「双月千年世界 5;緑綺星」
緑綺星 第3部
緑綺星・震世譚 5
シュウの話、第107話。
メイスンリポート#44;世界が震える巨大ニュース! 後編
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5.
ハイこんにちは、シュウ・メイスンですー。
激熱の前後編動画、いよいよ後編の始まりです! 前編でお話ししました謎の武力組織、コレが一体ドコの誰なのかについてですが、もう前編からずーっとずーっと引っ張ってきちゃってますので、いよいよ明かすコトにしましょう! ……と言いたいトコなんですけども、ココで一人特別ゲスト、いえ、「準レギュラー」のあの娘に登場していただきましょう!
「エヴァンジェリン・アドラーだ。久しぶりだな」
どーもどーもー、本っっっ当にお久しぶりです! ずーっと長いコト行方不明になっていましたが、先日ようやく、再会するコトができたんです!
「長い間行方をくらませてしまったこと、本当にお詫びする。心配かけてすまなかった。私はこの1年裏の世界に身を投じ、ある組織の情報を集めていた。今、シュウが話そうとしていた組織のことだ」
と言うワケで、今からエヴァにその組織の名前を公表してもらいましょう!
「その組織とは、央北西部を本拠地とし、1世紀以上にわたって非常に迷惑極まる内輪もめを続けていた、あの白猫党だ。
白猫党は我が祖国、リモード共和国に架空の軍事組織ARRDKを送り込んだ。その結果、名目上はクーデターによる軍事政権を樹立させたが、実態は白猫党による侵略・占領に他ならない。その事実を知る私は皆も知っての通り、ARRDKが掌握したリモード共和国によって指名手配され、追われる身となっている。
他にも白猫党は陰に日向にあらゆる活動を行っており、決して皆が考えているような、『沈黙の巨大国家』ではない。その活動の最たるもの、今現在彼らが最優先目標としているものが何であるかも、私はつかんでいる」
コレについてですが、エヴァ経由で詳細に解説された映像をいただいています。地質学博士であり、土壌研究の第一人者であるタダシ・オーノ博士からのメッセージです。
「……え、はい、えーとですね、央北トラス王国西部の、いわゆる難民特区と呼ばれている地域にですね、おそらくは1億トンを超える埋蔵量があると目される巨大油田がですね、まあ、その、かなり高い可能性で存在するようなんです。実際、717年3月に行った地質調査では地下300メートル地点まで試掘を行ったんですけども、その時点で既にですね、石油状物質をかなりの頻度で確認することができました。おそらくもう数メートル掘り下げれば、豊富に石油をたたえた層に到達するのではないかと思われます」
……とのコトです。このオーノ博士は先日襲撃に遭い、あわや命を落とすかと言うところだったんですが、現在はとある場所で保護されているとのコトです。博士もこの事実をつかんだコトで、その巨大油田を独占しようと目論む白猫党に狙われたんです。
白猫党が「沈黙の巨大国家」である理由はただ一つ。彼らが今、仕掛けようとしているコトを誰にも知られたくないからです。今の彼らは確かに戦争を終わらせはしましたが、ソレは結局――エヴァも言ってましたが――ただの内輪もめです。現在の彼らが平和の使者だなどと言い張るトンデモ論者をネット上にチラホラと見かけますが、この人たちにはちゃんと現実を見て論じて下さい、と声を大にして言いたいです。白猫党は100年以上ずっと世界に迷惑をかけてきた存在ですし、コレからやろうとしているコト、即ちトラス王国領内を侵犯・占拠し、その数500万と言われる難民を蹂躙する行為もまた、世界に多大な迷惑をかける行為に他なりません。
考えてみて下さい。100年迷惑をかけてきたこの巨大軍事国家がとんでもない量の石油を手に入れたら、彼らは一体、何に使うでしょう? ペットボトルに加工するでしょうか? ソレともガソリン? はたまたアクリル毛糸に? いいえ、そのどれよりも、もっと彼らが必要としているモノがあります。液晶、ジェット燃料、防弾繊維、……そう、すべて軍事転用可能なモノです。そして続けて考えて下さい。危険な軍事国家が軍事物資を大量に手に入れたら、彼らは一体どんな行動に出るでしょう? ココまで話して、平和利用するだろうとお考えの方はもう、いらっしゃらないでしょう。きっと誰もが危険な使い方、平和には程遠い使い方を考えていらっしゃるはずです。
このまま白猫党を看過し、見過ごしていては、その悪い予想は間違いなく現実のものとなります。大量の軍事物資を手に入れた白猫党は、そう遠くない未来、近くの国に、そしてもう少し先の未来では、遠くの国へも、侵略を開始するでしょう。
そうならない、そうさせないためにも、行動を起こして下さい。難民特区問題は今なお、トラス王国が抱える最大の人的問題、国際問題ですが、今までのように見て見ぬふりをし続けるのならば、白猫党にとってはただただ都合がいいだけです。今こそ積極的にこの問題に取り組み、難民特区を名実ともにトラス王国の管理下に置き、難民の皆さんと、そして特区を保護・防衛するよう、王室政府に呼びかけて下さい。
もう一度、心からお願いします。
目を向けて下さい。王国が目をそらし続けてきた、この問題に。そして立ち向かって下さい。今まさに世界を脅かしつつある、この危機に。
今回の動画はココまで。ご視聴、ありがとうございましたー!
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メイスンリポート#44;世界が震える巨大ニュース! 後編
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ハイこんにちは、シュウ・メイスンですー。
激熱の前後編動画、いよいよ後編の始まりです! 前編でお話ししました謎の武力組織、コレが一体ドコの誰なのかについてですが、もう前編からずーっとずーっと引っ張ってきちゃってますので、いよいよ明かすコトにしましょう! ……と言いたいトコなんですけども、ココで一人特別ゲスト、いえ、「準レギュラー」のあの娘に登場していただきましょう!
「エヴァンジェリン・アドラーだ。久しぶりだな」
どーもどーもー、本っっっ当にお久しぶりです! ずーっと長いコト行方不明になっていましたが、先日ようやく、再会するコトができたんです!
「長い間行方をくらませてしまったこと、本当にお詫びする。心配かけてすまなかった。私はこの1年裏の世界に身を投じ、ある組織の情報を集めていた。今、シュウが話そうとしていた組織のことだ」
と言うワケで、今からエヴァにその組織の名前を公表してもらいましょう!
「その組織とは、央北西部を本拠地とし、1世紀以上にわたって非常に迷惑極まる内輪もめを続けていた、あの白猫党だ。
白猫党は我が祖国、リモード共和国に架空の軍事組織ARRDKを送り込んだ。その結果、名目上はクーデターによる軍事政権を樹立させたが、実態は白猫党による侵略・占領に他ならない。その事実を知る私は皆も知っての通り、ARRDKが掌握したリモード共和国によって指名手配され、追われる身となっている。
他にも白猫党は陰に日向にあらゆる活動を行っており、決して皆が考えているような、『沈黙の巨大国家』ではない。その活動の最たるもの、今現在彼らが最優先目標としているものが何であるかも、私はつかんでいる」
コレについてですが、エヴァ経由で詳細に解説された映像をいただいています。地質学博士であり、土壌研究の第一人者であるタダシ・オーノ博士からのメッセージです。
「……え、はい、えーとですね、央北トラス王国西部の、いわゆる難民特区と呼ばれている地域にですね、おそらくは1億トンを超える埋蔵量があると目される巨大油田がですね、まあ、その、かなり高い可能性で存在するようなんです。実際、717年3月に行った地質調査では地下300メートル地点まで試掘を行ったんですけども、その時点で既にですね、石油状物質をかなりの頻度で確認することができました。おそらくもう数メートル掘り下げれば、豊富に石油をたたえた層に到達するのではないかと思われます」
……とのコトです。このオーノ博士は先日襲撃に遭い、あわや命を落とすかと言うところだったんですが、現在はとある場所で保護されているとのコトです。博士もこの事実をつかんだコトで、その巨大油田を独占しようと目論む白猫党に狙われたんです。
白猫党が「沈黙の巨大国家」である理由はただ一つ。彼らが今、仕掛けようとしているコトを誰にも知られたくないからです。今の彼らは確かに戦争を終わらせはしましたが、ソレは結局――エヴァも言ってましたが――ただの内輪もめです。現在の彼らが平和の使者だなどと言い張るトンデモ論者をネット上にチラホラと見かけますが、この人たちにはちゃんと現実を見て論じて下さい、と声を大にして言いたいです。白猫党は100年以上ずっと世界に迷惑をかけてきた存在ですし、コレからやろうとしているコト、即ちトラス王国領内を侵犯・占拠し、その数500万と言われる難民を蹂躙する行為もまた、世界に多大な迷惑をかける行為に他なりません。
考えてみて下さい。100年迷惑をかけてきたこの巨大軍事国家がとんでもない量の石油を手に入れたら、彼らは一体、何に使うでしょう? ペットボトルに加工するでしょうか? ソレともガソリン? はたまたアクリル毛糸に? いいえ、そのどれよりも、もっと彼らが必要としているモノがあります。液晶、ジェット燃料、防弾繊維、……そう、すべて軍事転用可能なモノです。そして続けて考えて下さい。危険な軍事国家が軍事物資を大量に手に入れたら、彼らは一体どんな行動に出るでしょう? ココまで話して、平和利用するだろうとお考えの方はもう、いらっしゃらないでしょう。きっと誰もが危険な使い方、平和には程遠い使い方を考えていらっしゃるはずです。
このまま白猫党を看過し、見過ごしていては、その悪い予想は間違いなく現実のものとなります。大量の軍事物資を手に入れた白猫党は、そう遠くない未来、近くの国に、そしてもう少し先の未来では、遠くの国へも、侵略を開始するでしょう。
そうならない、そうさせないためにも、行動を起こして下さい。難民特区問題は今なお、トラス王国が抱える最大の人的問題、国際問題ですが、今までのように見て見ぬふりをし続けるのならば、白猫党にとってはただただ都合がいいだけです。今こそ積極的にこの問題に取り組み、難民特区を名実ともにトラス王国の管理下に置き、難民の皆さんと、そして特区を保護・防衛するよう、王室政府に呼びかけて下さい。
もう一度、心からお願いします。
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