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黄輪雑貨本店 新館


    「双月千年世界 2;火紅狐」
    火紅狐 第2部

    火紅狐・三兎記 2

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    フォコの話、45話目。
    双月式ウノ。

    「蒼天剣」6部でも、このゲームは行われてました。
    この話ですね。




    2.
    「何しよか?」
    「何でもいいよ」
     ペルシェは割と冷め気味に応じてくる。
    「分かりやすいのがいいな」
     プルーネはおっとりとした感じで微笑んでいる。
    「早くやろっ、早くっ」
     リモナはワクワクした目をフォコに向けている。
    「んー、……じゃあ」
     フォコはカードをシャッフルし、自分と三人娘に一枚ずつ渡しながら、ルールを説明した。
    「『ウノ』って知ってる?」
    「知ってる」「知らない」「ううん」
     ペルシェはうなずいたが、残り二人は首を横に振る。
    「まあ、簡単に言えば、前の人が切ったカードと同じ数字か同じ種類やったら、1枚だけ捨てることができるんよ。ほんで、切れるカードが無かったらパスして、次の人にカード捨てる番が回っていく。
     で、持ってるカードを一番早く、全部捨てれた人が勝ち」
    「前の人が切ったカードと同じの、ね。じゃ、最初のカードは?」
    「一番最初の人が自由に出してええよ」
    「同じ数字かマークって、『天』『冥』はどうなるの?」
    「そこやね、このゲームの一番面白いのんは」
     フォコはいたずらっぽく笑い、それについても説明する。
    「『天』は前の数字・マークに関係なく、自由に切ることができる万能なカードやねん。
     せやからそれ持ってる人は、一回だけパスせえへんで済む、ってことになる。ほんで万能カードやから、これが出た後やったら、次の人は自由に切ってええねん。
     で、『冥』も同じように、自由に切れるんやけど……、これは、次に切るカードを指定することができるんよ」
    「指定って?」
    「例えば僕が『冥』切った後、『次の人は火のカードを切ること』とか『5のカードを切ること』とかって指定できるねん。
     で、その後。指定したカードが切れへんでパス、切っても次にパス出した人には……」
     フォコはまた、ニヤッと笑う。
    「今までみんなが捨てたカード、全部受け取り」
    「えぇ」「ひっどい」「大変そー」
    「ただし、『天』『冥』は最後に切ったらダメ。最後に残ったら、そのままパスしてアガれへんようにする」
    「ふーん……」「大体、……分かったかな」「やろやろー」
     丁度そこで、フォコもカードを配り終えた。

     まずは、フォコが最初に切ることになった。
    (……お、『天』入った。後は、……まあ、ちょい『氷』が多めかな)
     フォコの手持ち14枚のうち5枚が『氷』、残りはほぼ均等に並んでいる。
    「ほんじゃ、……『水の5』」
     フォコの次に、リモナが切る。
    「じゃ、『水の7』」
     続いて、ペルシェ。
    「『火の7』」
     そして最後に、プルーネの番。
    「ええっと……、えーと、……パス」
     一巡し、フォコの番になる。
    「『火の2』」
    「はい、『水の2』」
    「『雷の2』」
    「あ、えっと、『雷の4』」
    「『氷の4』」
    「『水の4』」
     先程から、リモナは水のカードしか出してこない。
    (切り方悪かったかなぁ……。めっちゃ偏っとる)
     そのまま数巡し、フォコの手持ちは残り3枚――『天』『氷の1』『氷の8』となった。
     と、プルーネがカードを切る。
    「『雷の9』」
     『雷』も『9』も、フォコの手持ちにはない。
    「あー、と。ほんじゃ、『天』で」
    「あ、やった。『水の1』」
     リモナがほっとした顔でカードを切る。
     と、続くペルシェが「うーん……」と短くうなり、カードを切った。
    「『冥』、じゃあ『土のカード』で」
     そう指定した途端、プルーネが「はぅ」とつぶやいた。
    「……パス」
    「あー、プルちゃんやっちゃったー」
     プルーネはしょんぼりした顔で、今まで捨てられていたカードを引き取った。

     が、終盤になってくるにつれ、逆にリモナとペルシェがしょんぼりした顔になっていく。
    「……パス」「パス」
     このゲームは終盤になってくると、切れるカードが無くなってくる。その分、序盤でつまづいた者が切りやすくなってくるのだが――。
    「『風の1』」
    「お、『氷の1』」
    「えぅ、……パス」
    「……パス」
     それも段々と細り、大体横並びになってくる。まだ20枚以上残っているプルーネはアガりようが無いのだが、残る3人も1枚、2枚のところで手が止まっている。
     そのままプルーネが切り続ける状況が数巡続いたところで――。
    「『水の8』」
    「あ」
     フォコはほっとした声をあげ、最後の一枚を切った。
    「『氷の8』、アガリ」
    「あー」「ざんねん」「おめでとー」
     初回は、フォコが先制した。
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    ~ Comment ~

    NoTitle 

    自分も麻雀やボードゲームはよくやりますが、
    カードゲームは最近、あまりたしなんでないですね。
    もっとも自分の場合、頭を使うよりも強運で押し切るタイプですがw

    NoTitle 

    おー,カードゲームですね。
    あまり知恵を使うゲームは私は得意でないですけど。
    そういえば、最近はあまりカードゲームはやっていないですね。
    小説を見ていてとても懐かしい気分になりました。
    (*'▽')

    NoTitle 

    確かに攻略しますね。
    恐らくしやたんが考えてるのとは別の意味で。

    NoTitle 

    まずはリモナたんを攻略しようv-415

    NoTitle 

    自分たちの得意パターン、有利になる方法で主導権を握るのは、戦略思考では常道。
    次回は兎三姉妹のターン。

    甘みたっぷりの恋愛小説、ごちそうさまでしたw

    NoTitle 

    この娘ども、絶対にルールを知っていてやりこんでおり、フォコくんを「アカギ」のように罠にはめる気に違いない、と考えるミステリ脳。

    それから、いつか説明しなくては、と思っていたのですが、こないだ「渋抜きの渋柿を食べたような」といったのは、干したり焼酎に着けたりして渋を抜いた渋柿は非常に甘いものなので、「苦いと思ったら甘々だった」、ということの比喩であります。ちょっとあのときのコメ返ではわかりづらくて誤解を誘ってしまったかと思ったので、一応こちらでフォローを。

    たぶんこんなフォローなどなくてもおわかりのことだとは思いますけど……。
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