黄輪雑貨本店 新館

黄輪雑貨本店のブログページです。 小説や待受画像、他ドット絵を掲載しています。 よろしくです(*゚ー゚)ノ

    2017年2月携帯待受

    携帯待受

    HONDA NSX(NC1)

    HONDA NSX(NC1)

    HONDA NSX(NC1)  HONDA NSX(NC1)

    2017年2月の壁紙。
    GT-Rと双璧を成すホンダのスーパーカー、NSX。

    今年は休日が少ない年。
    日本で制定されている祝日のうち、
    建国記念日(2/11)、昭和の日(4/29)、秋分の日(9/23)、
    そして天皇誕生日(12/23)が土曜とかぶっており、
    休日が例年より4日減ります。
    その第一弾がいきなり、2月からやって来ます。
    なんだかげんなり。

    そう言えば昔、同じようなことをお伝えした気がする……。
    長くブログを続けていると、こんなこともあるもんですね。



    次回もカラーに関して、twitterにてアンケートを行う予定です。
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    新企画の構想

    雑記

    さて、「イラスト練習を再開する」と言ったものの、
    正直言って現在、これと言って描きたいモノが特にありません。
    (リクエストはいずれお答えするつもりではありますが……。もう少々お待ちください)
    そこで、以前にあちこちにお願いしたものの、
    お断りされたり、OKされた後に音信不通になったりした企画を、
    自分で消化しようかと思います。

    「双月千年世界」の種族紹介ですが、
    これについて各種族のイラストがあればいいかもと考えていました。
    ただ、描く側にとっては特徴や細かい設定の無い、かなりぼんやりしたお願いであり、
    その点が敬遠されたり音沙汰が無くなったりした理由の一つなのかな、と思われます。
    なので今回、自分で描くことにしました。
    ともかく企画倒れにならないよう、全8回とし、毎週月曜に掲載する予定とします。



    願わくば、これを参考にして、誰かが二次的に描いてくれたりしないかなー、……なんて。

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    イラスト;克天狐(2回目)

    イラスト練習/実践

    4ヶ月ぶりにイラスト描いてみました。
    天狐ちゃん。

    ちゃんとした三白眼を描いてみたいなーと思い立ち、
    そう言う顔してそうなキャラを、自分の作品の中からピックアップしました。

    そしてカラー版。

    前回に比べれば、随分Photoshopの真価を発揮できたと思います。
    レイヤーとか色々。

    基本的にここ十数年、ドット絵をWindowsに備え付けのペイントで描いていたせいで、
    「レイヤー機能を使って絵を描く」と言う発想が、まったくありませんでした。
    Photoshopの持ち腐れですw

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    2017 あけましておめでとうございます

    雑記

    新年、あけましておめでとうございます。
    旧年中、当ブログにご訪問、ご笑覧いただきました皆様、
    今年もよろしくお願い致します。



    いやぁ、2016年もなかなかひどい年でした。
    転職に端を発する数々のストレスフルな出来事で、危うく心を病みかけました。
    ただ、まあ、その分金銭的には状況が改善され、懐は多少あったかいです。
    色々買いたいモノを買って、すっかり癒やされましたw

    言い訳になってしまいますが、昨年のそうした事情のため、昨年定めた目標はあまり達成できませんでした。
    「DW」はきちんと2作掲載できたものの、イラストも下半期にはまったく描けていません。
    いい機会ですし、今年も心機一転して、イラスト頑張ろうと思います。目標は今年30作
    で、今年も「DW」2作と、「双月千年世界」も第3部終了まで行きたいな、と。

    あと、生活面の目標としては、そろそろクルマ買いたいなぁ。即金で。

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    2017年1月携帯待受

    携帯待受

    NISSAN GT-R(R35)

    NISSAN GT-R(R35)

    NISSAN GT-R(R35)  NISSAN GT-R(R35)

    2017年1月の壁紙。
    日産の、いや、日本スポーツカーの代名詞、GT-R。

    今年の待受はポール・ブリッツさんからアイデアをいただき、
    「スーパーカー」と「エジプト風の柄」をコンセプトに制作することとなりました。

    と言うわけで、初回となる1月は国産のスーパーカーから。
    背景についても、これまで使用してきたパターン柄を一新。
    エジプト模様を参照に、新たに描いていきます。



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    双月千年世界シリーズ 第一次大修正;完了報告

    更新報告

    シュウ
    「今回も『大修正』の進捗状況を説明しますー」
    パラ
    「報告および解説はわたくしが」
    シュウ
    「そして説明はわたしが行いますー」
    シュウパラ
    「よろしくお願いします」

    シュウ
    「さて、前回(12月18日)時点での進捗率は97.81%でした」
    パラ
    「そして今回、ようやくの完了となりました」
    シュウ
    「コレが最後の更新報告ですっ」



    シュウ
    「進捗率、……は言うまでもありませんね」
    パラ
    「めでたく100.00%に到達いたしました」
    シュウ
    「続いて修正箇所」
    パラ
    「以下の点を修正しております。
    蒼天剣・曙光録 1~3 : 全体の文章を修正しました。
    蒼天剣・回帰録 3,6 : 一部の文章を修正しました。
    蒼天剣・回帰録 5 : 全体の文章を修正しました。

    また今回、以下のサブタイトルを修正しております。
    蒼天剣・回帰録 5 : 「晴奈の話、第4.1話。」→「はじまりの、そのあと。」
    シュウ
    「最初の更新報告から10ヶ月、ほんっとーに、ながーい道のりでした」
    パラ
    「皆様お付き合いいただき、誠にありがとうございました」



    パラ
    「次回の更新報告は、……え?」
    シュウ
    (ちょ、ちょっと黄輪さん? 今日が終わりでしょ?
    ……え? 『火紅狐』の? ……やるつもりなんですか?
    今パラさん、一瞬ですけどものっすごくげんなりした顔しましたよ?
    本編じゃ絶対見せられない顔してましたよー!?)
    パラ
    (わ、わたくしのことは置いておいてください。
    ……はあ、……なるほど、……そうですか)
    シュウ
    (あービックリした。このまんま続行するのかと思いました)
    パラ
    (流石の氏も、愚行と考えたのでしょうね)

    シュウ
    「え、えーと、コホン。
    『火紅狐』の更新についてなんですが、来年すぐに、とかではなく、
    『琥珀暁』第3部まで進行後、および『DW』が8話まで完成した頃に再開したいとのコトです」
    パラ
    「しかし現状、『琥珀暁』はまだ第2部執筆中であり、『DW』も7話を執筆中の状態です。
    いつになることでしょうか」
    シュウ
    「……つまりこう言うコトですよ。『しばらくやりたくない』」
    パラ
    「然り、ですね」

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    双月千年世界シリーズ 第一次大修正;12月18日までの進捗状況

    更新報告

    シュウ
    「今回も『大修正』の進捗状況を説明しますー」
    パラ
    「報告および解説はわたくしが」
    シュウ
    「そして説明はわたしが行いますー」
    シュウパラ
    「よろしくお願いします」

    シュウ
    「さて、前回(12月11日)時点での進捗率は95.79%でした」
    パラ
    「残り4.21%となりました。ここで報告に移ります前に、連絡が一点ございます」
    シュウ
    「更新報告、次回で終わります。いやー、長かったですねー」



    シュウ
    「まずは進捗率をお願いしますー」
    パラ
    「かしこまりました。
    18日時点での進捗率は、97.81%です」
    シュウ
    「もう終了も目前です!」



    シュウ
    「続いて修正箇所」
    パラ
    「以下の点を修正しております。
    蒼天剣・獄下録 1~3,7~10 : 全体の文章を修正しました。
    蒼天剣・獄下録 11 : 「魔方陣」となっていた箇所を「魔法陣」に修正しました。

    また今回、サブタイトルの修正はございません」
    シュウ
    「今回は1節だけでしたが、なんと12話。通常の2節分のボリュームでした」
    パラ
    「『蒼天剣』最後の長丁場であり、修正も時間がかかった模様です」
    シュウ
    「そして残すは2,19%、13話。いつものペースなら、もう次回で確実に終了のはずっ」

    パラ
    「次回の更新報告は12月25日の予定です」
    シュウ
    「頑張れそうならその前に、待受も掲載したいとのコト」

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    双月千年世界シリーズ 第一次大修正;12月11日までの進捗状況

    更新報告

    シュウ
    「今回も『大修正』の進捗状況を説明しますー」
    パラ
    「報告および解説はわたくしが」
    シュウ
    「そして説明はわたしが行いますー」
    シュウパラ
    「よろしくお願いします」

    シュウ
    「さて、前回(12月4日)時点での進捗率は92.76%でした」
    パラ
    「残り7.24%となり、終了も目前となってまいりました」
    シュウ
    「あと2回か3回、ですかね? ソレでは今回の報告、行きましょー」



    シュウ
    「まずは進捗率をお願いしますー」
    パラ
    「かしこまりました。
    11日時点での進捗率は、95.79%です」
    シュウ
    「残り5%を切りましたー!」



    シュウ
    「続いて修正箇所」
    パラ
    「以下の点を修正しております。
    蒼天剣・氷景録 1 : 行頭禁則に抵触していた部分を修正しました。
    蒼天剣・氷景録 2~4 : 全体の文章を修正しました。
    蒼天剣・氷景録 5,6 : 一部の文章を修正しました。
    蒼天剣・晴海録 2~4 : 一部の文章を修正しました。
    蒼天剣・晴海録 5,7,11 : 行頭禁則に抵触していた部分を修正しました。

    また今回、サブタイトルの修正はございません」
    シュウ
    「今回は前回と打って変わって、結構な修正があったみたいです」
    パラ
    「後述の原因も相まって、更新が落ち込んだ模様です」
    シュウ
    「残り4.21%ですが、進捗残りはどうでしょう?」
    パラ
    「残り25話、年末までは20日間。
    先週時点でお伝えした一日に必要な進捗速度は、
    1.25話、0.21%ずつに改善されております」
    シュウ
    「ドンドンペースが上がってますねー。
    本当に調子が良かったら、次回で終わるかも?」

    パラ
    「次回の更新報告は12月18日の予定です」
    シュウ
    「首尾よく行けば、その翌日は携帯待受を掲載する予定です」

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    双月千年世界シリーズ 第一次大修正;12月4日までの進捗状況

    更新報告

    シュウ
    「今回も『大修正』の進捗状況を説明しますー」
    パラ
    「報告および解説はわたくしが」
    シュウ
    「そして説明はわたしが行いますー」
    シュウパラ
    「よろしくお願いします」

    シュウ
    「さて、前回(11月27日)時点での進捗率は90.24%でした」
    パラ
    「『蒼天剣』の更新も90%を超え、年内終了が現実的になってまいりました」
    シュウ
    「今回はドコまで進めたんでしょうか? 報告、行ってみましょー」



    シュウ
    「まずは進捗率をお願いしますー」
    パラ
    「かしこまりました。
    4日時点での進捗率は、92.76%です」
    シュウ
    「伸び率2.5%。詳しい計算は後でパラさんにお願いしますが、何だか行けそうな感じが出てますねー」



    シュウ
    「続いて修正箇所」
    パラ
    「以下の点を修正しております。
    蒼天剣・帰北録 1 : 一部の文章を修正しました。
    蒼天剣・傷心録 2,5 : 一部の文章を修正しました。

    また今回、サブタイトルの修正はございません」
    シュウ
    「今回は修正箇所がずいぶん少ないみたいですね」
    パラ
    「『蒼天剣』の連載も最終盤の頃ですから、それだけ文章力が上がっていると言うことでしょう」
    シュウ
    「かもですね。
    そして残り7.24%となりましたが、進捗残りはどんな具合でしょうか?」
    パラ
    「残り43話、年末までは27日間。
    先週時点でお伝えした一日に必要な進捗速度は、
    1.59話、0.27%ずつに改善されております」
    シュウ
    「ペースが上がってきてるってコトですね。
    この調子でドンドン進められれば……」

    パラ
    「次回の更新報告は12月11日の予定です」
    シュウ
    「ココでちょっと残念なお話です。
    12月は黄輪さんがめっちゃくちゃ忙しいらしく、更新報告するのが精一杯だそうです。
    休みが週に1日しかないんだそうで」
    パラ
    「『余力があれば何か掲載』と云々しておりましたが、極めて楽観的かつ希望的な発言と思われます」
    シュウ
    「期待はしないで下さい……」

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    習作;アイロンビーズの型絵(電車)

    雑記

    数ヶ月ほど前、母から「電車が大好きな孫(僕にとっては甥)がアイロンビーズをやっているので、
    型を作ってくれないか」と依頼がありました。
    ご周知の通り、僕はドット絵師でもあるので、そう言う依頼は大歓迎。

    で、作ってみたのがこちら。


    まずは、近所をよく通っている103系。
    (鉄道関係に詳しい人なら、これだけで僕の住所がある程度把握できるかも知れません。
    恐ろしい時代ですね)


    続いて母からのリクエスト、江ノ電300系。


    そして甥のお母さん(つまり僕の姉)からはE235系をリクエストされました。



    もし、他にアイロンビーズの型絵が欲しいという方がいらっしゃれば、お気軽にリクエストして下さい。
    余裕があればお応えします。

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    双月千年世界シリーズ 第一次大修正;11月27日までの進捗状況

    更新報告

    シュウ
    「今回も『大修正』の進捗状況を説明しますー」
    パラ
    「報告および解説はわたくしが」
    シュウ
    「そして説明はわたしが行いますー」
    シュウパラ
    「よろしくお願いします」

    シュウ
    「さて、前回(11月20日)時点での進捗率は88.22%でした」
    パラ
    「『蒼天剣』の更新も大部分が終わり、残すは第9部のみとなりました」
    シュウ
    「果たして今年中に終了できるんでしょうか? ソレでは報告、行きましょー」



    シュウ
    「まずは進捗率をお願いしますー」
    パラ
    「かしこまりました。
    27日時点での進捗率は、90.24%です」
    シュウ
    「9割も超え、本当に終わりも近い感じですね……」



    シュウ
    「続いて修正箇所」
    パラ
    「以下の点を修正しております。
    蒼天剣・孤王録 2,4 : 全体の文章を修正しました。
    蒼天剣・無頼録 1 : 「魔方陣」となっていた箇所を「魔法陣」と修正しました。
    蒼天剣・無頼録 2,3,7 : 全体の文章を修正しました。

    また今回、サブタイトルの修正はございません」
    シュウ
    「残り9.76%となりましたが、進捗のスピードとしては今んトコ、どうなんでしょ?」
    パラ
    「残り58話、年末までは34日間。
    先週時点でお伝えした一日に必要な進捗速度は、
    依然として1.71話、0.29%ずつのままです」
    シュウ
    「……ってコトは、今回は予定通りに進んだってコトなんですね。
    でももうちょっと余裕、欲しいですね」

    シュウ
    「次回の掲載は30日の予定です」
    パラ
    「また、次回の更新報告は次週、12月4日の予定です」

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    2016年12月携帯待受

    携帯待受

    MITSUBISHI MINICAB(DS16T)

    MITSUBISHI MINICAB(DS16T)

    MITSUBISHI MINICAB(DS16T)  MITSUBISHI MINICAB(DS16T)

    2016年12月の壁紙。
    三菱の軽トラック、ミニキャブ。

    今年の待受、軽自動車シリーズの最後はトラックにしようと考えていました。
    「クリスマスプレゼントを運ぶ絵」として。



    そんなわけで、今年の携帯待受もすべて完成しました。
    来年のものも考えなくてはいけないですが、まだアイデアなし。
    なにかしらリクエストがあれば、お応えできるかも知れません。
    と言うより、リクエストして欲しいです。



    次回アンケートは未定です。来年度のアイデアがまとまり次第、アンケートを行う予定です。
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    双月千年世界シリーズ 第一次大修正;11月20日までの進捗状況

    更新報告

    シュウ
    「今回も『大修正』の進捗状況を説明しますー」
    パラ
    「報告および解説はわたくしが」
    シュウ
    「そして説明はわたしが行いますー」
    シュウパラ
    「よろしくお願いします」

    シュウ
    「さて、前回(10月30日)時点での進捗率は81.48%でした」
    パラ
    「『DW6』掲載を挟み、およそ3週間ぶりの更新報告となります」
    シュウ
    「この間、果たして修正は進んだんでしょうか? さっそく報告行きましょー」



    シュウ
    「まずは進捗率をお願いしますー」
    パラ
    「かしこまりました。
    20日時点での進捗率は、88.22%です」
    シュウ
    「7%近く伸びましたー! 更新報告開始以来、最大の伸び率ですね。
    まあ、今年もあと40日ちょいなので、ソレくらい伸びてないと本っ当にまずいんですけど」



    シュウ
    「続いて修正箇所」
    パラ
    「以下の点を修正しております。
    蒼天剣・狐騒録 1 : 行頭禁則に抵触していた部分を修正しました。
    蒼天剣・狐騒録 1,2,5 : 「魔方陣」となっていた箇所を「魔法陣」と修正しました。
    蒼天剣・騒心録 2 : 行頭禁則に抵触していた部分を修正しました。
    蒼天剣・狐狩録 1 : 一部の文章を修正しました。
    蒼天剣・狐狩録 2~4 : 全体の文章を修正しました。
    蒼天剣・鈴林録 1 : 「魔方陣」となっていた箇所を「魔法陣」と修正しました。
    蒼天剣・鈴林録 2,3 : 一部の文章を修正しました。
    蒼天剣・共振録 1 : 行頭禁則に抵触していた部分を修正しました。

    また今回、以下のサブタイトルを変更しております。
    蒼天剣・狐狩録 1 : 「狐狩りか、狐狩られか。」→「狐を狩るのか、狩られるか。」
    蒼天剣・調伏録 4 : 「魔方陣の「核」。」→「魔法陣の「核」。」

    シュウ
    「第8部、終了っ。残るは第9部のみとなりました」
    パラ
    「第9部は全70話となり、これは『蒼天剣』全594話のうち、11.78%に相当します。
    年末までの41日間に完了させるとするのであれば、
    一日辺り1.71話、0.29%ずつの進捗が必要となります」
    シュウ
    「1週間辺り12話くらい、……大体2節か3節分ってトコですね。
    やっぱりギリギリ……」

    シュウ
    「次回の掲載は23日、もしくは24日の予定です。
    今年最後の携帯待受です」
    パラ
    「また、次回の更新報告は次週、11月27日の予定です」
    シュウ
    「待受素材、今回もカラーリングについてアンケートを実施しています。
    こちらから参加できます」
    パラ
    「期間は3日後、11月23日の18時半までとなっております」
    シュウパラ
    「奮ってご参加下さい」

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 16

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第16話。
    局長の懸念。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    16.
     アデルたちがフランコビル南でスティルマン議員を拘束してから、10日後――。
    「クインシー君から報告が来たよ。スティルマン議員は無事、司法当局に引き渡されたそうだ」
    「そうですか、良かった」
     出張から戻って来たパディントン局長から顛末を聞かされ、アデルは笑顔を作って応じた。
    「これでまた、捜査局とうちとのパイプが太くなるってわけですね」
    「うむ、そうだな。イタリア君にとっても、探偵と言うものの実情をしっかり見る、いい機会になっただろう。
     そうそう毎回毎回、銃撃戦やら大捕物やらに巻き込まれる稼業だと思ってもらっては困るからな」
    「ええ、そうですね」
    「……ネイサン」
     と、局長がとん、とアデルの肩に手を置く。
    「君は何か、私に隠していることがあるんじゃあないか?」
    「い、……え、何も」
     アデルはどうにか平静を装い、局長にそう返した。
    「そうか。……ふむ、イタリア君が言っていたことと違うな」
    「えっ!?」
     局長の言葉に、アデルの平静はいとも簡単に崩れる。
    「いや、そのっ、局長にはご心配をかけまいと考えてですね」「ほう」
     途端に、局長はニヤッと笑った。
    「やはり何か隠している、と言うことだね?」
    「……あっ」
     局長にカマをかけられたことに気付き、アデルはがっくりと、その場にへたり込んだ。

     アデルからF資金にまつわる「調査結果」を聞き、局長はうなった。
    「ふーむ……」
    「あ、あの、局長。その……」
     弁解しかけたアデルに、局長は再度、ニヤッと笑って返す。
    「君がこっそり宝探しをしていたと言うことに関しては、不問にしておいてやろう。発見したものを独り占めしたと言うのならともかく、何も手に入らなかったと言うことであればね。骨折り損した君にわざわざ追い打ちをかけるのは、私の趣味じゃあ無い。
     私が気にしているのは、エミル嬢の反応だ。一体その日記の何が『あの』彼女を、そうまで心身寒からしめたのか? それが気になるんだ」
     局長はアデルが持って帰ってきていた日記を手に取り、ぺらぺらとページをめくる。
    「日記の登場人物は、書いた本人のセオドア・S・スティルマン。彼の先生であったフィッシャー氏。そしてヴェルヌなる武器密売人と、地下組織を率いるシャタリーヌ、か。
     ネイサン、以前にも別の事件――リゴーニ地下工場摘発の際に、エミル嬢が『シャタリーヌ』と呼ばれていたと聞いた覚えがあるが、間違い無いかね?」
    「あっ、……そうか、そう言えば聞き覚えがあるなー、と思ってました」
     間の抜けた回答をしたアデルに、局長はやれやれと言いたげに、肩をすくめて見せた。
    「君は自分が扱った事件を覚えていないのかね? まあいい、とにかくそのシャタリーヌと言う人物とエミル嬢には、何らかの接点があると見て間違い無いだろう。
     ここからの話は秘密にしておいてほしいのだが、ネイサン。私は密かに、そのシャタリーヌなる人物について調査してみようと思う。
     今のところ、エミル嬢は自分が抱えている秘密を打ち明ける勇気が無さそうだ。だから我々が知れる範囲まで調べ上げ、彼女が打ち明けやすくできる状況を作ってやろうと思う。
     彼女にとって、その秘密は彼女自身を苦しめ続ける根源でしか無いと、私にはそう思えてならないからね」
    「分かりました。エミルにはその件、隠しておきます」
    「頼んだよ、アデル。
     くれぐれもカマをかけられて、引っかかったりはしないように」
    「……承知してます」



     局長のオフィスを後にし、廊下に出たところで、アデルはエミルとすれ違った。
    「あ、エミル」
    「……なに?」
     いつものように冷たい態度を見せるエミルに、アデルは優しく、そして明るい声でこう切り出した。
    「グレースからいい情報を仕入れたんだ。近所にうまいコーヒーショップができたってさ」
    「それが?」
    「一緒に飲みに行こうって話だよ。パンケーキも出るらしいんだけどさ、うまいらしいぜ?
     な、俺がおごってやるからさ、一緒にどうよ?」
    「……」
     エミルはそのまま背を向け、歩き去る。
     が――去り際に、いつものように淡々とした、しかしどこか嬉しそうな声で、こう返してきた。
    「明日、あんたもあたしも休みでしょ? 朝10時、このビルの前でね」
    「……おう」
     エミルがその場から消えた後、アデルは自分がいつの間にかヘラヘラと、締まりの無い笑みを浮かべていたことに気付き、慌てて表情を引き締めた。

    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ THE END

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 15

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第15話。
    誰にも語られなかった懺悔。

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    15.
    「Thursday,12.27.1860.
     先生は北部連中の言動を受け、大層お怒りになっていた。そして私に大量の資金と兵士、さらには武器を集めるよう指示された。大変な役目を負わされたものだ。
     恐ろしくてたまらない。もし万が一、司法当局や政府権力が私を拘束した際、少しでもその責を逃れるために、日記を分けて書いておくことにする。

     Friday,1.11.1861.
     先生から密かに教えられたコネを使い、ヴェルヌなる男に接触する。
     聞けば非合法の武器ブローカーであるとか。彼に注文すれば、ミニエー銃だろうとナポレオン砲だろうと、何でも欲しいだけ揃えてくれると言う。
     これで武器調達に関してはどうにかなりそうだ。後は資金と兵士だ。

     Monday,1.14.1861.
     資金の方も目処が着きそうだ。
     先生を支持している会社や団体から、合計30万ドルにも及ぶ資金を調達できた。幸運なことに、昨日の講演会にて他にも多数、先生の主張に賛同して下さる方を獲得できたため、より多くの資金を確保できるだろう。
     早速、ヴェルヌ氏に注文の手紙を送る。

     Tuesday,1.22.1861.
     資金に続き、兵隊に関しても確保できた。
     これもまた、先生の持っていた非合法ルートでの話となったが、シャタリーヌと言う男と会い、話ができた。
     あまり詳しくは話せなかったが(いや、恐ろしくて聞くことができなかったのだ)、どうやら彼は合衆国に対する地下組織を結成しているものの、武器と資金の不足に悩んでいるようだった。
     つまり私が集めてきた資金と、それを使って購入した武器を彼の組織に貸与し、その代わりに、彼の組織に合衆国で暴れてもらう。そう言う形で取引がまとまった。
     だが、嫌な予感が残る。あのシャタリーヌと言う男が、どうにも信用し切れないのだ。先生の紹介だから取引に応じたものの、人をぬらぬらと舐め回すようなあの目を思い出す度、全身に怖気が走るのだ。

     Saturday,2.2.1861.
     完全にはめられた! ヴェルヌとシャタリーヌはつながっていたのだ。
     かき集めた資金110万ドルは消えた。武器も届かない。300人は来ると言っていた兵士も、一人も私の前に現れなかった。
     これを知った先生は憤慨し、先程倒れられてしまった。医師の話では、今夜が峠だと言う。
     何と言うことだ! まさか「だまされて110万ドルを失いました」などと、支援者に弁解できるはずも無い。
     これで私の政治生命は終わりだ。それどころか、今世紀最大の横領犯として投獄されることになるだろう。

     ふと思ったが、もしも先生がこのまま亡くなったとしたら、一体どうなるだろうか?
     110万ドルが消えたことも、取引のことも、そのすべてを知っているのは私一人になるではないか。
     となれば「私は何も知らなかった」、「先生の裁量で110万がどこかに運用されたのだ」と言い張れば、事情を知らぬ皆が私を責めようはずも無い。
     そもそも先生には、これまで散々と、ひどい思いをさせられてきたのだ。この際、先生に罪をなすりつけて

     いや、そんなことは許されない。

     しかし、私の手には余る。やはり

     駄目だ!

     だが、

     やはり

     ああ、どうすればいいのだろうか。運を天に任せるしか無いのか。
     もしも本当に今夜、先生が亡くなるのならば、それは神が私ではなく、先生に対して罰を下したのだと考えよう。私はこの件を誰にも語らず、闇に葬ることにする。
     だがもし、神が先生を生かそうとされたのならば、罪は私にあるのだと考えよう。もしそうなれば、私は正直にすべてを話し、罪を悔いることにしよう」



     読み終えたところで、スティルマン議員は元々血色の悪い顔を、さらに青ざめさせていた。
    「何と言うことだ……! 伯父がそんな、下劣なことを……!」
     そしてもう一人――エミルもまた、真っ青な顔で立ちすくんでいた。
    「……」
     すべてが凍りついたような状況の中、アデルはどうしていいか分からず、日記を握りしめることしかできなかった。

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 14

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第14話。
    内戦前夜の空白。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    14.
     スティルマン議員をワシントンへ護送する前に、アデルたちはサンクリストへ寄り道していた。
    「このままじゃ気になって仕方無いし、F資金についての手がかりだけでもつかんでおきたいんだ。
     協力してもらうぜ、議員先生。……ただし、このことは内緒にしてくれ」
    「それは司法取引かね?」
     憮然とした顔で尋ねたスティルマン議員に、アデルはニヤ、と笑う。
    「俺にその権限は無いが、便宜は図るよう頼む。……こいつが」
     そう言って、アデルはサムの肩をポン、と叩いた。
    「えっ!? ……そ、そんな無茶な!」
    「頼むよ、サム。ほら、事情聴取の時にでもさ、『カネの一部を教会に寄進して懺悔してた』とか、『ショーウインドウ覗き込んでた子供にプレゼント買ってやった』とかさ、適当にハートフルな美談付け加えりゃさ、心象も良くなるだろ?」
    「ぼ、僕にウソをつけと? いっ、嫌ですよ!」
     流石のサムも、こんな荒唐無稽な頼み事は受け付けられないらしく、頑なな態度を執っている。
    「ウソじゃなきゃいいんでしょ?」
     と、エミルがスティルマン議員のかばんから何百ドルか取り出し、駅に備え付けられてある募金箱に、ぐしゃぐしゃと突っ込んだ。
    「ちょ、エミル!? ……お前もお前で滅茶苦茶だな」
    「どうせ持って帰ったって、お役人が何だかんだ理屈をつけて、国庫に放り込むだけでしょ? それならこっちの方がまだ、有効活用ってもんよ。
     それにもう、捜査の方は終わってるんだから、さっさとやることやって帰りたいし。ここでうだうだ言い争いなんかして、時間を潰したくないのよ、あたしは。
     さ、行きましょ」
     エミルに促され、一行はスティルマン邸へと向かった。

     スティルマン議員が逃走資金確保のために立ち寄った際に使用人をすべて解雇したため、屋敷内に人の姿は無い。
     無人となった屋敷に入り、スティルマン議員がうんざりとした顔で尋ねる。
    「それで、何を調べようと言うのかね?」
    「議員先生、この屋敷はあんたの伯父も住んでたことがあるんだよな?」
    「うむ。と言っても61年以降、彼が政治家になってからは一度も帰ってきたことは無いがね」
    「なってからは、か。じゃあその直前までは、ここにいたわけだ。
     サム、確かショーンの方のスティルマン氏は、57年からフィッシャー氏と関係があったって言ってたよな?」
    「あ、はい」
    「なら、その間に付けた日記なんかがあるかも知れん。それを探そう」
     一行はショーン氏の使っていた部屋へ入り、机や本棚を念入りに調べる。程無くして、1857年から1861年に書かれた日記を3冊、見付け出した。
     ところが――。
    「……それらしいことは何にも書いてないな。フィッシャー氏とどこに行ったとか、弟から借金の相談を受けたとか、そんなことばっかりだ」
    「言ったろう? そんな話は聞いたことが無いと」
     落胆するアデルに、スティルマン議員が呆れた目を向ける。
    「最初から、そんなものはどこにも無かったのだ。大方、当時権勢を振るっていたフィッシャー氏に嫉妬していた連中が流したデマなのだろう。
     大体、F資金などと言う与太話を真に受けて人を追い回し、こんなろくでもない家探しにまで及ぶなど、分別ある紳士がすべきことでは無いだろう。ああ、嘆かわしい」
    「くそ……」
     追っていた相手になじられ、アデルは憮然とする。
     と――日記を読んでいたエミルが、声をかけてくる。
    「アデル。ちょっと見てちょうだい」
    「なんだよ?」
    「ほら、このページ。1860年の12月終わりから61年の2月はじめまで、いきなり日にちが飛んでる」
    「ん? その辺りって確か……」
    「南部地域が合衆国から脱退し、連合国を宣言した辺りですね」
    「だよな」
     サムの注釈を受けつつ、アデルは日記を手に取る。
    「フィッシャー氏はT州有数の権力者だったし、この頃も恐らく、忙しくしてただろう。『弟子』のショーン氏も随伴してただろうし、同じく忙しかったはずだ。……となればまあ、日記が満足に書けなかったんだろうとは、考えられなくも無い。
     だがその後、唐突に日記が再開され、そのまま何事も無かったかのように続けられている。まるでこの2ヶ月の空白をごまかしているような……」
    「考えすぎだ!」
     呆れ返るスティルマン議員をよそに、アデルはもう一度、机に目を向ける。
    「この日記は、机の中にあったんだっけか」
    「ええ、真ん中の引き出しよ」
    「ふむ」
     アデルは引き出しを抜き取って引っくり返し、底面を軽く叩いてみる。
    「やっぱり二重底か。ここを……こうして……こうすれば……よし、開いた」
     中から出てきたもう一冊の日記を手に取り、アデルはページをめくった。

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 13

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第13話。
    食い違い。

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    13.
    「君たちは?」
     尋ねてきた相手に、アデルが先頭に立って答える。
    「俺たち3人はパディントン探偵局の者だ。こっちの1人は、連邦特務捜査局の人間だけどな」
    「ふむ」
     相手は煙草をくわえたまま、ゆっくりと馬を歩かせ、近付いて来る。
    「つまり、私を逮捕しようと?」
    「話が早くて助かるぜ、セオドア・スティルマン上院議員殿」
     アデルは馬を止め、腰に提げていたライフルを構える。
    「そこで止まってもらっていいか?」
    「承知した」
     アデルに言われた通りに、スティルマン議員は馬を止め、地面に降りる。
    「何故私がここに来ると分かったのかね?」
    「単純な話だ。十中八九、あんたはメキシコに行くって読んでたからな。そこへ向かうルートで待ち構えてりゃ、あんたの方からやって来る。
     それに人目に付くサンクリストやフランコビルを離れ、人っ子一人見当たらないこの荒野まで来れば、流石にあんたの警戒も緩む。そうだろ?」
    「なるほど、理に適っている。見付かるべくして見付かってしまった、と言うわけか」
     スティルマン議員は煙草を捨て、両手を挙げた。
    「次は? 手を頭の後ろで組んで、うつ伏せになった方がいいかね?」
    「いや、そこまでしなくていい。手は縛らせてもらうが」
    「痛くないように頼む。長年書類にサインばかりしていたせいか、手首が腱鞘炎気味でね」
     何の抵抗もせず、淡々と従うスティルマン議員に、アデルは疑い深く尋ねる。
    「まさか、あきらめたのか? カネ持って高飛びしようってつもりだったんだろ?」
    「そのつもりだったが、捕まったと言うならば仕方が無い。荒事は苦手でね」
    「仕事がすぐ済んで助かるけどな、こっちは。
     さて、と。拘束したし、仕事の方はもう終わったも同然だ。そこで議員先生、あんたに聞きたいことが一つあるんだが」
    「何かね?」
     アデルも馬を降り、ライフルを構えたまま、もう一つの目的について話を切り出した。
    「F資金のことだ」
    「えふしきん? 何だね、それは」
    「あんたがヘクター・フィッシャー氏から南北戦争の勃発直前に受け継いだ、巨額の資金のことだ。
     知らないとは言わせないぜ、議員先生?」
    「……」
     スティルマン議員は首をひねり、こう返す。
    「そうまで大仰に見栄を切ってもらって大変申し訳無いのだが、……見当が付かない」
    「う、ウソつくんじゃねえ!」
     ロバートが馬上から怒鳴るが、スティルマン議員は肩をすくめるばかりである。
    「ウソではなく、本当に何のことだか分からない。
     そもそもフィッシャーと言う人物すら、私は聞いたことが無いのだが」
    「え?」
     スティルマン議員の言葉に、サムが目を丸くする。
    「せ、1861年に、あなたが彼から政治基盤を受け継いだと、あの、資料には……」
    「うん? ……ああ、なるほど。概ね事情が分かった。
     君たちは大きな勘違いをしているようだし、その資料とやらも、修正することをお勧めする」
     スティルマン議員は大きくため息をつき、こう続けた。
    「確かに私はさる人物から政治基盤を受け継ぎ、政治家となった。
     ただしそれは1861年ではなく、1871年だ。そもそも受け継いだのはフィッシャー氏からではなく、そのフィッシャー氏から受け継いだであろう人物、即ち私の伯父であるセオドア・ショーン・スティルマンからだ。
     ちなみに私の名前は、セオドア・パーシー・スティルマンだ。名前のせいで、よく伯父と間違われたよ。今もそうだがね」

     ともかくアデルたちは、スティルマン議員をフランコビルまで連れ戻し、詳しい事情を――汚職事件の方である――尋ねることにした。
    「動機? 単純にカネを必要としていたからだ。
     実は大統領の座を狙っていてね、出来る限り資金が欲しかったんだ。既にN準州の件などで実績は十分に挙げていたし、後は実弾をバラ撒いて党や財界の支持を得て……、と言うつもりだったんだが、残念ながら反対勢力に嗅ぎつけられたらしい。新聞社や司法当局にリークされて、こうして逃げ回る羽目になってしまった。
     正直、ここ数日は逃げることも嫌になってきていたんだ。だから君たちに、穏便に捕まえてもらって、感謝しているくらいだ」
    「そりゃどうも」
     アデルはぶっきらぼうに礼を述べつつ、もう一つの件についても再度、スティルマン議員に尋ねた。
    「で、さっきの話の続きなんだが、つまりもしF資金を受け継いだとするなら、あんたじゃなく伯父さんの方なんだな?」
    「恐らくそうだろう。少なくとも私は、伯父からそんな話を聞いたことは、一度も無いがね」

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 12

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第12話。
    カウボーイだった男の哀愁。

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    12.
     アデルたちがフランコビルに着いてから、5日後。
     いかにも神経の細そうな、蒼い顔をした中年の男が、大きなスーツケースを両手にそれぞれ1つずつ提げて、駅から現れた。
    「……」
     神経質じみた仕草で辺りを確かめつつ、男は駅を離れ、そのまま南へと歩いて行く。
     1時間ほどかけ、男は「ダンカン牧場」と看板がかけられた、小さな家の前に着いた。
    「ふう、ふう……、失礼、ボビー・ダンカンさんはいらっしゃるか?」
     トントンとドアをノックし、少ししてその向こうから、陽気そうな男の声が返って来た。
    「ちょっと待ってくれー、すぐ開ける」
     その言葉通りドアが開き、中から赤ら顔の、やはり陽気そうに見える男が現れた。
    「ん? ……おお、テディ! テディじゃねえか!」
    「ん、ん……、ゴホン、ゴホン」
     テディと呼ばれた男は辺りを見回しつつ、空咳をする。
    「その、……あまり、大声を出さないでくれ、ボブ」
    「あ……? どうしたんだ、テディ? 前にも増して顔が真っ青だぞ」
    「血色の良い君がうらやましいよ。……いや、その、……君は最近、新聞を読んだか?」
    「新聞?」
     テディに尋ねられ、ボブはげらげらと笑って返した。
    「おいおい、俺が文字嫌いなの、忘れちまったのか? あんなもん、暖炉の火を点けるのにしか使ったこと無えや」
    「覚えている。だから君のところに来たんだ。『最近の』私の事情を、きっと君は知らないでいてくれているだろうと思って」
    「あん?」
     きょとんとしているボブに、テディはもう一度辺りを見回してから、こう続けた。
    「中に入っていいか? 外では話せないんだ」
    「おう、むさ苦しくて上院議員殿にゃ似合わんところだが、それでもいいなら」
    「助かる」
     家の中に通されるなり、テディは持っていたかばんをテーブルの上に置き、片方を開けた。
    「おいおい、大げさなかばんだなぁ。一体何が入って……」
     笑いかけたボブの顔が、凍ったように固まる。
     開かれたかばんの中には300人のリンカーンが、ぎゅうぎゅう詰めになって眠っていたからだ。
    「お、お、おっ、おい、テディ、な、なんだ、それっ」
    「見ての通り100ドル紙幣が300枚、つまり3万ドルだ。もう一つのかばんにも、同じくらい詰め込んでいる。
     ボブ、詳しいことは一切聞かないと、約束してくれないか?」
    「おっ、おう。い、いいぜ」
     ガタガタと震えつつも、ボブは首を縦に振った。
    「本当に助かる。ありがとう、ボブ。
     馬を1頭買いたいんだが、いくらになる?」
    「馬だって? 競馬にでも出すのか?」
    「いや、私が乗るんだ」
    「お前が?」
     ボブは首にかけていたバンダナで額の汗をごしごしと拭いつつ、呆れた目を向ける。
    「お前が馬に乗ってたのなんて戦争前の、まだハナたれのガキだった頃の話じゃねえか。一体どうし、……あー、いや、聞かん。聞かんぞ」
    「ありがとう。できれば脚が長持ちする馬がいいんだが……」
    「あるぜ。値段は400ドルってところだ」
    「そうか。かなりの距離を歩かせるから、食糧も用意して欲しいんだ。人と馬、両方の」
     そう頼んできたテディに、ボブは神妙な顔を返した。
    「テディ。お前まさか、メキシコにでも高飛びするのか? そのカネ、ヤバいヤツなのか?」
    「……」
     何も答えず、押し黙ったテディを見て、ボブは深くうなずいた。
    「……いや、聞くなって話だったよな。答えなくていい。
     分かった、1週間分でいいか?」
    「ああ、助かる。調達にどれくらいかかる?」
    「2時間もありゃ十分だ。総額、しめて……」
     言いかけたボブに、テディはかばんの中のドル紙幣を乱雑につかみ、そのまま渡そうとした。
    「2000ドルはあるだろう。これで頼む」
    「お、多すぎるって! 500くらいで……」「いや」
     テディは金を無理矢理、ボブに押し付ける。
    「迷惑料も込みだ。恐らくこの後、面倒臭い連中が大勢押しかけて、君に根掘り葉掘り聞いてくるだろうから」
    「……」
     まだ渋るような表情を浮かべていたが、ボブはテディから金を受け取った。

     そして2時間後、確かにボブは、馬と食糧とを調達してきてくれた。
    「本当にありがとう、ボブ。それじゃ、元気で」
    「おう。お前も、元気でな」
    「ああ。……じゃあ」
     テディはひらりと馬に乗り、そのままダンカン牧場を後にした。
    「……」
     牧場からさらに南下し、周囲が見渡す限りの荒野となったところで、テディは懐から煙草を取り出した。
    (……何年ぶり、いや、何十年ぶりだろうか。
     こうして何も無い、誰もいないところでただ一人、静かに煙草を吸うのは)
     ライターで火を点け、口にくわえ、ゆっくりと吸い込む。
    「ふう……」
     テディは吐き出した紫煙が風に飛ばされるのをぼんやりと眺め――その向こうに、馬に乗った人影が4つ、近付いて来ていることに気付いた。

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 11

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第11話。
    偵察。

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    11.
    「あ、俺が出ます」
     ロバートはぐでっと横になったままのアデルに断りを入れ、続いてドアに向かって応じる。
    「姉御っスか?」
    「ええ。一息ついたでしょうし、そろそろ回ってみないかって声かけに来たんだけど、アデルは? 不貞寝してるの?」
    「え? あー、と……」「まさか! んなわけ無いって」
     ロバートが返事を返しかけたところで、アデルが慌てて飛び起き、ドアに張り付く。
    「とりあえず開ける」
    「ええ、お願い」
     アデルがドアの鍵を開け、エミルとサムを部屋に招き入れた。
    「で、どうしたって?」
    「どうって、作戦会議するんでしょ? まさかこのまま、夕食まで寝てるつもりだったの?」
    「え、……あー、まさか。いやさ、俺はてっきり、二人とも……」「『二人とも』? あたしたちが一緒におねんねしてると思ってたの?」
     しどろもどろなアデルの返答に、エミルが呆れた目を向ける。
    「あんた、あたしと組んで結構長いでしょ? あたしの好みも分からないわけ?」
    「え……、あ、いや、……わ、分かるさ、うん、分かる」
    「なら益体も無い邪推なんか、金輪際しないでちょうだい。
     ちゃんとまともな理由があって、あたしはサムと一緒の部屋にしたんだから」
    「あ、……そうなのか。……そっか」
     そうつぶやいたアデルの額を、エミルはやはり呆れた顔をしつつ、ぺちっと叩いた。
    「それで、これからどうするの? 牧場見に行く? それともここで待つ?」
    「後者に一票だな」
     アデルはそう答え、論拠を説明した。
    「来た時にも言ってたが、この町に宿なんてそう多くない。いや、恐らくここだけだろう。となれば議員先生もここを訪ねるはずだ。俺たちはそこを抑えりゃいい。
     ここなら駅の向かいだし、列車がいつ来るか、すぐ分かるしな」
    「あたしは反対ね」
     一方、エミルはこう主張する。
    「70マイル離れてるとは言え隣町だし、こっちにも何かしらのコネクションがあってもおかしくないわ。宿じゃなく、知人の家に泊まるかも知れない。
     それよりも、議員先生が来る前にそれとなく、町のことを調べておいた方がいいと思うけど」
     この意見を受け、アデルが折れた。
    「その点については同意だな。そのコネで、秘密の抜け道でも作られてたら厄介だし」

     一行はエミルの意見に則り、フランコビルをぐるっと見回っていた。
    「資料によれば人口400人弱、町の規模はおよそ直径4~5マイル。主要産業は……」「見りゃ分かるよ。牧場だろ」
     サムの説明を、ロバートが前を指差しながらさえぎる。
    「あ、は、はい。えーと、後は……」
    「町の概要はその辺でいいわ。他には、……そうね、牧場はいくつあるのかしら」
     エミルに尋ねられ、サムはぺらぺらと手帳をめくる。
    「3つあります。1つは前方のマグワイア牧場、他には町の南側に2つ、リーガン牧場とダンカン牧場です。どれも同じくらいの規模ですね」
    「同じくらい、ね。前にある牧場も馬を飼ってるみたいだし、買おうと思えば3ヶ所のどこでも買えそうね。
     ただ、議員さんが馬に乗れるかどうかは疑問だけど」
    「可能性は高いんじゃないでしょうか? 元々、農場主だったそうですし」
    「ああ、そう言ってたわね。じゃあ、その辺りも十分に可能性があるわね」
    「他に馬を調達できそうなところはある?」
    「うーん、……無さそうですね。馬を置いておけるところも、牧場とサルーンくらいです」
    「議員さんがサンクリストから馬で来たとしても、アデルが言った通りサルーンには泊まれないだろうし、そこに馬をつなぐ可能性は、まず無いわね」
     と、エミルとサムで意見交換していたところに、アデルも混じる。
    「となると議員先生、間違い無く牧場に来るだろうな。列車から馬に乗り換えるにしても、サンクリストから馬で来るにしても」
    「そうね。……とは言え3ヶ所をじっと見張るって言うのは、非現実的ね」
    「確かにな。日差しはきついし、見晴らしも良すぎる。俺たちが毎日何時間もじろじろ眺めてちゃ、不自然極まりないぜ。
     もし牧場の人間が議員先生と通じてたら、『こっちを見てる怪しい奴らがいますぜ』ってチクられて、逃げちまうかも知れん」
    「その上、3ヶ所よ。どうにか隠れて監視できる場所をそれぞれの牧場で確保できたとしても、4人じゃどうやったって手が足りないわ」
    「じゃあ、どうするんスか?」
     尋ねたロバートに、アデルが苦い顔を返した。
    「どうすっかなー……。どれか1つにヤマを張るのが効率的、……でもないな。外したら最悪だし」
    「となれば、採る方法は一つね」
     エミルの言葉に、アデルがうなずく。
    「だな」
     一方、ロバートとサムはそろって、ぽかんとした顔をしていた。
    「えっと……?」
    「なんかいい方法があるんスか? 罠でも仕掛けとくとか?」
     そう尋ねたロバートに、アデルが肩をすくめて返す。
    「イタチやウサギを追いかけてんじゃねーんだから、んなことするわけ無いだろ。
     もっと単純な方法だよ」

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 10

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第10話。
    煩悶アデル。

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    10.
    (こんな先輩、初めて見るぜ)
     半月前に出た初任給で早速買った懐中時計で時間を確かめつつ、ロバートはベッドの上で、一言も発さずとぐろを巻いているアデルを眺めていた。
    「先輩、ちょっと寝たらどうっスか? 夕飯まであと3時間ありますし」「……」
     何度か声をかけたが、アデルの耳には入っていないらしく、彼はじっと壁の方を見つめたままである。
    (いや、壁って言うか、多分その向こう――姉御たちが今ナニしてんのかなーって考えてるんだろうなー、これ)
     たまりかねたロバートは、アデルの肩をトントンと叩く。
    「先輩、そんなに気になるんなら、聞き耳立ててみたらどうっスか?」
    「あ?」
     振り返ったアデルの顔には、汗が噴き出していた。恐らく暑さのせいだけではなく、隣が気になって仕方無いのだろう。
    「このまんま後3時間、壁を見つめてるつもりっスか? んなことしてるより、潔くコップ使って様子伺った方が、よっぽどスッキリすると思いますけど」
    「……」
     一瞬、アデルがにらんだが、すぐに壁へと目線を戻し、もう一度ロバートに向き直った。
    「取ってくれ」
    「あ、はい」
     ロバートは素直に、水差しに被さっていたコップを一つ取り、アデルに手渡した。それを受け取るなり、アデルはベッドの上を膝立ちで進み、壁にコップを押し当てて張り付く。
     が――3秒もしないうち、壁からドン、と音が響くとともに、アデルは耳を抑えてベッドの上をのたうち回った。
    「ど、どしたんスか!?」
    「……っ……うぅ……あー……ちっくしょー……エミルの奴」
     まだ耳を抑えたまま、アデルは苦い顔をロバートに向けた。
    「向こうから壁叩いてきやがった。鼓膜が破れるかと思ったぜ、くそ」
    「お見通し、ってわけっスか。流石は姉御っスね」
     どうにか割れずに済んだコップを床から拾い、アデルは水差しからコップへと水を注ぎつつ、ぶつぶつとつぶやいている。
    「だがまあ、これでともかく、エミルとあいつが変なことしてるって可能性は無くなったわけだ。多分俺がコップを壁に押し当てた音を、エミルは聞きつけたんだろう。でなきゃあんなタイミング良く、ポイント良く壁叩いたりできないしな。音が聞けたってことは、何か騒々しいことをやってる最中じゃないってことだし。既に部屋に入ってから30分は経過してるし、それまで特に何かそれっぽいことをしてる様子が無いってことは多分、あと3時間、恐らくこのままだって言う可能性は高いと見て問題無いはず、……いやしかし、俺がこう考えることをエミルが考えないとは考えにくいし、となると俺が諦めて不貞寝するこのタイミングを見計らって、『ねえサムの坊や、もっとレジャーを楽しんでみない』なんて口説き始めるかも知れないし……」
     縁ギリギリまで注いだ水に口を付けようともせず、ぶつぶつ唱えたままのアデルに、ロバートは単刀直入に尋ねた。
    「先輩、姉御のことが好きなんスね?」
    「しかし可能性としては、……ぅひぇ?」
     素っ頓狂な声を上げたアデルを見て、ロバートは噴き出した。
    「俺のことをバカだ、単純だってけなすわりには、先輩も十分おバカでド単純じゃないっスか」
    「て、てめっ」
     顔を真っ赤にするアデルに、ロバートはニヤニヤと笑って返す。
    「案外純情なんスね、先輩」
    「……純情で悪いかよ」
    「全然。むしろ先輩らしいっス」
    「バカにしてんのか?」
    「いやいや、尊敬してるんスよ」
    「どこに尊敬できる要素があんだよ」
    「だって、探偵なんて結局、人の粗探しでメシ食ってるようなもんじゃないスか。そんなこと長く続けてたら、絶対どこかスレてきて、嫌な奴になってきますって。
     でも先輩、全然そーゆーとこ無いなって。そりゃまあ、時々きっついこと言ってくるっスけど、丁寧にモノを教えてくれるし、ちょくちょく飲みに連れてってくれるし、何だかんだ言って正直者だし。
     だから俺、先輩のことは人間として尊敬してるんス、マジで」
    「お前なぁ」
     アデルは水を一息に飲み干し、ロバートに背を向けつつ、こう続ける。
    「人を見る目が甘すぎるぜ。俺だってスレたとこの一つや二つあるっての。
     あんまりさ、人を妄想で脚色したり、期待しすぎたりすんなよ。それ裏切られたら、ただ自爆するだけだからな」
    「へへへ、覚えときます」
    「……ふん」
     アデルがごろんとベッドに寝転んだところで、ドアがノックされた。

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 9

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第9話。
    部屋割り。

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    9.
     ワシントンを発ってから8日後、アデルたち一行は予定通りT州、フランコビルを訪れていた。
    「西部っつーか、南の端まで来ちまったなー」
    「そっスねー。って言うか鉄道自体が端っこ、終着駅っスもんねー」
     並んで立つアデルとロバートは、だらだらと汗を流している。サムも額をハンカチで拭きながら、気温の変化を分析している。
    「流石に緯度10度近くも南下すると、空気が全然違いますね。ワシントンと全然、日差しが違います」
    「い……ど?」
     きょとんとしたロバートを見て、サムが説明しようとする。
    「あ、緯度と言うのはですね、地球上における赤道からの距離を……」「やめとけ、サム」
     が、アデルがそれを止めた。
    「このアホにそんな小難しい説明はするだけ無駄だ。見ろ、このきょとぉんとした顔」
    「……要するに、暑いところに来たってことです」
     噛み砕いた説明をしたサムに、ロバートは憮然とした顔を返した。
    「子供だって知ってるっつの。メキシコの隣だし」
    「その暑い国がなんで暑いか知らねーからアホだって言われんだよ」
    「ちぇー」
     と、エミルが胸元をぱたぱたと扇ぎながら、3人に声をかける。
    「いつまで日差しの真下で駄弁ってるつもり? そのまま続けてたら3人とも、マジで頭悪くなるわよ」
    「ごもっとも。そんじゃ先に、宿を取りに行くか」
    「賛成っスー」

     一行は駅隣のサルーンに入り、マスターに声をかける。
    「ちょっと聞きたいんだが、ここって泊まれるか?」
    「ええ、一泊1ドル10セントです。ただ2階に2部屋しか無いんで、2人ずつになりますが」
     マスターの返答に、4人は顔を見合わせる。
    「まあ、そうよね。ニューヨークやフィラデルフィアならともかく、アメリカの端近くまで来てて、そんなに部屋数のある宿なんて普通無いわよ」
    「まあ、道理だな。だが今、そこを論じたってしょうがない。部屋数が増えるわけじゃないからな。
     今論じるべきは、どう分けるか、だ」
     アデルの言葉に、ロバートが全員の顔をぐるっと見渡す。
    「姉御と先輩、俺とサムって分け方じゃダメなんスか?」
    「え」
     ロバートの案に、サムが目を丸くする。
    「え、……って、普通に考えたらそうなるだろ?」
     けげんな顔をするロバートに、サムはしどろもどろに説明する。
    「あ、でも、エミルさんとアデルさんは、そう言う関係じゃ」
    「いや、それは俺も知ってるって。
     だけど例えばさ、ヒラの俺と姉御じゃ余計おかしいだろ。お前でもそれは同じだし」
    「それは……うーん……そう……ですよね」
     うなずきかけたサムに、アデルがこう提案する。
    「いや、それよか1対3、エミルに1部屋、残りを俺たち、って分けた方が紳士的だろ」
    「あ、……そーっスよね、そっちの方がいいっス、絶対」
     ロバートは素直に納得したが――何故かサムはこの案に対しても、面食らった様子を見せた。
    「えぇぇ!?」
    「おいおい、待てよサム。どこも変じゃ無いだろ、今の案は? 男部屋と女部屋に分けようって話だろうが」
     アデルにそう言われ、サムは目をきょろきょろさせ、もごもごとうなるが、どうやら反論の言葉が出ないらしい。
    「あっ、あの、でも、……その、……そう、ですよね」
    「……」
     しゅんとなり、黙り込んでしまったサムを、エミルはじーっと眺めている。
     その間にロバートが、マスターに声をかけようとした。
    「決まりっスね。んじゃ……」
     と、そこでエミルが口を開き、ロバートをさえぎる。
    「マスター。部屋割りはそっちの赤毛と茶髪で1つ。それからメガネの子とあたしで1つ。よろしくね」
    「……え?」
     エミルの言葉に、アデルたち3人は揃って唖然となる。
    「かしこまりました、ごゆっくりどうぞ。夕食は18時に、1階で出しますので」
    「分かったわ。それじゃ後でね、アデル。それからロバートも」
     その間にマスターが鍵を2つカウンターに置き、エミルは片方の鍵を受け取ると同時にサムの手を引いて、そのまま2階へ行ってしまった。
     残されたアデルは、ロバートと顔を見合わせる。
    「……ちょっと待て」
    「いや、俺に言ったって」
    「え、エミル、ま、まさか、あいつが、あんなのが、タイプなのか? アレがタイプだってことか?」
    「分かんないっスよぉ、俺に言われたって」
    「い、いや、違うよな? ほ、保護欲みたいな、子犬可愛がりたいみたいな、ソレ的なアレだよな? な? なっ? なあっ!?」
    「だから分かんないっスってー……」
     狼狽えるアデルをなだめつつ、ロバートはカウンターに置かれた鍵を受け取り、まだぶつぶつつぶやいている彼を引っ張るようにしつつ、2階へ向かった。

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 8

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第8話。
    二手、三手先を読む。

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    8.
    「え……?」
     思ってもいなかったエミルの返答に、アデルは面食らう。
    「いや、変な話じゃないだろ? 時間差があるから……」「そこじゃ無いわよ、問題は」
     エミルは肩をすくめつつ、こう返した。
    「あんた、火が点いたダイナマイトが目の前に落ちてるのを見付けても、その場でじっと突っ立ってるの?」
    「どう言う意味だよ?」
    「危ないと思ったらすぐ逃げるだろ、って話よ。
     事件発覚が公になるかならないかのタイミングで、まんまとワシントンから逃げおおせた奴が相手よ? そんな相手が本拠地のド真ん中で、『捕まるかも』って危険を冒しておいて、追手の心配をしてないわけが無いじゃない。
     あたしたちがのこのこ本拠地に乗り込んだら、全力で逃げ出すに決まってるわ。相手にとってはるかに地の利がある町から、ね」
    「なるほど……。言われりゃ確かに、その危険は無視できないか。そこで逃げるか隠れるかされれば、見付け出すことは難しくなるだろうな。
     だが本拠地で追わなけりゃ、どこで追うんだ?」
    「これよ」
     エミルは地図を広げ、2つの町を指し示した。
    「ここが議員さんの本拠地である、サンクリスト。
     ここから70マイルほど南にもう一つ、フランコビルって言う町があるの。隣駅でもあり、その路線の終着駅でもある町よ。
     そしてさらに南へ進んでいけば国境、その先はメキシコってわけ」
    「高飛びするには手頃なルートだな。となると馬が必要か、……あー、なるほど」
    「そうですね。そちらを抑える方が、より確実だと思います」
     うなずいているアデルとサムに対し、ロバートはぽかんとしている。
    「どう言うことっスか? その、フランコビルって町で待ち構えるってことっスか?」
    「ああ、そうだ。この町から南の国境まではかなりの距離があるし、馬の手入れや食糧なんかの補給は入念にしなきゃならない。でなきゃ国境を越える前に、地獄の門をくぐる羽目になるからな。
     そしてこの町の近隣百数十マイルにはサンクリスト以外の、他の町は無い。言い換えれば、この町以外に補給ができるところは皆無ってことだ」
    「つまりここで待ち構えてれば……」
     ロバートの言葉に、アデルは大仰にうなずいた。
    「そう、議員先生の方からやって来るはずだ。
     後はきちっと拘束し、しれっとF資金について聞き出す。ミッション終了ってわけだ」

     行動指針がまとまった後は、特に何かを検討するようなことも無く、それぞれが到着までの時間を潰していた。
    「ようやく次の町が見えてきたなー」
    「そうね」
    「今日はどの辺りまで行けるかな」
    「さあ?」
    「お、湖だ。なんだっけ、エリー湖だったか?」
    「そうじゃない?」
     ずっと外の景色を眺めているエミルに、アデルは色々話しかけてみるが、生返事しか返って来ない。
     まともな会話をあきらめたアデルは、今度はサムに話しかける。
    「なあ、サム」
    「え、あっ、はい?」
     手帳に目を通していたサムが、ぎょっとした顔をする。
    「なんだよ、声かけただけだろ」
    「あ、すみません。えーと、何でしょう?」
    「お前さん、いくつって言ってたっけ?」
    「22です」
    「ロバートのいっこ下か。大学も出てるんだよな?」
    「あ、はい。去年、H大のロースクールを」
    「……は?」
     サムの学歴を聞いて、アデルは面食らう。
    「22歳って言ったよな?」
    「はい」
    「去年、ロースクール卒業? H大の?」
    「ええ」
    「すげえな、飛び級してんじゃねえか。
     お前さん、実はものすげえ奴なんだな」
    「いや、そんなことは、全然。人と話すの、苦手ですし」
    「謙遜すんなっつの。なんだよ、超エリートだなぁ。とてもチンピラ上がりの隣に座ってる奴とは思えん」
    「ちょっ……、ひどいっスね先輩」
     サムと比較され、ロバートが口をへの字に曲げた。
    「そーゆー先輩はどうなんスか? どうせやんごとなき大学を主席で卒業とかでしょ?」
    「局長じゃあるまいし。俺はふつーの、名前も聞いたこと無いような大学の出身だよ」
     そう返したアデルに、サムが食いつく。
    「パディントン局長の母校って、どちらなんですか? あの方、イギリス訛りがありますし、やっぱりそちらの……?」
    「らしいぜ。若い頃はイギリス人だったって聞いてるしな」
    「……納得っスねぇ」
     アデルの話にロバートもサムも、うんうんとうなずいていた。

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 7

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第7話。
    議員先生の足取り予測。

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    7.
     司法省ビルでの情報収集を終えたアデルたちは、その日のうちに、T州行きの列車に乗り込んでいた。
    「サム、到着は何日後だ?」
     列車がワシントン郊外に差し掛かった辺りで、アデルがサムに尋ねる。
    「えーと……、8日後の予定です」
     手帳に視線を落としながらサムがそう返したところで、横に座っていたロバートが愕然とした表情を浮かべる。
    「8日後ぉ!? 議員先生が逃げ出してからもう3日、4日経ってるってのに、さらにそんなにかかんのかよ!?」
    「し、仕方ないですよ、ロバートさん。
     で、でもですね、相手だって目的地へ向かうのに同じだけの日数を要しますし、それに加えて、資産を現金化する時間も必要になります。
     それを考えれば、僕たちには若干の余裕があるはずです」
    「現金化? つまり、カネを集めるってことか?」
     サムの説明に、ロバートは首を傾げる。
    「カネ持ちだって話なんだろ、議員先生は? なんでカネを集める必要があるんだ?」
     これを聞いて、アデルが呆れた声を出した。
    「ロバート、お前さんまさか、『カネ持ち』がそのまんま、ドル紙幣をわんさか持ってる奴だって思ってんじゃないだろうな」
    「え? そうでしょ?」
    「アホか。本物のカネ持ちはカネじゃなく、カネを株式やら土地やらの動産・不動産と言った資産にして持ってんだよ。資産にして置いときゃ地代やら配当やらで、さらにカネが入るからな。
     だが今回みたいに、いざ逃げなきゃならんって時にそんなもん持ってても、全然役には立たない。だからカネに戻すってわけだ」
    「あー、なーるほど」
    「は、話を戻しますと」
     サムが恐る恐ると言った口ぶりで、説明を続ける。
    「当然ながら、スティルマン議員がワシントンなど合衆国東部地域で有していた資産に関しては、既に凍結されています。
     ですが彼の本拠地であるT州サンクリストには、まだ相当額の資産が蓄えられていますし、地元で顔が利く分、こちらの現金化は容易なはずです。
     とは言えその総額は、資料によれば10万ドルは下らないとのことですし、完全に現金化するまでには相当の日数を要するでしょう」
    「じゅっ……」
     額を聞いて、ロバートはまた目を丸くした。
    「なんだよ、すげえカネ持ちじゃねえか!? なのになんで、裏金なんかもらおうとしてたんだよ……?」
    「答えは簡単。カネの亡者だからよ」
     窓の外を眺めていたエミルが、話の輪に入る。
    「この世には2種類の人間がいるのよ。生活に困らない程度のおカネが手に入ったらいいやって言うタイプと、おカネはいくらでもほしいってタイプ。
     あたしは前者だけど、隣のアホとか議員さんは後者みたいね」
    「アホって言うなよ……、ったく」
     口をとがらせるアデルをよそに、エミルはサムの説明を継ぐ。
    「ともかく、そう言うタイプだろうから、捜査の手が伸びるギリギリまで現金化を進めるでしょうね。
     サム、その現金化だけど、最短で何日くらいかかるか、算出できる?」
    「えーと……、そうですね、大部分が土地と債券、株式とのことですから、近隣に売却するとして、……とは言え銀行なんかを介した表向きの取引は、買い手側が後々まずいことになるでしょうから断るでしょうし、帳簿や証文の無い裏取引として……でも現金がそこまで町全体にあるか……うーん……」
     サムはぶつぶつとつぶやきながら、大まかな所要時間を返した。
    「恐らくですけど、半分の5万ドルなら一週間くらいでできると思います。ただ、残り半分も現金化しようとしたら、周りの町からかき集める必要が出るでしょうし、一ヶ月以上かかるでしょうね」
    「流石に一ヶ月もじっとしてなんかしやしないわね。じゃあ恐らく、一週間で町を立つでしょうね。
     合計すれば――ワシントンからサンクリストまで8日、半分を現金化するのに7日だから――最低でも半月はかかるってことになるわね」
     これを聞いて、アデルが話をまとめようとした。
    「となると、既に事件発覚から一週間が経過している今、明日か明後日くらいで議員先生は本拠地に到着し、現金化を始めるだろう。
     だが半分カネにするのに一週間。その間に俺たちがサンクリストに到着し、奴さんをとっ捕まえるってわけだな」
     が――エミルはこれを聞いた途端、鼻で笑った。
    「そんなの上手く行くわけないじゃない」

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 6

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第6話。
    二つの事件と二人の政治家。

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    6.
     サムを懐柔したところで、アデルたちは改めて、その「お宝」の情報集めに取り掛かった。
    「で、アデル。情報屋から聞いたお宝の話って、具体的には?」
    「ああ。グレースから聞いたのは、こんな感じだ。
     T州のとある大物政治家が1860年、即ち南北戦争の直前になって、資金を大量にかき集めたんだ。どうやら戦争が起こることを見越して、その時自分が付くであろう陣営、即ち南軍に合流させるべく、私兵団を築くつもりだったらしい。
     しかし翌61年、その企みは失敗に終わる。何故なら首謀者だったその政治家が突然、ぽっくり逝っちまったんだそうだ。
     だもんでそいつが集めさせた資金に関しても、完全に流れが見失われた。資金がどこに回ってどう使われたのか、誰も知らないし、何も分からないままになってるって話だ」
    「つまり、そいつがお宝ってワケっスね」
     ロバートの言葉に、アデルはうんうんとうなずいた。
    「そうだ。巷じゃこいつは『F資金』と呼ばれてる。その大物政治家の頭文字が由来だそうだ。
     ってわけで、まず俺たちが探すのは、Fってイニシャルで、T州を拠点にしていた、61年まで上院議員として活動していた奴だ。
     サムが言ってた通り、この資料室には政治家、それも大物の情報がずらりとファイリングされている。その中でクサい奴がいれば、60年から61年にかけて何やってたか、徹底的に調べるんだ」
    「……えっと」
     と、サムがけげんな顔をする。
    「それ、……さっきスティルマン議員と関係があったって言う、フィッシャー議員のことでは?」
    「あ?」
     サムの意見に、アデルは肩をすくめて返す。
    「おいおい、混同しちゃいけねーよ、サムのお坊ちゃん。アレとコレとは別の話だぜ」
    「で、でも」
     サムが反論しかけたところで、ロバートも賛成票を投じてきた。
    「いや、俺も先輩の話聞いてて、なーんか『っぽい』なーって思ってたっス」
    「……うーん」
     サムとロバートの意見に押され、アデルも渋々うなずく。
    「まあ、じゃあ、まずはフィッシャー議員のとこから洗うか」

     そしてFの棚に収められていた、フィッシャー議員についての資料を確認したところで、アデルも確信せざるを得なくなった。
    「ヘクター・M・フィッシャー。178X年、旧メキシコ領(現合衆国T州)出身。
     同州の合衆国併合の際には両国の間を渡り、併合に一部貢献した実績を持つ。その他にも同州および近隣州の経済発展に尽力し、最盛期は『フィッシャー・トラスト』とまで呼ばれる、巨大な政治資金団体を形成していた、……か。
     なるほど、『F資金』はそれが基ってわけか。もしこの『F』が本当にフィッシャーのFだとするなら、だが」
    「本当だとして、っスよ」
     ロバートが恐る恐ると言った口ぶりで、アデルに尋ねる。
    「このフィッシャー議員の跡を継いだのが、さっきのスティルマン議員っスよね?」
    「ああ」
    「ってことはっスよ、議員先生、『フィッシャー・トラスト』も継いだってことっスか?」
    「……ふむ」
     アデルはもう一度、スティルマン議員についての資料を開き、目を通す。
    「可能性はありそうだな。
     経歴からして尋常じゃない。3X年に生まれて61年に政治家に転身、そして70年代末にはもう、上院議員の座に登り詰めてる。
     ちょっとやそっとカネがあっても、敗戦直後の混迷極めるT州で、30代、40代の若手政治家が上院議員に選出されるなんて、なかなかできることじゃ無い。
     ってことは、ちょっとどころじゃなくカネを持ってたってことだろうな」
    「今回追っかけてるのだって、カネが原因でしょ? ますます怪しいっスよ」
    「確かにな。となりゃ……」
     アデルは持っていたメモにぐりぐりと円を描き、話を締めた。
    「どっちの件を追うにせよ、このスティルマン議員が鍵ってわけだな」

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 5

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第5話。
    仕事と遊びと、宝探しと。

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    5.
     うずくまったままのサムを放っておき、アデルたちは引き続き、資料を確認する。
    「んで、そのフィッシャー議員から政治基盤を受け継ぎ、上院議員にまで出世ってわけか。
     そして今年、汚職が発覚、と」
    「汚職って、そう言やこのおっさん、何やったんスか?」
    尋ねたロバートに、エミルが説明する。
    「簡単に言えば贈賄と背任、横領よ。
     N準州で予定されてる鉄道事業について入札が行われてたんだけど、その裏でスティルマン議員はある鉄道会社から、8000ドルの賄賂をもらったのよ。その見返りに、その会社に最低入札価格を教えるってことでね。
     その上、準州が用意してた鉄道予算の一部も着服しようとしてたって話よ」
    「へぇー」
     感心した声を上げたロバートに、エミルは呆れた目を向ける。
    「あなた、新聞読んでないのね?」
    「え、……いやー、ははは、文字見るのが嫌いなんスよ、俺」
    「この半月で一番ホットな話題よ? 少しくらい、目を通しておいた方がいいわよ」
     エミルに続き、アデルもたしなめる。
    「そうだぜ、ロバート。学が無いオトコはモテねーぞぉ」
    「ん、んなこと無いっスよ! オトコは腕っ節っス!」
     反論するロバートに、アデルは肩をすくめて返す。
    「局長を見てみろよ、たまにご婦人の依頼人が来るが、最初はどんなに憂鬱そうにしていても、局長と話すと途端に顔をほころばせる。
     あの人はユーモアと機知にあふれてるし、何よりどんな話題にも柔軟かつ広範に応じられるからな、どんな相手でも心を開いちまう」
    「流石っスねー」
     ロバートが感心する一方で、エミルはクスクスと笑っている。
    「なんだよ?」
    「だからあなた、おしゃべりなのね。局長みたいになりたくて」
    「……」
     エミルの指摘に、アデルも顔を赤くした。

     と、先に赤面していたサムがようやく立ち直ったらしく、机に戻って来た。
    「え、えーと、それでその、資料はお役に立ったでしょうか?」
    「ん? あ、ああ」
     アデルはぷるぷると首を振り、サムに応じる。
    「そうだな、奴さんが隠れそうなところ、行きそうなところの目星は大方付いた。
     こっちの方は終わりだな」
    「こっち?」
     きょとんとした顔で尋ねたサムに、アデルはニヤニヤ笑いながら、そーっと近付いた。
    「あ、あの?」
     目を白黒させているサムの耳に、アデルはこうささやく。
    「ここからは秘密のお話だ。ここにいる俺たち以外には、他言無用だぜ?」
    「え? え?」
    「いいか、俺はある情報筋から、この資料室にはお宝のありかを示す手がかりがあると言う情報をつかんでいる。実を言えば、議員先生の情報集めなんてのは単なる口実だ」
    「な、何を?」
    「と言うわけで、今からそっちの情報集めを始める。お前さんも手伝え」
    「ま、待って下さい」
     サムはふたたび顔を真っ赤にして、慌ててアデルとの距離を取る。
    「じゃ、じゃあアデルさん、最初からそのつもりで、ここに? スティルマン議員の捜索も、そのために?」
    「いやいや、議員先生の件の方が勿論、重要だ。局長から直々に受けた命令をないがしろにするなんて邪(よこしま)なことは、これっぽっちも考えちゃいないさ。
     だが、例えばサム、お前さんが仕事で西部の方へ行って、仕事を終えて直帰するって時に、駅近くのバーで一杯やろうかと思ったとして、それを咎める奴はいないだろ?
     それと同じさ。本来やるべき仕事をきちっとこなしてりゃ、誰も文句は言わないさ」
    「それは……うーん……でも……」
     困った顔をしているサムに、エミルが声をかける。
    「ま、今回だけは大目に見てあげなさいな。このバカ、言い出したらなかなか聞かないもの」
    「ちぇ、バカはひでーなぁ」
     アデルが口をとがらせるが、エミルは彼に構わず、サムと話を続ける。
    「あなたが清廉潔白なタイプだってことは、見てれば分かるわ。だからこいつのグレーな提案も、そう簡単には受け付けられないってことも十分理解できる。正直あたしだって、バカなこと考えてるわねって思ってるしね。
     だからこれはお宝探し(Treasure)なんて欲張った話じゃなくて、単なるお遊び、レジャー(To leisure)と思えばいいのよ。
     捜査局にだって、週末に備えてデスクで新聞の娯楽欄をニヤニヤしながら眺めてる人、いるでしょ? ここで資料探しするのも、その延長みたいなもんよ。折角遊びに行くんなら観光地の下調べくらい、事前にしときたいじゃない」
    「は、はあ……」
     まだ納得しかねている様子のサムに、エミルはこう付け加えた。
    「それにあなた、仕事から離れてプライベートの時間になったら、どう過ごせばいいか分かんなくなるタイプでしょ? せいぜい家で新聞読むか気になった事件をスクラップするか、頑張って図書館に行って勉強するか、って感じ」
    「そ、それは、まあ、……否定しませんと言うか、できませんと言うか」
    「だから、たまにはあたしたちと一緒に遊びましょ、って話よ。
     ね、それならいいでしょ?」
     エミルの説得に、サムはようやく折れた。
    「……分かりました。それなら、ええ、はい」

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 4

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第4話。
    米連邦司法省ビルにて。

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    4.
    「あ、そ、その、ビアンキさん、よ、よろしく……、お願いします」
     前回共に仕事をしてから4ヶ月ほど経っていたが、やはりサムは以前と変わらず、シャイな様子を見せていた。
    「ロバートでいいぜ。こいつもお前さんと同じヒヨッコだ。仲良くしてやってくれ」
    「何スかそれ、子供扱いして……」
     口をとがらせつつも、ロバートは素直に、サムに右手を差し出す。
    「まあ、よろしくっス」
    「あ、はい」
     サムも恐る恐ると言った様子で右手を伸ばし、握手を交わした。
    「よし、挨拶も済んだところで、だ。
     早速で悪いが、ちょっとばかしお前さんの職場にお邪魔させてもらうぜ」
     そう切り出したアデルに、サムはこくっと短くうなずいた。
    「ええ、伺っています。セオドア・スティルマン議員の消息をたどるため、資料室で彼の身辺情報を……、と言うことでしたね」
    「そうだ。今から一々、巷で情報集めしてたんじゃ、下手すりゃ議員さん、海の向こうに行っちまうか、馴染みの深いだろうメキシコへ柵越えしちまう。
     それよりか、既にある程度の情報持ってるおたくらに知恵を借りた方が、拿捕できる可能性は高くなるからな」
    「ええ、特に国政に関わる人間であれば、一定の身辺調査を行うようにしていますからね。スティルマン議員についてもファイルされているはずです」

     サムを筆頭にして、エミルたち一行は連邦特務捜査局のオフィスがある、司法省ビルの中を進む。
    「てっきり中にいる奴、みんな俺たちに敵意むき出しにしてにらんでくるかと思ってたっスけど……」
     そうつぶやいたロバートに、エミルが苦笑しつつ返す。
    「あくまで捜査局は司法省の一セクションだもの。このビルに勤めてる大部分の人たちはそいつらと無関係だろうし、何とも思って無いわよ」
    「へへ、そっスよねぇ」
     と、アデルがトン、とロバートの肩を叩く。
    「だが、彼は別だろうな」
    「彼?」
     ロバートが聞き返したが、アデルは答えず、前方、廊下の奥から歩いてくる初老の男を、それとなく指し示した。
    「……」
     アデルが言った通り、その男はエミルたちを、胡散臭いものを見るような目で眺めながら近付いて来る。
    「あ、局長。おはようございます」
     サムが立ち止まり、彼に会釈する。
    「……ああ、おはよう、クインシー捜査官」
     一方、相手は立ち止まらず、サムに手を挙げて返し、そのまま通り過ぎる。
     こう言う状況であれば大抵はアデルが突っかかるのだが、この時ばかりは流石の彼も、会釈するだけに留めていた。
    「局長って?」
     ぼそっと尋ねたロバートの頭を、アデルがぺちっと叩く。
    「サムが局長って呼ぶような奴っつったら、連邦特務捜査局の局長だろうが。
     ウィリアム・J・ミラー、司法省でも重鎮の男だ」
    「まあ、はい、そう言うことです。……ちゃんと挨拶してほしかったんですが、ロバートさん」
    「す、すんませんっス」
     ロバートが慌てて振り返るが、ミラー局長の姿は既に、廊下に無かった。

     ともかくアデルたちは資料室へ向かい、所期の目的を果たすことにした。
    「えーと、S……Sの項の……T……I……あ、あった」
     サムが言っていた通り、確かにスティルマン議員についての資料は、すぐに見つけることができた。
    「セオドア・S・スティルマン。183X年、T州出身。
     1855年に父親の事業であったS&S農園を継ぎ、57年に南部の有力政治家だったヘクター・フィッシャー元上院議員と関係を持つ。……関係?」
    「え、関係ってまさかこいつ……」「じゃないです!」
     声を上げかけたロバートを、サムが珍しく大声を出して遮った。
    「4年後の1861年、スティルマン議員はフィッシャー議員から政治基盤を受け継いでいます! 関係を持ったって言うのは、政治活動の関係のことですから! へ、変なこと言わないで下さいよ、ロバートさん!」
     一方、ロバートはニヤニヤと笑みを浮かべてこう返す。
    「……あのー、まだ俺『まさかこいつ』しか言ってないっスよ。一体ナニと思ったんスか?」
    「え、……あっ、あっ、そのっ、いやっ」
     サムは顔を真っ赤にし、その場にうずくまってしまった。

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 3

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第3話。
    欲と義と。

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    3.
    「今回君に任せる件の詳細は、以下の通り。
     先のN準州開発に絡む汚職事件についての追求を逃れ蒸発した代議士、セオドア・スティルマンの捜索、及び拘束だ。
     無論、罪に問われているとは言え、まだ犯罪者と確定したわけでもない男を、我々が勝手に拘束するわけにはいかん。そこで逮捕権を持つ連邦特務捜査局の人間に同行し、名目上は彼に拘束させるようにしてほしい。
    (と言うよりもこの件、捜査局からの依頼なんだ。また人員不足だとか予算が十分じゃあ無いだとか、何だかんだと文句をこぼしていたよ)
     そう、今回もまたあのお坊ちゃん、サミュエル・クインシー捜査官と一緒に仕事してもらう。言うまでもないが、勿論エミルにも同行してもらうこと。
     あと、あの、……イタリア君にも初仕事をさせてやろう。一緒に連れて行くように。

    P.S.
     イタリア君の名前をど忘れした。何となくは覚えているんだが。彼、名前なんだったっけか?」



    「このメモ、局長から?」
     尋ねたエミルに、アデルはこくりとうなずく。
    「ああ。彼は今、別の事件を追っているらしい。だもんで、こうして書面での指示をもらってるってワケだ」
    「……ああ、だから?」
     そう返し、エミルは呆れた目を向ける。
    「局長の目が届かないうちにお宝探しして、ちゃっかり独り占めしようってわけね」
    「いやいや、二人占めさ。俺とお前で」
    「それでも強欲ね。サムとロバートも絡むことになるのに、二人には何も無し?」
    「あいつらには何かしら、俺からボーナスを出すさ。お宝が本当にあったならな」
    「あ、そ。慈悲深いこと」
     エミルにそう返されつつ冷たい目でじろっと眺められ、アデルは顔を背け、やがてぼそっとこうつぶやいた。
    「……分かったよ。4等分だ」
    「5等分にしなさいよ、そう言うのは。
     仕事にかこつけて宝探しするんだから、機会を与えてくれた局長にもきっちり分けるべきじゃないの?」
     エミルの言葉に、アデルは顔をしかめる。
    「エミル、お前ってそんなに博愛主義だったか? いいじゃねーか、局長に内緒でも」
    「一人でカネだの利権だのを独り占めしようなんて意地汚い奴は、結局ひどい目に遭うのよ。
     そりゃあたしだって儲け話は嫌いじゃないけど、出さなくていいバカみたいな欲を出して、ひどい目に遭いたくないもの」
     そう言ってエミルは新聞紙を広げ、アデルに紙面を見せつける。
    「『スティルマン議員 新たに脱税疑惑も浮上』ですってよ?
     独り占めしようとするようなろくでなしは結局悪事がバレて、こうやって追い回されて大損するのよ。
     あんた、こいつに悪事の指南を受けるつもりで捜索するの?」
    「……」
     アデルは憮然としていたが、やがてがっくりと肩を落とし、うなずいた。
    「……ごもっとも過ぎて反論できねーな、くそっ」
    「ま、そんなわけだから」
     そう言って、エミルはアデルの前方、衝立の向こうに声をかけた。
    「もしお宝の分け前があれば、あんたにもちゃんとあげるわよ」
    「どーもっス」
     衝立の陰から「イタリア君」――パディントン探偵局の新人、ロバート・ビアンキが苦笑いしつつ、ひょいと顔を出した。



    「あ、お前? もしかしてずっとそこにいたのか?」
     目を丸くしたアデルに、ロバートは口をとがらせてこう返す。
    「先輩、ひどいじゃないっスか。俺にタダ働きさせようなんて」
    「反省してるって。ちゃんと渡すさ」
    「へいへーい。ま、今回はそれで許してあげるっスよ、へへ」
     ばつが悪そうに答えたアデルに、ロバートはニヤニヤ笑いながら、肩をすくめて返した。

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 2

    DETECTIVE WESTERN

    ウエスタン小説、第2話。
    おたから。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    2.
    「『猛火牛』、だろ?」
     アデルがニヤニヤしながら放ったその言葉に、エミルはけげんな表情を浮かべた。
    「なにそれ?」
    「あれ? 間違えたかな……」
     エミルの反応を受けて、アデルは途端に自信を失う。
    「それがトリスタン・アルジャンの通り名だっつって、情報屋のグレースからそう聞いたんだけどなぁ」
    「ふーん、そうなの?」
     前回、イクトミからその名を聞かされた時のそれとあまりに違う、そっけないエミルの反応に、アデルはまた面食らった。
    「そうなのって、……俺はてっきり、もうちょっと何か、過敏な反応してくるんじゃないかなーって思ったりなんかしてたわけなんだけど」
    「死んだはずの奴が生きてるって知らされたらそりゃ、びっくりするわよ。でも生きてるって分かった今、何聞いたって驚きもしないわね。
     で? 動揺したあたしに畳み掛けて、前歴を聞き出してやろうとでも思ったのかしら、探偵さん?」
    「あ、いや、そう言うわけじゃなくてだな、何て言うか」
     取り繕おうとするアデルに対し、エミルは冷ややかに言い放つ。
    「ごまかしは結構。そして答えはノーよ。
     今は何を聞かれたって、『前々職』については一切答えたくないの」
     エミルの頑なな態度に、アデルはようやく諦める。
    「まあ、じゃあそっちの話はもういいや。また今度にする。
     いや、なんでこんな話切り出して来たかって言うとだな、そのグレースって奴、情報屋なだけあってさ、色々と話を持って来てくれるんだよ。
     近所の美味しいコーヒー屋だとか、来週どこの店でバーゲンするかだとか、そう言う細かいことから、次期大統領選の両党それぞれの有力候補だとか、旧大陸のどこかの王様が死にそうだとか、ピンからキリまで揃えてるんだ」
    「それが?」
    「ま、流石に全部が全部本物、信憑性があるってわけじゃないが、半分くらいは信用できる情報だってことだ。
     んで、その中で一つ、耳寄りな情報をもらったんだ」
     長ったらしい前置きを終え、アデルはメモをエミルに差し出した。
    「何?」
    「南北戦争の開戦前に、T州とその周辺を地盤にしてたある政治家が、その戦争が始まるかもってことで、貯めてた政治資金やら資産やらを、どこかに隠したんだ。なんでも今の価値に換算して、総額50万ドルだとか、100万ドルだとか。
     ま、これだけならよくあるおとぎ話、アホみたいなトレジャーハンターがホイホイ飛びつきそうな、胡散臭い都市伝説でしかない。
     ところがそれを裏付ける資料が、『とある場所』に保管されてるらしいんだ。もしかすればその資料には、隠し場所なんかのヒントがあるかも知れない」
    「とある場所?」
     おうむ返しに尋ねたエミルに、アデルは辺りをきょろ、と伺ってから、小声でエミルの耳にささやいた。
    「コロンビア特別区、司法省の……」「は?」
     エミルはくるりとアデルに向き直り、それを遮る。
    「つまり連邦特務捜査局の資料室にある、ってこと?」
    「そう言うことだ」
    「あんた、そこに入れると思ってるの?」
     エミルはアデルから受け取ったメモを、アデルの額にぺちんと叩きつけた。
    「ただでさえ向こうはあたしたちを商売敵、面倒臭い輩だと思ってるのに、自分たちの本拠地のど真ん中にまで平然と入れてくれるって?
     そんなの、透明人間にでもならない限り不可能よ。間違い無く門前払いされるでしょうし、最悪、政府施設への不法侵入罪をでっち上げられて、パディントン探偵局ごと潰されるわよ」
    「分かってるって。俺だっていきなり、『よう、おつかれさん』なんてフレンドリーに真正面から入ろうとは思っちゃいないさ」
     メモを額からはがしつつ、アデルは肩をすくめる。
    「そこで今回、俺が任された件が絡んでくるわけだ」

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    DETECTIVE WESTERN 6 ~ オールド・サザン・ドリーム ~ 1

    DETECTIVE WESTERN

    5ヶ月ぶりにウエスタン小説。
    Civil war "eve"。

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    1.
     アメリカ合衆国最大の内戦、南北戦争。
     勃発の直接の原因は、それまで合衆国の富裕層における「常識」であった奴隷制に対する意見の相違に起因するのだが、そもそも何故、戦わねばならぬほどに意見を違えることとなったのか? それは北部地域と南部地域の産業構造が分化し、それぞれの地域に住む人民の意識が変化していたことが、最も大きな原因とされている。
     プランテーションに代表される大規模農業を続けるべく、依然として「安価な」労働力を要する南部。工業化の進行により、安価でなくとも「質の高い」労働力を欲する北部。需要の質が異なる以上、意見が食い違うのは必然である。
     やがて妥協できないほどに両陣営は対立を深め、その結果、南部はアメリカ連合国として合衆国から分離。そして西暦1861年、戦争が勃発した。

     無論、一国が分裂することなど、愛国心の強い者たち、諸外国からの干渉に対し警戒を怠らぬ者たちにとっては、何としてでも避けるべき事態に他ならない。
     意見対立が激化する以前から、政治家や大実業家、その他国内における権力者たちの多くは様々な議論、様々な法整備、様々な運動を繰り返し、その結果に至らぬよう尽力を重ねていた。
     それは元々から政治的、社会的な力が強かった北部の人間だけに留まらない。南部の人間においても――元々抱いていた主義・主張の下で――東奔西走ならぬ、南奔北走を続けていた者は少なからず存在していたのである。



     1860年12月、T州。
    「あの共和党の猿(Ape)めがッ!」
     新聞の政治欄から顔を上げるなり、彼は苛立たしげに怒鳴り、新聞を引きちぎった。
    「何が『こんな提案に同意するくらいなら私は死を選ぶだろう』だ、キレイゴトばかり吐きおって!」
    「せ、先生」
     彼の背後には、顔を蒼くして立ちすくむ、いかにも神経の細そうな若い男が立っていた。
    「このままでは、我が社の経営が……」「お前だけの問題じゃない!」
     いかにも偉そうなスーツを着たその中年の男は、若者に向かって怒鳴り散らした。
    「わしの後援はいずれも奴隷無しじゃ立ちいかんのだ! このままあいつらの主張が一方的に通されてみろ、わしの政治生命も、お前らの会社もみんな終わりだ!
     かくなる上は、お前たちにも覚悟をしてもらわねばならん」
    「か、覚悟、でございますか?」
     驚く若者に、彼は続けてこう言い渡した。
    「そうだ。それもあの猿のように、ただおべっかを立て並べ、口先だけの決意表明なんぞをしてもらうのでは無い。
     わしは形として、目に見えるものとして、覚悟を見せてほしいのだ」
    「とっ、……と、申しますと」
    「これはまだ私見だが、こうまで南部連中の意見が棒に振られている以上、南部は早晩、北部と袂を分かつことになるだろう」
    「た、袂を? それはつまり、……まさか」
    「おかしな話では無い。元々イングランド人やらスコットランド人、スペイン人、オランダ人、フランス人やらがごちゃごちゃと集まってできた寄せ集めの国だ。それがまたバラバラになるだけのことだ。
     とは言え、いずれはまた一つになるであろうことも、目に見えておる。でなければイングランドやらロシアやらの帝国共がいざ攻め込んできた時、どうしようもなくなるからな。
     問題はその後だ――我が国がもう一度一つになったその時、我が国はどんな意見を持っているか、だ」
    「つまり……?」
    「北部の意見だけが残っているか。それとも南部が意見を通し切っているか。わしは後者であることを求める。
     だからこそ、まずはカネだ。何を置いても潤沢な資金が無ければ、何も成し得ぬ。だからこそカネをありったけ、わしのところに集めるのだ。
     そして残る二つは」
     男は窓に向かい、若者に背を向けつつ、こう続けた。
    「兵士と武器だ。猿や彼奴ら率いる共和党がどうしてもキレイゴトで議会を埋めたい、アメリカを満たしたいと言うのならば、わしは現物と実力を以って、現実を見せてくれる。
     とにかく早急に、大規模にかき集めろ。そしてその力を駆使し、北部の連中をアメリカ大陸から駆逐してやるのだ!」

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    クルマのドット絵 その70

    クルマのドット絵

    前回に引き続き、待受素材の未公開分。



    DAIHATSU MOVE(LA150S)

    HONDA N-BOX(JF1)

    HONDA S660(JW5)

    ・ホンダ バモス(1999)
    ・三菱 eKワゴン(2013)
    ・三菱 アイミーブ(2013)



    これで未発表分、すべて出し切りました。
    また溜まってきたら掲載する予定です。

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