……わ、わたしですー」
仕方無しに、わたしはパスポートを見せて証明します。
「……えーと、……お前分かる? 央北語」
「あんまり」
どうもこのテロリストさんたち、頭はあんまりみたいですね。
「お前ら、そこで何してる!?」
あ、別の人が来た。
「あ、兄貴ぃー!」
「それらしい『猫』見つけたんスけど、パスポートが良く分かんなくて」
「アホか」
兄貴って呼ばれた人が、わたしのパスポートを奪って目を細めました。
「SHIU MASON、双月暦696年生まれの猫獣人。どうやらお前みたいだな」
「あっハイ」
こっちの人はまだ頭良さそうですね。ちゃんとパスポート返してくれましたし。ポイって投げ捨てられましたけど。
「付いて来てもらうぞ。てめえには色々聞かなきゃならんからな」
「……えーと、あの」
ダメ元で確認します。ハッキリさせとかないと後でヤバいかもですし。
「わたしの身の安全は……?」
「なんだそれ」
兄貴さんが鼻でフン、とわたしの言葉を笑い飛ばしちゃいました。
「てめえは俺たちの顔に泥塗ったんだ。生かして返すわけねーだろうが」
「あぅ……」
ですよねー。
ああー……。わたしの人生はどうやら、今日でおしまいみたいです。散々ワガママ言ってこっちまで来ちゃったのに、本当にごめんなさい、お父さん、お母さん。
なんてコトを考えていたんですが――自分でこんなコト言っちゃうのもアレですけど――わたし、運だけはものっすごくいいみたいですね。
現れたんです。目の前に。スーパーヒーローみたいなのが。
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お父さん、お母さん、お元気ですか?
わたしは今まさに死にそうです。
だって思わないじゃないですか! 泊まったホテルがいきなり襲われるなんて! 一流って紹介だったんですよ!? しかもネットの評価で星4.7くらいのヤツですよ!?
しかもテロに巻き込まれたとかならともかく――や、ソレも嫌ですけども――標的がわたしですよ!? わたしなんですよー!? どーにか段ボールに隠れてやり過ごして何とかしたはしたんですけども、その時にテロリストさんたちが「絶対にメイスンを逃がすな」って言ってたんですよ! メイスンですよ!? わたしじゃないですかー! もー!
……なんてコトを、震えながらTtTに打ち込んでたんですが。
「おい」
隠れてた段ボールをひょいと持ち上げられて、あっさり見つかってしまいました。どうして分かったんでしょうか、この完璧な偽装作戦が。
「スマホの光が穴から漏れてたぞ」
「あっ」
わたしのおバカぁ。
「お前がメイスンか?」
「ひ、……ひとちがいです」
「じゃあなんでそんなとこに隠れてんだ?」
「く、くらいとこがすきなんです」
「ゴチャゴチャ言い訳してんじゃねえぞ」
そう言ってテロリストさんたちがマシンガン向けてきました。や、正確には金火狐の「ガードマンV4」ですね。いわゆるPDW(個人防衛火器)ってヤツです。……なんて冷静に分析してる場合じゃないですよ、もー!
「てめえがシュウ・メイスンじゃないってんならブッ殺すだけだからな。で、どうなんだ?」
「……わ、わたしですー」
仕方無しに、わたしはパスポートを見せて証明します。
「……えーと、……お前分かる? 央北語」
「あんまり」
どうもこのテロリストさんたち、頭はあんまりみたいですね。
「お前ら、そこで何してる!?」
あ、別の人が来た。
「あ、兄貴ぃー!」
「それらしい『猫』見つけたんスけど、パスポートが良く分かんなくて」
「アホか」
兄貴って呼ばれた人が、わたしのパスポートを奪って目を細めました。
「SHIU MASON、双月暦696年生まれの猫獣人。どうやらお前みたいだな」
「あっハイ」
こっちの人はまだ頭良さそうですね。ちゃんとパスポート返してくれましたし。ポイって投げ捨てられましたけど。
「付いて来てもらうぞ。てめえには色々聞かなきゃならんからな」
「……えーと、あの」
ダメ元で確認します。ハッキリさせとかないと後でヤバいかもですし。
「わたしの身の安全は……?」
「なんだそれ」
兄貴さんが鼻でフン、とわたしの言葉を笑い飛ばしちゃいました。
「てめえは俺たちの顔に泥塗ったんだ。生かして返すわけねーだろうが」
「あぅ……」
ですよねー。
ああー……。わたしの人生はどうやら、今日でおしまいみたいです。散々ワガママ言ってこっちまで来ちゃったのに、本当にごめんなさい、お父さん、お母さん。
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