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黄輪雑貨本店 新館


    今日の旅岡さん

    まだ冬物しまわへんでよかったやろ?

     ←双月千年世界 徒然考察;『ファンタジー? その3』 →緑綺星・狼嬢譚 1
    先週まで寒くて震えていたかと思えば急に暖かくなり、
    それが3日、4日と続くともう冬物の出番は無さそうかな、と安心し、
    コートをクリーニングに出したりセーターを押し入れの奥にしまい込んだりとひと頑張りし、
    新しい季節の到来を心待ちにしていたら、今日はなんだか妙に寒い。
    とても耐えられなくなり、慌ててしまい込んだセーターを引っ張り出す。
    季節のはざまは、いつも用意と片付けの見極めが難しい。

    先週、紙袋いっぱいに冬物を詰め込んでクリーニング屋に向かおうとした大江さんを見つけた円さん。
    円「まだちょっと早いんとちゃう?」
    大江「いや、もう暑いくらいだし」
    円「そう思うやろ? ところがもう2、3日経ったらあれっ? ってなるんよ」
    大江「いや、でももう3月も下旬だし」
    円「悪いコト言わんから、4月になるまで待っとき」
    大江「……まあ、円がそう言うんなら」

    そして今週――平均気温は3日連続で前日を下回り、
    街ゆく人の半分近くが薄手のジャケットやカーディガンにマフラー姿と言うちぐはぐな格好で、
    顔を真っ青にして寒がっていた。
    円「な? まだ冬物しまわへんでよかったやろ? 寒の戻りっちゅーヤツや」
    大江「珍しく年相応に頼りになるじゃん。おかげで助かった」
    円「言うても明日はまた暖かくなるて言うてはるし、桜もつぼみ付いとる。
    『あったか~い』飲んで美味しいんもボチボチおしまいやな。
    ちゅうワケで今シーズン最後のお楽しみや」
    そう言って円さんは、大江さんにコーヒーを渡した。
    円「アンタはシュガーレスのカフェラテやったな」
    大江「ありがと」
    と、二人並んでコーヒーで乾杯したところで、旅岡さんが空っぽの紙袋を手に戻って来た。
    旅岡「あ、コーヒー飲んどる。人にクリーニング押し付けといて……」
    円「ちゃんとアンタの分も買うてるで~。激甘マシマシブレンド。お駄賃や」



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    大変お待たせしてしまいましたが、
    4/1より「緑綺星」第2部の連載を開始します。
    第1部にもましてファンタジーらしさの無い、現代風の世界観となっています。

    これをファンタジーと言ってしまっていいのか不安にならないこともないですが、
    往々にして物語と言うものは人の作る枠には収まらないもの。
    別に世の中のフィクションが全て厳格なルールに則って作られているわけではないので、
    こんな「現代風ファンタジー世界」もいいんじゃないかなって。

    と言うわけで、乞うご期待!
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